VUCA(ブーカ)とは? 予測困難な時代に必要なフレームワークやスキル

最終更新日: 2022.08.01 公開日: 2022.07.04

VUCAとは?

新型コロナウイルスの流行をはじめ、予期せぬ事象が次々に起きている現代はVUCA(ブーカ)の時代と呼ばれます。この記事ではVUCAとは何か、またVUCAが注目されるようになった背景やVUCAの時代の特徴を解説します。さらに必要なスキルや効果的なフレームワーク、おすすめの人材育成方法についてもご紹介します。

VUCA(ブーカ)とは

将来の予測ができない時代や世の中のことを「VUCA(ブーカ)」と呼びます。
VUCAとは、以下の4つの要素から頭文字を取った造語です。

  • Volatility(変動性)
  • Uncertainty(不確実性)
  • Complexity(複雑性)
  • Ambiguity(曖昧性)

VUCAの時代では、これまで長年築いてきた常識や慣習が通用しなくなり、さまざまなビジネスに変革が強いられ、社会が大きく変わります。
まずはVUCAを構成する要素について、具体的に内容をご紹介します。

Volatility(変動性)とは何か

「Volatility(変動性)」は、予測できない事象が発生し、急激に世の中が変化することといった意味があります。具体的には、新型コロナウイルス感染症の流行や国家間の紛争などが例として挙げられるでしょう。
企業にとってもテレワークが一般化するなど、従業員の勤務環境も大きく様変わりしました。また、現在ではIT技術の進歩や、消費者の価値意識が多様化したことで市場の変化も早くなっています。
このような変化に対応していくには、社会全体を俯瞰し、流動性を先読みできるかどうかがポイントです。

Uncertainty(不確実性)とは何か

「Uncertainty(不確実性)」は、世の中にあふれる情報について、何が正しくて何が誤っているのかの判別が困難であることを指します。新型コロナウイルスの対処法・治療法が確立できていない状況や、それにまつわるフェイクニュースの拡散なども、不確実性の例として挙げられます。
企業にとって、不確実性は今後の事業推進に大きな影響を与えるため、十分に注意が必要です。まんべんなく情報収集をしながら仮説を立て、検証し、物事の本質を見極めましょう。

Complexity(複雑性)とは何か

「Complexity(複雑性)」とは、影響を与える要素の数が多く、さらに絡み合うことで把握が困難となり、容易に解決できないことを指します。昨今は社会や消費者の価値観、行動が多様化しているため、あらゆる場所でさまざまな要素が複雑に絡み合っています。
特定の要素を見るだけでは問題を解決できないため、複雑性を考慮するのは困難かつ多大な労力がかかります。しかし、企業価値を高めるためには、アンテナを高めて積極的に情報収集し、課題の本質を見極め、的確な解決策を探っていくことが重要です。

Ambiguity(曖昧性)とは何か

「Ambiguity(曖昧性)」は、ある事象が複数の意味に捉えられ、どれが正解なのかわからないことを指します。近年は、SNSを通じて消費者が自由に意見や評価を発信できるようになり、テレビや雑誌などによる画一的なブームや価値観の形成は見られなくなりました。しかし、消費者意識の多様化が進んだことで、需要に対し企業はどのような方針や施策を講じるのがベストかを判断するのが難しい状況にあります。
そのため、状況に応じて何を正解と捉えるべきか、的確に見定めることが求められます。消費者のニーズをより具体的に把握し、ビジネスへの活用を目指しましょう。

VUCAが注目されてきた背景

VUCAとは、本来は軍事用語であり、1990年代以降に米軍がテロ組織と戦争をするにあたって生み出された概念とされます。それ以前に行ってきた国を相手にする戦争との勝手の違いから、その変化へ対応するためにVUCAを考慮した戦略が求められました。

現代は、予期せぬ自然災害をはじめ、政治・金融への不安や市場のグローバル化など、企業が難しい対応を強いられる状況が多数発生しています。また、新型コロナウイルスによる世界的なパンデミックもいまだ収束には至っておらず、企業や人々は混沌とした社会に生きているといってもよいでしょう。前述したIoTやAIといったテクノロジーの進歩や、消費者の価値観の変化も、ビジネスや社会、生活を大きく変化させている一因です。

こうした背景は一過性のものとは言い切れないため、今後も企業や人々は、このダイナミックな動きに対応していかなければ取り残されてしまいます。
そこで、予測できない時代を表すキーワードとして社会や市場に対してもVUCAの概念が取り入れられ、重視されるようになりました。

