これだけ読めば安心!業務効率化が必要な理由と対策について

最終更新日: 2022.06.20 公開日: 2019.06.20


いわゆる「働き方改革」が叫ばれて以降、がぜん注目を集めている業務効率化。RPAなどの単語をよく目にしたり、お聞きになったりする方も多いでしょう。同時にその必要性を理解してはいるが中々導入のきっかけがつかめない、腰が上がらないといった方もいらっしゃるのではないでしょうか。

人口減少が避けられない日本にあっては、今現在は問題なく回せている業務でも、今後はより少人数・短時間で業務をこなしていくことがあらゆる産業で求められていくことになります。

この記事では、「業務効率化」の意義と対策について解説していきます。

業務効率化とは何か

ひと口に業務効率化とは言っても、具体的にはどのようなことを指すのでしょうか。従来は業務効率化と言えば、仕事の手順やワークフローを見直して、過剰になっている手間を省いて合理化したり、同時進行できる箇所を探して時間の節約を図ったりするといったものでした。有名なトヨタの「カイゼン」も、広い意味ではこうした業務効率化のひとつと言えるでしょう。

近年ではRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション=パソコン上での作業の自動化)のような新しい技術も登場し、効率化のための手段も拡大しています。

なぜ業務効率化を図る必要があるのか

書類の中で居眠りする人の画像

業務効率化とは、企業であればいつの時代も求められることと言えます。しかし近年の日本では人口減少とそれに伴う国内需要の減少、グローバル化による競争相手の拡大など生産性向上の必要性が高まっています。また、技術の進歩による自動化・スマート化や働き方改革が進むなど複数の要因により、業務効率化を図らなければならない社会的な要請はますます強くなってきています。

労働人口の減少

もっとも大きな社会的要請としては、人口減少に伴う労働人口減少が挙げられるでしょう。国立社会保障・人口問題研究所が2017年に発表した推計では、2015年時点で1億2,709万人だった日本の人口は、2040年には1億1,092万人、2053年には1億人を割り込むとされています。2015年から数える、25年後には13%、36年後には20%以上減少することになるのです(※1)。

同時に出生率の低下・高齢化も急激に進んでいるため、おおむね15歳〜65歳の生産年齢人口(いわゆる現役世代)の数も急激に減少していくことが予想されます。近年さまざまな産業で人出不足が叫ばれていますが、年月が経てば経つほど状況は悪化していくと言えるでしょう。いかに今より少ない人手で効率的に業務をこなすかは、遠い未来ではなく、すでに直近の問題と言っても決して過言ではありません。

スムーズに業務を行えるようにするため

日々業務をこなしている中で、ワークフローを見直すきっかけというのは、意識しなければ中々訪れないものです。業務効率化を行うには、まず今現在の業務の状態を全て把握し、無駄な部分を洗い出すことが何より重要です。

今の業務の中で省略できる部分が無いか、そもそも無くてもいい業務が入っていないかなど、自分だけではなく、他人から見てもらう機会を持ちましょう。同僚や取引先などチーム内で互いに検証し合うことで見えてくるものもあるでしょう。

長期間見直しを行っていない業務ほど、それだけでも効果を実感できるはずです。本格的な改善策の導入を待たずとも、ワークフローの可視化や無駄な部分の洗い出しをすることで、今までよりスムーズに業務を行えるきっかけになり得るのです。

労働時間を見直すきっかけを作るため

「働き方改革」に象徴されるように、最近は日本でもワークライフバランスを求める気運が高まっています。昔のように残業や休日出勤もいとわないという働き方よりも、プライベートの時間の充実も望む人が増えているのです。

働く人と雇用する側双方とっての社会的コンセンサスとなっていると言っていいでしょう。過度な残業など法定労働時間を越えるような働き方に対する社会の目は厳しさを増しています。

残業が当たり前だった日本の企業風土の中では「限られた時間の中でいかに効率よく業務をこなすか」という視点は、やや欠けていた部分です。労働人口が減少する上にワークライフバランスも求められるとあっては、効率化によりスムーズに業務を行う必要性が高まるのは当然の流れと言えます。

業務効率化ハンドブック

業務効率化を図る方法

大量の紙を挟んだファイルを運ぶ画像
現在の業務効率化の中で大きな役割を果たしているのが、上記で触れたRPAです。ただし、導入する場合はそれ相応の準備が必要となります。一方で、従来の業務やワークフローの見直しの中にも、業務効率化のヒントは多く隠されています。たとえば、業務マニュアルを見直すことで見えてくるものも多いでしょう。

ペーパーレスを導入する

スマートフォンやタブレットの普及以降、職場のみならず、社会全体でペーパーレス化が進んでいます。今やどこの職場でも紙の比重は減少しているはずですが、それでもまだまだ紙のままで行われている業務も少なくはないでしょう。日本ではFAXがまだ現役な職場も多く、海外に比べればペーパーレスが進んでいないともよく言われます。

