季節的業務における社員教育方法とは?業務を標準化して残業を防止しよう
季節やイベントによって需要が集中する業種では、繁忙期にあわせて通常時より多くの人を短期雇用することは珍しくありません。しかし、繁忙期に業務をこなしながら新人教育を並行して行うことはなかなか難しいですよね。
この記事では、季節的業務の社員教育方法や残業を防ぐコツをご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
目次
季節的業務とは?
季節的業務とは、「その業務が季節、天候その他自然現象の影響によって一定の時季に偏して行われるもの」と定義されています。
(出典:雇用保険に関する業務取扱要領 項番20452(2))
例えば、以下の業務は季節的業務に分類されます。
- スキー場における業務
- 海の家における業務
- プール監視員
- 年賀はがきの仕分け業務
- クリスマス期間限定のケーキ販売員
季節的業務における課題
季節やイベントによって需要が集中する季節的業務には、いくつかの課題が存在します。ここでは、特に直面しやすい4つの課題をチェックしてみましょう。
社員教育に時間をかけられない
繁忙期限定で新たに人を大量採用する場合、教育に十分な時間をかけられないことがよくあります。これは採用人数が多いことや、短期雇用者に教育を行う時間的余裕がないことが原因です。
残業時間が増える
繁忙期にあわせた設備投資や正規雇用を年間通して維持することが難しいため、繁忙期の業務量に対して十分な環境を整えることが困難です。その結果、残業が発生しやすくなってしまいます。
機械化が困難
人間が行わなければできない業務や、機械化をするには莫大なコストがかかる複雑な業務が季節的業務には多いことも課題の1つです。例えば、プールの監視員が行う救助業務は人間でないとできません。機械化を進められないが故に繁忙期だけ短期雇用をしたり、一人当たりの業務量を増やしたりする必要が生じます。
人手不足
少子高齢化が進み、労働人口が減少している昨今はそもそも人材を確保することが困難です。人材を雇用することにも求人広告費や紹介手数料といったコストがかかります。たとえ求人を出したとしても結局人が集まらない可能性があり、人材雇用へのコストを投資しづらいという問題があります。
課題に対する解決策
これらの課題を解決するためには、従業員の教育体制を整え従業員一人一人の労働生産性を向上させる必要があります。季節的業務においては繁忙期限定で採用された短期雇用者が多く、教育時間をあまりかけられないために労働生産性が低い傾向があります。
そこで、短期雇用者に対する教育体制を見直し、短期雇用者の労働生産性を最大限向上させるようにすることで、繁忙期であっても残業時間をおさえることが可能です。働き方改革推進支援センター、生産性向上人材育成センター、人材開発支援助成金といった行政支援を活用したり、社員教育方法を見直したりしてみましょう。
社員教育の方法
では具体的にどうやって教育体制の見直しをすればよいのでしょうか?社員教育のポイントは「短期間で効果的に行う」ということです。理想的な社員教育を行うために3つの要点をおさえておきましょう。
業務プロセスの見直し
まずは全体の業務プロセスの中で不必要な業務をカットし、機械化やツール導入による効率化ができないか検討しましょう。その上で、季節的業務にあわせて採用した短期雇用者に教える必要のない業務と絶対に教えなければならない業務をそれぞれ確認し、各業務プロセスを分類することが必要となります。
例えば、クリスマスケーキの販売員として採用された場合、「ケーキの梱包」、「レジ締め」、「チョコプレート作成」の全業務が必要となるのかは店舗の方針や採用ポジションによって異なってきます。また担当業務を円滑に進めるうえで、ときには実際に行わない業務についての知識が必要となるため、必ずしも「絶対に教えなければならない業務=実際に行う業務のみ」というわけではありません。繁忙期が来る前に短期雇用者に対して何を教えるべきなのかを明確にしておきましょう。
マニュアルを作成
業務に必要なことをわかりやすく伝えたり、忘れないようにしたりするためにマニュアルを作る必要があります。ところが、マニュアルをせっかく作っても活用されなかったり、そもそもマニュアルの存在を従業員に知られていないという問題を抱えている方も多いのではないでしょうか?