VUCAの時代に起こること

VUCAの時代に合わせた生き方やビジネスを進めるためには、まずその特徴について理解することが大切です。

これまでの非常識も受け入れなければいけなくなる

VUCAの時代では、これまで常識と考えられてきたビジネスモデルや慣習の多くが通用しなくなる可能性があります。不確実で曖昧、複雑に絡み合った状況を目の前にして、企業は「常識」であった慣習や過去の成功体験に固執することなく、新たな「非常識」を受け入れていくことが必要になるのです。また、目まぐるしく変化する社会や環境に合わせて、人や技術といった経営リソースの最適化も図り、時代に取り残されないようにする努力も求められるでしょう。

時代にあった新しいサービスが現れる

VUCAの要素である不確実性などは、ビジネスにとってマイナス面ばかりではありません。将来が予測できない時代だからこそ、これまでなかったような商品やサービスの市場創出や、画期的なビジネスモデルを構築できるチャンスがあるのです。
例えば、これまで出前はその店舗の従業員が自社所有の車両を使って注文者へ配達するのが一般的でした。しかし、近年では配達を専門とするサービスへ登録しているアルバイトが自前の交通手段で配達し、手数料を得るといった新しいビジネスモデルが浸透しつつあります。
時代の流れは今後もますます速度を増していくと見られ、それに合わせて新しく便利な商品やサービスが次々にリリースされるでしょう。このような新市場にいち早く参入できれば、失敗のリスクは否めない一方で、高い優位性を得られる可能性があります。

予測不能の出来事が次々に起こっていく

現在は、多くの企業や人にとって想定していない出来事が起きやすい状況にあります。世界的には、前述したパンデミックや国家間の争い、金融危機などが代表的です。国内に目を向けてみると、テレワークをはじめとした働き方の変化や、定年制度・年功序列制度の崩壊なども、新たな動きと捉えられます。消費者の価値観も多様化し、一律に満足度を高める施策も難しくなってきました。つまり、もはや過去の経験や勘だけでは、将来の予測は困難な状況です。

企業や組織ができる対策としては、DX化を進め、AIなどの最新テクノロジーも駆使しながら、予測の精度をできるだけ高めることが挙げられます。また事業においても、将来を予測し、状況に合わせてスモールステップで柔軟に修正できるように設計することが重要になってくるでしょう。

VUCAの時代を乗り越えるために必要なスキル

VUCAの時代へと対応するためには、求められるスキルもさまざまです。では、特に重要とされるスキルとは何でしょうか。

目まぐるしい変化を受け入れ、対応するスキル

企業や人々を取り巻く現代の環境は、急速かつダイナミックに変化しています。そのため、従来の考え方や価値観に固執していると、あっという間に時代の変化から取り残されてしまいます。つまり、一人ひとりが現在置かれている状況を理解し、能動的に行動することが重要なのです。
また、適切に状況を把握するためには、経験や勘に頼らず、客観的な事実やデータをもとに分析できるスキルが求められます。

問題や課題を解決するための思考力

VUCAの時代においては、大きな変化を伴うことで予想外のさまざまな問題や課題も浮き彫りになることがあります。しかし、そこで確実な答えを導き出すのは困難です。例えば、「新型コロナウイルス流行を抑えるためにはどうすればよいか」という課題には、誰もが答えを持っていないものの、自治体や企業といった組織、個人が仮説をもとに対策をとっていく必要があります。
このようにVUCA時代では、情報収集のうえで仮説を立てて検証し、評価を仮説に活かすサイクルを回しながら、柔軟に思考できるスキルが求められるでしょう。

さまざまな情報を収集するためのスキル

現代は、膨大な情報であふれている時代でもあります。施策を検討する際にはインターネットであらゆる情報にアクセスできる一方で、情報が誤っていれば肝心の課題解決にはつながりません。そのため、膨大な情報から活用できるものを見つけ出し、さらにその正誤を精査できるスキルが重要です。
このようにVUCAの時代では、問題を解決するために必要な情報を的確に収集し、ビジネスに応用するスキルが重視されているのです。

VUCA時代を生き抜くためのフレームワーク

ビジネスシーンで有名な「PDCAサイクル」は、以下の4ステップを繰り返すことでマネジメントの品質向上を目指す仕組みです。

  • Plan(計画)
  • Do(実行)
  • Check(評価)
  • Action(改善)

VUCAの時代を乗り越えるためには「OODAループ」という思考のフレームワークが有効です。OODAループは以下の4要素でサイクルを回します。

  • Observe(観察)
  • Orient(仮説構築)
  • Decide(意思決定)
  • Action(実行)

まず市場や消費者の趣向や動向をよく観察し、必要なデータを収集し、そのうえで立てた仮説に従って状況へと対応します。

そもそも、OODAループは米軍の軍事戦略家だったジョン・ボイド氏が考案した思考法です。戦地では計画を立て、その通り動くことよりも、一人ひとりが目の前の状況をしっかり見極めたうえで適切かつ迅速に行動することが求められました。
PDCAサイクルは計画が正確であることを前提に実行するため、想定外の状況で破綻しやすい難点があります。OODAループを用いることで、状況の変化に合わせて柔軟な修正や的確な判断が可能になります。また、意思決定後、スピーディーに実践に移せる点がメリットです。