ペーパーレスにすることで紙代・スペースの節約になるだけでなく、書類をデータで検索できるようになることが大きなメリットです。これにより、大幅な時間の節約が見込めます。古い書類をデジタル化する場合は、単に書類をスキャナでとり込むだけでなく、OCRなどを使ってテキスト化することを心がけましょう。書類をファイルに変換するだけではなく、データベース化することが重要です。

従業員から業務効率化のアイデアを集める

何らかの業務について見直そうとするなら、検証する「目」は多いに越したことはありません。社員はもちろんアルバイトやパート、時には取引先など外部の人まで、できるだけ多くの業務に関わる人たちから、効率化につながるアイデアを提案してもらいましょう。中には、普段から「こうすればいいのに」というアイデアを持っている人もいるかもしれません。

誰しも、自分の視点から業務を見てしまうものです。普段の自分の仕事の流れを他人から検証してもらうことは、それだけでも意義の大きいことであると言えるでしょう。できるだけ「ここはこうでなければいけない」という固定観念に捕らわれず、フラットな状態でアイデアに耳を傾けるのがポイントです。

コンサルを受けて業務効率化を図る

業務効率化について、専門の業者にコンサルティングを依頼するのもひとつの手です。スタディストでは、従来のマニュアルに代わるビジュアルSOP(スタンダード・オペレーティング・プロシージャー)「Teachme Biz」による業務プロセスの改善を手がけています。一般的なSOPのようにテキストだけに留まらず、画像や映像を使って業務の手順を説明できるようにしているのが特徴です。

説明できるほどに業務の中身をかみ砕くということは、結果として業務プロセスの可視化や無駄の洗い出しにつながります。業務効率化の必要性は十分認識しているが、どこから手をつければいいか分からない……という方は、こうしたマニュアルのアップデートや見える化から進めてみるのもひとつの有効な方法です。

業務内容に合ったツールを使う

RPAはソフトウェアでパソコン作業を自動化するもので、特に定型的な繰り返し作業が多いような業務であれば、大幅な作業時間の短縮が可能になります。逆に業務の中でパソコン作業の占める割合がさほど大きくなければ、多額の費用や手間のかかるRPAを導入しても、思ったほどの費用対効果が得られない可能性が高くなります。

多くの人が関わるような作業であれば、ビジュアルSOP『Teachme Biz』のようにあらためてマニュアル化することで新しいヒントが見えてくることも多いはずです。従来のようにテキストや図表のみでなく映像も使うことで、業務の分かりやすさ=問題点の見つけやすさもアップします。業務内容に合わせてツールを使い分けることで、より最適な業務効率化につながるはずです。

研修を一度見直す

正社員はもちろん、外食など非正規雇用が多い産業ではアルバイトやパート向けに研修を行うことも多いはずです。研修によってレクチャーされた内容は、仕事を覚えるというのみならず、その業務を行う上での指針ともなるものです。逆に考えれば、研修でレクチャーされた内容から外れた業務内容の改善ほど行われにくいと言えます。

特に大勢の人に対して研修を行わなければならないような業務であれば、研修内容を見直し効率化することは、多くの人たちの業務を効率化することにつながります。研修の内容やそこで使われる業務マニュアルを見直すことで、たとえ小さな改善でも、業務全体で見れば大きな効率化につながる可能性もあるのです。

業務効率化を図る上で知っておくべきポイント

会社で頭を抱える男性の画像

業務効率化を図るためのさまざまな方法について見てきました。実際に業務効率化を進めていく上で重要になるのが、現在の職場や業務の状況です。何ごとも出発点となる現況をしっかり理解できなければ改善点も見えてきません。特に気をつけたいポイントについて見ていきます。

従業員のスキルを見極める

業務内容とひと口に言っても、高度な専門スキルを持った人でなければこなせない業務、専門的なスキルは不要でも多くの人手が必要な業務など、さまざまなケースが考えられます。業務効率化をはじめる上で、どういったスキルレベルの人にどういう内容を理解してほしいのか明確にしておきましょう。

従業員のスキルを見極めれば、スキル別にどのように業務を割り振れば最も効率が良くなるかが明確になってくるはずです。メンバーが変わればまた見直しが必要になりますが、人員が流動的な現場であっても、あらかじめスキル別にやるべきことが定まっていれば柔軟な対応が可能になります。

抱えている課題を把握する

何が業務の効率化を妨げているのか、いわゆるボトルネックを意識することは常に重要なことです。気付いていれば対応もできますが、そもそも何が課題かに気付いていなければ対策もできません。

繰り返しになりますが、業務効率化を図る上では、業務内容やワークフローの流れを洗い出す作業が必要です。さらにその中で何が課題になっているのか、その発見を意識しましょう。

特に日頃何気なく行っている作業ほど、そこに内包されている課題には気付きにくいものです。このステップを省略できないか、省略すればどうなるのか。ワークフローのひとつひとつのステップについて疑問を持って検討することが、課題を浮かび上がらせることにつながります。

無駄な業務を行っていないかどうか

そもそもあきらかに「無駄」と認識しているステップや課題であれば、すでに何らかの対策をしていたり、省略できない理由があったりするはずです。無駄は見つけて省くというだけではなく、効率化により新たに無駄になる部分が出てこないかという見方も重要です。

