【セミナーレポート】『ChatGPT最強の仕事術』著者 池田朋弘氏登壇! 生成AIで実現する業務効率化

公開日: 2024.09.27

弊社スタディストが開催したオンラインセミナー「生成AIで実現する業務効率化の秘訣」にて、株式会社Workstyle Evolutionの代表取締役CEO・池田朋弘さんに講演いただきました。
池田さんの著書である『ChatGPT最強の仕事術』をもとに、業務効率アップのための生成AIの活用方法や活用パターンなどについてお話いただきました。

本記事では、池田さんの講演内容をサマリーとしてお届けします。
AIを活用して業務改善を図りたいという方はぜひご参考にしてください。

セミナー画像です

<登壇者> 株式会社Workstyle Evolution代表取締役 池田 朋弘
1984年生まれ。早稲田大学卒業。2013年に独立後、連続起業家として、計8社を創業、4回のM&A(Exit)を経験。
起業経験と最新の生成AIに関する知識を強みに、ChatGPTなどのビジネス業務への導入支援、プロダクト開発、研修・ワークショップなどを数十社以上に実施。
著書に『ChatGPT最強の仕事術』は発売4ヶ月で3万部を突破。
YouTubeチャンネル「リモートワーク研究所」では、ChatGPTや最新AIツーの活用法を独自のビジネス視点から解説し、チャンネル登録数は10万人超(2024年7月時点)。

生成AIとは学習データをもとに新データ・情報を生み出すAI

株式会社スタディスト 木本俊光(以下、木本):本日ご登壇いただく池田朋弘さんについて、ご紹介します。発売4カ月で3万部を突破した『ChatGPT最強の仕事術』の著者であり、YouTubeチャンネル「リモートワーク研究所」を運営していらっしゃいます。「リモートワーク研究所」は最新のAIツール活用法などを独自のビジネス視点から解説しているチャンネルで、登録者数は10万人を超えています。

プロフィール

株式会社Workstyle Evolution 池田朋弘(以下、池田):本日は、生成AIを使うことによって、どのように業務効率化を実現できるのか、ポイントをお伝えします。

まず、生成AIとは、学習データをもとにして、新しいデータや情報を生み出すAIです。最も有名なのが文章系のChatGPTですが、これ以外にも画像や映像、プログラムのコードや音楽など幅広い分野で使われています。

機能のアップデートも頻繁に行われていて、利用できる幅も広がっています。ぜひ改めて関心を持っていただき、いろいろと試していただければと思います。

生成AIでの業務効率アップの現状

池田:「生成AIを使う」と言っても2つあり、①一人一人がExcelのようにツールとして使いこなして生産性を上げることと、②ツールの中に導入することです。ここでは1つ目の、一人一人が使いこなすとどのくらい効率化できるのか、そのためにはどんな使い方があるのかを紹介します。

現時点では、世界15カ国1.3万人以上を対象にした調査によると、生成AIを業務に使用していると回答した約6割が、週に少なくとも5時間節約できています。グローバル調査なので前提が違う可能性はありますが、週5日働いていると仮定すると、1日1時間の業務効率アップになっています。多くの会社で使う際には、これがひとつの目安になるのではないかと考えています。

もちろん、導入してすぐその域に到達できるわけではなく、導入後に使い方を覚えてうまく展開し、成果を出すことを目指します。半年~1年くらいのトレーニングが必要ですが、以下でご紹介するような活用方法を社内に広げることで実現可能です。

ChatGPTの3つの効果

ChatGPTの3つの効果

池田:ChatGPTを使うとどのように業務が変わるのか、大きく3つにまとめると、以下の通りです。

1つ目が、ルーティンワークを効率化すること。ルーティンワークというのは、手順もアウトプットも大体決まっている仕事です。先程取り上げた調査で、生成AIにより業務時間を1日平均1時間削減しているのは、これに該当します。

2つ目がクリエイティブワークの効率化。クリエイティブワークは、手順はあってもアウトプットが完全には決まっていない仕事です。たとえば、セミナーの内容を作ることや、メールマガジンの文章を考えるなどが含まれます。これらは、やることは決まっていても正解がなく、ベターな解を模索する仕事と言えます。これらの仕事では、生成AIにアイデアを出してもらい、かける時間は同じでもクオリティを上げていくことが可能です。