そのような悩みを抱えている方におすすめなのが、クラウド型マニュアル作成ツールの導入です。紙やoffice系ソフトによるマニュアルではレイアウトを一から自分で決める必要がありますが、多くのクラウド型マニュアル作成ツールではあらかじめテンプレートが用意されているため、作成や更新を誰でも短時間で行うことができます。
さらに、パソコン、スマートフォン、タブレットといった様々なデバイスで時間や場所を問わずに作成や閲覧ができ、わからないことがあってもマニュアルを見ることですぐに問題を解決することが可能です。
マニュアルは新人教育だけでなく、業務標準化や引き継ぎにも活用することができます。マニュアルを作成するだけで終わるのではなく、常に情報をアップデートするようにしましょう。
反転学習を実施
社員教育に反転学習を取り入れることで、学習効率を向上させることができます。
反転学習とは、従来の「授業」と「宿題」の役割を全く逆にした授業形態のことを言います。従来は「授業」を受けて知識をインプットし、授業後に「宿題」を通して知識のアウトプットをする、という学習スタイルが一般的でした。それに対して、ビデオ講義や資料を用いて授業前に知識のインプットをあらかじめ済ませておき、授業の演習を通してインプットしておいた知識をアウトプットする、というのが反転学習のスタイルです。
反転学習では従業員が業務をする前にわからないところを明確にできたり、わかるまで繰り返し確認したりすることができるため、学習効率が高くなります。また、従業員は自分のペースで理解を深めることができ、教育担当者は一から教える負担がなくなって教育時間が短縮するため、従業員と教育担当者の双方にメリットがあります。
>>あわせて読みたい!「反転学習は本当に効率がいいの?反転授業とはなにか、事例からやり方までをご紹介」
>>あわせて読みたい!「eラーニングとOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング:On-The-Job Training) の組み合わせで人材の即戦力化を実現!その方法とは?」
それでは、反転学習の具体的な流れをチェックしてみましょう。
・マニュアルで業務内容を予習
まずは「業務開始前の予習」として、マニュアルから業務内容をある程度インプットしておきます。はじめは知識が何も入っていない状態であるため、視覚に訴えかけてくるようなマニュアルだと直感的に内容を理解しやすいでしょう。そのため、予習に用いるマニュアルはただ文字が羅列しているものよりも、画像や動画がメインで補足説明として文章が入っているものにしましょう。
・OJTを実施
次に、OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)を実施しましょう。OJTとは職務現場において実際に業務を行いながら担当者が対面で教育する方法のことです。
マニュアルによる予習で学んだ業務手順を実際に行ってみたり、予習の時点で発生した疑問点を解決したりすることで、さらに業務への理解を深めることができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は季節的業務の社員教育方法と残業対策についてご紹介しました。
需要時期が集中する季節的業務の残業をおさえるためには、繁忙期が来る前に社員教育を済ませ、短期雇用者でもしっかりと業務をこなせるように準備をしておく必要があります。自社が現状抱えている課題が何であるのかを改めて確認し、繁忙期を乗り越えられるように対策を練ってみましょう。
季節的業務の社員教育にはTeachme Bizがおすすめ
反転学習を取り入れるにあたって、「実際にマニュアル作成ツールを導入しようと思っても、どのツールが良いのかわからない」とお悩みの方も多いかと思います。そこでおすすめであるのがクラウド型マニュアル作成ツール「Teachme Biz」です。
「Teachme Biz」は、時間や場所を問わずマニュアルの作成、閲覧ができるクラウド型マニュアル作成ツールです。画像、動画、テキストを活用した「ビジュアルSOP(Standard Operating Procedures=標準作業手順書)」により、文字ベースのマニュアルよりわかりやすく作業手順を明確に定義できます。作成したデータの共有、管理も容易です。
ここでは「Teachme Biz」が季節的業務における社員教育に効果的である3つのポイントをご紹介します。
マニュアルの作成・修正が簡単
Teachme Bizでは、PCだけでなくスマートフォンやタブレットからも作成・修正が可能。いつでも誰でも簡単にマニュアルを作成したり、常に最新の情報にアップデートしたりすることができます。
さらに、業務手順を撮影して補足説明を加えるだけでマニュアルが完成するため、マニュアル作成に要する時間を大幅に削減可能です。動画を入れることが可能で、編集機能も充実しているため視覚的にわかりやすいマニュアルを簡単に作ることができます。
マニュアルが閲覧されやすい
作成時と同様にPC・スマートフォン・タブレットから時間や場所を問わずにマニュアルを閲覧することができるため、「せっかく作ったマニュアルが見られていない」という状況を回避することができます。様々なデバイスの対応により、反転学習の予習用教材として活用しやすい点もTeachme Bizの魅力の1つです。
マニュアルの共有が簡単
Teachme Bizで作成したマニュアルはクラウド上に保存されます。作成完了の通知機能が備わっているため、わざわざマニュアルの保管場所を作成者が連絡しなくても、自動的にマニュアルを共有することができます。
また、アカウントごとに閲覧・編集できるフォルダを分けられるため、配置ポジションごとに作業手順を記したデータをクラウド環境に管理可能。マニュアル共有時のセキュリティ面も安心です。
トレーニング機能が充実
Teachme Bizには、従業員教育に役立つ「トレーニング機能」が備わっています。
「トレーニング機能」では、個人の属性に合わせて、一人一人に最適なトレーニングコースを組み立てることができます。あらかじめコースを組み立てておくことで目指すべきゴールを明確化され好きな時間に教育を受けることができ、教育担当者は新人の習熟度を把握できます。これにより新人と教育担当者の負担を軽減しながら学習効率を向上させることが可能です。
季節的業務の社員教育にお悩みの際は、ぜひTeachme Bizの導入をご検討ください。