たとえばワークフローを見直して順番を変えることで、不要になる手順や作業が出てくる可能性もあるでしょう。今まで必須と思っていた作業も、自分だけではなく、他の従業員や専門業者と一緒になって見直すことで思わぬ代替案が出てくるかもしれません。無駄を「見つける」のと同時に「あぶり出す」という見方を意識しましょう。

他社がどのように業務効率化を行っているか

他社の業務効率化について知見を得ることも、業務効率化の大きなヒントとなり得ます。自社の業務内容とは全く違う企業であっても、参考になる部分は多いはずです。会社の同僚や友人・知人にそうした事例を聞くことも有用ですし、専門のコンサルタント等から話が聞ければ、自社により近いケースの話を聞ける可能性も高まります。

前項でも述べましたが、すぐに分かる無駄であれば、業務効率化以前に何らかの対策をしているはずです。同様の業務効率化に関連する、できるだけ多くのケースについて当たった方が、自身の業務の中の気付きにくい部分をあぶり出すヒントとなるはずです。

チームの業務効率化を行うため、何が必要なのか

楽しそうに話し合いを行う様子の画像
店舗や部課などチームごとに業務効率化を行うに当たって、できるだけ多くの目で今のワークフローを見直すことや、スタッフのスキルを見極めることが重要であることを述べてきました。以下では個人ではなくチーム内での業務効率化作業を進める上で、どのような点に留意して具体的な作業を進めるべきかについて見ていきます。

スタッフ同士のコミュニケーション

業務効率化以前の問題とも言えますが、スタッフ間の良好なコミュニケーションが無ければ、どんな業務でも成果を上げることは困難です。特に業務の見直しを行う上では、地位・立場に関わらず、どれだけ率直に意見を言い合うことができるかが効率化の成果にも直結します。

いくら業務を「見える化」したとしても、それが実態を反映していなければ効果も薄れるからです。スタッフに率直にありのまま、今現在の業務について答えてもらう体勢作りが効率化の素地と言えます。

仕事における目標設定

どのような業務でも、部課などのチームごとに必ず目標が設定されているはずです。目標そのものを見直すのは効率化と言うよりは経営判断になりますが、効率化を行う上で、そもそも目標が適切かどうかを考えるのも決して悪くはない選択です。

今の業務を見直す中で、目標数値について疑問が出てくるケースもあり得るでしょう。もし目標の数字を見直す余地があるのであれば、新しい目標に合わせ、今まで必要だったステップの省略につながるかもしれません。

効率化のためのシステム

効率化をはじめるにあたり、まず行うべきなのは今現在の業務内容、ワークフローの洗い出しです。まずはチーム内で、そのためのシステムづくりを行いましょう。

各スタッフが日々行っている業務内容について書き出し、全体でそれを見せ合うミーティングを設けます。効率化できるポイントがないか検討し、すぐに改善にとり組める点であればどんどん実行に移し、また一定期間を置いて書き出し〜ミーティングの作業を繰り返します。サイクルを繰り返すだけでも、さまざまな気付きが得られるはずです。

他チームとの連携

社内の他の部課や取引先など、チーム外との連携も効率化には不可欠です。チーム単位で考えた時、チームにインプットされる業務の量そのものを、内部だけで変更することは困難です。

単純に業務量を減らすだけだと売上など業務の成果も落ちてしまう可能性もあります。成果を維持したまま生産性向上に努め、業務量を減らすことができないかを考えましょう。チーム外との交渉や連携が不可欠な作業ですが、成功すれば大きな効果が期待できます。

適切な人員数の見極め

業務の効率化により、人員数の見直しにつながることは十分考えられることです。人員を減らすことができればそれだけ人件費の削減にはなりますが、まずは「チームにとって適切な人員数」を考えてみましょう。

効率化の上で業務内容を洗い出すことは、そのまま業務量の把握につながります。スタッフのスキルを見極めた上で、時間内にその量の業務をこなすためには、どれだけの人員が必要かを考えるのです。人員を減らすことでとりあえず支出を削減することができたとしても、1人あたりの業務量が増え効率が下がってしまっては、本当に効率化できたとは言い難いものがあります。

業務環境の整備

人員数の話ともつながりますが、これから業務を見直そうと言うのであれば、業務に適した職場環境を整えることは重要です。必要な備品がそろっていなかったり、作業のための十分なスペースが足りなかったりするような環境ではせっかく業務内容を効率化しても十分な効果が発揮されない恐れもあります。

業務効率化のような作業を行う上では、スタッフが率直に、忌憚なく話し合える環境が必要です。関わるスタッフがそもそも業務にポジティブな気持ちでとり組めているかどうかは重要な要素です。

まとめ

タブレットをもって納得する人の画像

何度も繰り返しになりますが、業務の効率化を図る上では、今現在の業務内容・ワークフローの把握が何より大切です。魔法のような効率化のタネを求めるのではなく、細かい作業をスタッフで積み重ねた上で大きな成果を目指す、地道な作業と言えるでしょう。

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