3つ目に、ルーティンワークにかける時間が減った分、新しい仕事にチャレンジできること。今までやったことがないこと、自分だけでは取り組めないことを生成AIに相談したり、教えてもらったりチェックしてもらったりすることで、進めやすくしていきます。

ルーティンワークが多くて、新しい仕事やクリエイティブな仕事になかなか時間が割けず、60点くらいのクオリティで満足せざるを得なかった状況を、組織全体あるいは個人として変えていく。それが、生成AIを活用した新しい働き方です。

生成AI 5つの基本活用パターン

ChatGPTの5つの基本活用シーン

池田:ここから、具体的な活用方法をご紹介します。生成AIーー特にChatGPTなどの文章系の生成AIーーを事業で使っていくためには、大きく5つの活用パターンがあります。企画立案、リサーチ、文章作成、他言語、そして、プログラミングです。

企画立案

池田:企画立案は、生成AIが一番得意なことだと言えます。使い方を知っていると、クリエイティブワークでアイデアを広げることができ、新しい仕事をしていくときにとても便利です。

たとえば、飲食店の店舗マニュアルを作ったものの、あまり活用されていないとします。そのようなときは、「マニュアルの活用を促進するためにどんなことができるか、アイデアを10個考えて」と生成AIに聞きます。すると、かなりのスピード感で答えが返ってきます。

出てきた10個のアイデアの1個1個の質が良いケースもあれば、一般的であまりピンとこないケースもたくさんあります。そんなとき、あまり生成AIに慣れていない方は「いまいち使えない」と思ってしまうのですが、実は生成AIのすごいところはここからです。

人間でも、最初に出したアイデアが完璧ではないケースはよくありますが、生成AIも同様です。ただし、面白いのは、ここで生成AIに「ほかには?」と聞くと、さらに10個アイデアを出してくれることです。

人間の場合、ブレインストーミング(集団発想法)のように、たくさんアイデアを出し合って質の高いアイデアを生み出すフェーズにおいて、10個アイデアを出すだけでも大変です。しかし、AIであればどんどんアイデアを出してもらい、たとえば50個出させた中から1個か2個でも良いものが見つかれば良い、ということになります。

もちろん、この中でどういうアイデアが良いかを選んだり決めたりするのは人間の力ですが、何もアイデアが出て来ないという状況は解消されるでしょう。

企画・アイデア出しのプロンプトパターン

ほかにも、「参加したくなるような勉強会のネーミング」や「メルマガのタイトル」、さらには「事業プラン」など幅広いもののほか、「この言葉を言い換えて」といった細かなリクエストまで、大小さまざまなアイデア出しに使えます。

さらに、生成AIには「もっと○○」という要求ができます。たとえば、「もっと面白そうなものに」など、アイデア出しにおいても条件を付けられます。このようにアイデアツールとしての活用においては、指示の仕方・質問の仕方を覚えておくと非常に便利です。

リサーチ

池田:続いて、物事を調べたり考えたりというリサーチにおいても、ChatGPTなどの生成AIは心強い武器になります。

たとえば、飲食店の店舗向けマニュアルを作るとします。何かするときのコツや、逆に失敗しやすい点など、従業員にとって使いやすくするためのポイントは、従来であれば検索したり誰かに尋ねたりする必要がありました。

検索しても、一般的なマニュアルを作るポイントはあっても、飲食店の店舗向けマニュアルとなると、情報はかなり減ります。さらに、たとえば、都市圏にあるフレンチの店舗向けマニュアルとなると、ネット上にはないでしょう。誰か詳しいコンサルタントなどに聞かなければならなくなります。

そのような場合でも生成AIを使えば、自分の状況に合わせた形で質問に回答してくれます。さらに「現場でのフィードバックを取り入れるように言われたが、どうしたら良い?」というように、特定の注意点に関して深掘りして知ることも可能です。

ネット上の情報だと、同じような内容がまとまっていても、気になったことを質問したり、深掘りしたりはできません。生成AIを利用することで、あたかも頼れるコンサルタントや上司・同僚に相談しているように物事を考えることができます。

また、マニュアルを作るときに文章が良いのか、動画が良いのか、それぞれのメリットとデメリットを比較したいときにも活用できます。比較対象がメジャーなものであればネットにも答えがありますが、具体的な話となるとあまりないかもしれません。AIを活用すれば、「表形式で比較して」など出し方のスタイルを指定することもできます。このように、物事を調べるときの活用方法も覚えておくと有益です。