VUCAの時代に必要な人材育成

VUCAの時代において、企業の重要なリソースである「人材」の確保は避けては通れない問題です。では、企業はどのように人材育成の方針を策定し、進めていけばよいのでしょうか。重要なポイントを3つ、ご紹介します。

リカレント教育導入のサポート体制を作る

近年、「リカレント(Recurrent)教育」と呼ばれる、社会人が学び直しをする動きが注目を浴びています。リカレント教育とは、大きく変化する社会や職場、生活に対応するため、高校や大学を卒業した後、社会人になってもアンテナを高く持ち、日々アップデートされる情報を理解するために学ぶことです。
目まぐるしく変化するVUCA時代では、既存の情報にとらわれていては時代遅れになりかねません。また、これまで習得してきたスキルや知識だけでは解決できない課題も出てくるでしょう。
そのため、「勉強するのは最初のうちだけ」といった固定観念にとらわれず、企業は社員が必要と感じたときにいつでも安心して学べる環境づくりを進める必要があるのです。

リーダー育成に力を入れる

VUCAの時代においては、未然に混乱を回避し、現場のチームを牽引できるリーダーの存在が不可欠です。リーダーはただ漫然と指示を上から下に伝えるだけでなく、目前の課題に対して迅速な状況把握とともにマネージャーや経営層へタイムリーに共有することが求められます。

また、人材確保のためには雇用の多様化(ダイバーシティ)が求められています。実現のために、リーダーは性別や人種の異なるさまざまな個性を持った従業員やその事情に対応できるスキルが必要とされます。それぞれが尊重し合えることがベストですが、ときにはチームワークがうまく回らないこともあるでしょう。そこで、各メンバーの力を最大限に活かすために、マネジメント能力に長けたリーダーを育成することも、VUCA時代の企業には求められるのです。

判断から実行までの素早さの向上に力を入れる

常に変化し続ける市場では、意思決定や行動に時間をかけていると、競合他社にシェアを奪われかねません。そのため、市場全体や他社の動向を観察したり、仮説を構築したりする時間を極力削減することが重要です。そのため、いかに素早く意思決定し、すぐに実行に移せるか、といったスピードが鍵となるでしょう。
VUCAの時代は、状況を客観的に捉えたデータを素早く集め、ビジュアライズすることで、的確な判断を迅速に行う必要があります。このようなスキルを持った人材育成に力を注ぎ、常にデータを分析できる環境を整え、意思決定に活かしましょう。客観的なデータに基づいた意思決定は現場が理解しやすいため、実行に移すまでの時間が短く済みます。

VUCAの時代における人材育成は業務のマニュアル化が鍵

VUCAに対応した人材育成を始めるにあたって、何から手を付けてよいかわからないかもしれません。例えば、テレワークの導入で職場環境が大きく変化した企業では、従来のような集団かつ対面での研修や、オフィスでのOJT教育はあまり効果は見込めません。
そこで、組織における人材育成に活用できるのが、「業務のマニュアル化」です。業務は以下のように分類できます。

  • 経験や知識がモノを言う「感覚型」
  • 一定のパターンから選択する「選択型」
  • 誰でもできる「単純型」

このうち「感覚型」は実際に手を動かし、業務の経験値を積み上げることでしか、スキルを磨けません。一方で「選択型」や「単純型」は、基本的に業務マニュアルを作成し、共有することで飛躍的にスキルアップを望める領域です。さらに、業務の多くはこの2種類に当てはまります。
実際に、業務マニュアル作成・共有ができる、ビジュアルSOP(Standard Operating Procedures)プラットフォームの「Teach me Biz」が30社に対して調査では、どのような業種でも、86%はマニュアル化が可能という結果を示しています。

(参照:社内の86%の業務はマニュアル化できる! ~30社の業務を見てわかったこと~

図やイラスト、動画などを盛り込めば、誰でも理解しやすいマニュアルを作成でき、効果的な人材育成が見込めます。その点、「Teachme Biz」では、独自のシステムでマニュアルを作成するとともに、クラウド上で即時に共有も可能です。現場でのトレーニング進捗状況を確認する分析機能も搭載されているため、一人ひとりに対し、きめ細かな育成も叶うでしょう。

まとめ

現代は情勢の変化が激しく、不確実で複雑に絡み合い、曖昧であることを指す「VUCAの時代」と呼ばれます。先を見通せないことから、変化に対して柔軟に対応できる取り組みを検討することが大切です。
そこで、誰もが簡単に扱える「業務のマニュアル化」をおすすめします。更新や共有のしやすさという観点でも、クラウド上でマニュアルを作成できるシステム「Teachme biz」が便利です。この機にぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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