リサーチのプロンプトパターン

注意点としては、ChatGPTの回答がすべて正確とは限らないことです。あくまで作ってくれるのは下書きで最初のアイデアであり、本当にそれが妥当か考えるのは人間の役割です。とはいえ、最初の素案を一瞬で作ることは人間には難しいため、使わない手はないと思います。

文章作成

池田:文章作成に関しては、たとえば「マニュアル普及のための勉強会をやるから社内告知文を作って」と生成AIに問うと、ある程度の文章をあっという間に作ってくれます。知っておいて欲しいテクニックは、「もっとフォーマルにして」とか「カジュアルにして」とか「○○を足して」とか、追加で要望することでアップデートできることです。

そのため、初期の案が完璧ではなかったとしても気にする必要はなく、どんどん変えていけば良い、というのを覚えておくと使いやすいでしょう。

100点ではなくて、60点、70点、80点とか出たら、後は自分で修正すれば良いわけで、完璧を求めるとやっぱり物足りない点が出るかもしれませんが、「完璧じゃなくても良い」という発想であれば十分使えます。

文章作成・添削のプロンプト

目次だけ・特定のパーツだけの原稿を作ったり、作った文章をチェックしてもらったりすることもできます。特に文章作成が苦手な方は、効率的に高品質なアウトプットができるようになるでしょう。

他言語

池田:生成AIは言語にも強く、たとえば「作った文章をベトナム語にして」と依頼すると、事前に作った文章をベトナム語で作ってくれます。これだけであればGoogle翻訳で良いと思うかもしれません。しかし、生成AIであれば、「ベトナム出身の従業員から見て、わかりづらい点や気になる点はある?」など、相談しながら文章のテイストを調整できるのが特長です。これは翻訳ツールにはできないことで、中身を見て判断できるのは生成AIの長所と言えます。

グローバル企業で英語がネイティブではない経営者の場合、自分が伝えたいことが正しく伝わるか生成AIにチェックしてもらう、ということもやっているようです。

プログラミング・ITツール活用

池田:最後に、プログラミングやITツールへの活用です。プログラミングと言うと、少しハードルが上がるかもしれませんが、多くの人に使って欲しいのはExcelの関数やマクロです。

たとえば、Excelの関数ですが、インターネットで調べるとさまざまなサンプルはありますが、自分が本当に作りたい具体的な指示に沿った関数があるわけではありません。これをChatGPTに依頼すると、作りたい関数を日本語で伝えるだけで作ってもらえます。

さらに、作ってもらった関数をもう少し理解したいと思ったら、「わかりやすく説明して」とか「これはどういう意味?」と尋ねると教えてくれます。こういった使い方であれば、Excelやマクロが苦手という方でも、まるで横に専属の講師がいて教えてくれるかのような感覚で学べます。

同じように、マクロのようなハードルが高いものでも、日本語で要件さえ出せれば作れるようになります。たとえば、「クレジットカードの明細を個人と法人とに分けたい。C列の明細はある程度決まったパターンがあるので、自動で振り分けて欲しい」という場合、自分でマクロを作るのは労力を要します。しかし生成AIに今の要件を伝えることで、Excelのマクロを瞬時に作ってくれます。

Excelのマクロを作る

中身を作るという一番ハードルが高い部分は生成AIがやってくれるため、マクロをどうExcelに貼りつけるかなど、その後の使い方は本などで学習するだけで済みます。

すると、エンジニアに頼らなくても、マクロなどでできるルーティンワークは生成AIを使って自分で自動化できるようになります。そしてこれは、Google Apps ScriptやPython、PHPなどさまざまなプログラムにも応用できます。ルーティンワークの自動化により、誰でも非常に効率的かつ効果的に仕事を進められるようになることが、多くの企業で見られる成功パターンです。

ここまでで紹介した5つの基本パターンをしっかり使いこなせるだけでも、人によっては1日1~2時間圧縮することが十分可能だと思います。ぜひ積極的に活用をご検討ください。

Teachme AIの魅力/可能性

池田:これまでに、一般的な生成AI、主にChatGPTでの業務効率アップのチップスをご紹介してきました。ここからは生成AIでマニュアル作成ができるツール「Teachme AI」について紹介します。

Teachme AIの魅力/可能性

生成AIとの抜群の相性

池田:Teachme AIは大きく「テキスト系」と「動画系」に分かれています。
テキスト系においては、マニュアルのドラフト(草案)を作ったりチェックをしたりするものがツールに組み込まれています。

動画系においてはもっと高度です。動画を読み込んで自動的にシーンを分割し、そのシーンごとに字幕を生成、そこから文章のマニュアルも作って反映します。これは実に生成AIと相性が良いと言えます。

これらを利用することで、マニュアル作成にかかる3時間の作業量が15分にまで削減できたという実績も出ています。特定の相性が良い業務に生成AIを組み込んでいくことは、Teachme AIに限らずいろいろなところで広まっていますし、さらに広がっていくと良いのではと考えています。

人と生成AIの役割分担

池田:2点目のポイントは、人と生成AIの役割分担です。テキストに関しては、これまでは人間が全て手作業でマニュアルを作成しなくてはならない点が非常に手間でした。Teachme AIでは生成AIがドラフトを作成し、人間はドラフトを埋める形で素材を集めたり画像を登録したりして、AIがチェックしたものを最終調整して完成する、という流れになります。

これまでの作成手順との違い1

動画の場合だとさらに効率的で、撮影した動画をチェックしたり、要らない点を削ったり、字幕を入れるといった作業を自動化できます。動画のチェックや字幕入れの作業は手間がかかる傾向にあり、30分位の動画でも調整に1日要することもあるため、かなりの省力化になります。

これまでの作成手順との違い2

やはり生成AIは完璧ではないため、人間のチェックが入っていることが重要です。こうしたチェックに関する部分もフローに織り込まれているのが、Teachme AIの素晴らしい点です。

業務プロセスとの統合

池田:3点目のポイントは業務のプロセス統合です。マニュアル作成という業務においては、ドラフトを作ったり動画の編集をしたりという作業で終わりではありません。

マニュアルが作られたうえで、それをいかに見てもらって、使ってもらって業務成果を上げるかがとても重要な点です。ですが、マニュアルを整理し、探しやすくし、活用できているかを検証するところまで考えると、AIだけでは対応しきれません。

AIだけではカバーしきれない部分を、さまざまな仕組みと組み合わせたうえで、フローが回ることが重要です。Teachme AIはその点が整理されており、実際に業務が回る仕組みになっていることに大変感動しました。

質疑応答

Q. 協力者が少ない組織で業務の標準化プロジェクトを進める際、理想的なチーム構成はどのようなものでしょうか?

木本:協力者が少ない組織の中で、一気に大きく始めようとすると難しいでしょう。一方、確実に困っている人ーーずっと忙しいところから抜け出せない人がいるはずですーー、その人たちをチームに入れつつ、できる限りその問題に理解のある上長の方と一緒に行うのが良いのではないでしょうか。

定期的に時間をとって進めることも大切です。後で定期的にキャッチアップする時間がないプロジェクトは流れやすいため、「月1または週1でこういうことをチェックしましょう」と決めて、始めは小さくても良いので定常的に進めていく必要があります。

Q. 生成AI導入をどのように広げていけば良いでしょうか?

池田:以下に流れをまとめましたが、やはり上層部の意思決定は不可欠です。上がやると決めたうえで、適切な環境を作って最低限の教育をし、ユースケースを作って広げていく、といったサイクルを回していきます。

生成AIの組織展開のポイント

生成AI導入を順調に広げていくために多くの会社が実践していることとしては、全社的なAIチームの結成や、AIを広げる人の任命です。そういったチームや人がいると進行しやすくなります。

まとめ

生成AIの強みや、使い方のコツを理解して活用することで、業務効率化の実現が期待でき、より創造的で価値のある仕事に集中できるようになります。本セミナーの内容を参考に、自社や個人の業務にどのように生成AIを取り入れていくか、具体的な計画を立てていくことをお勧めします。

生成AIの世界は日々進化しています。継続的な学習と実践を通じて、技術を最大限に活用し、業務効率化と創造性の向上を実現していきましょう。今回の内容が、皆様の業務改善につながることを願っています。

Teachme Bizは、AIを活用することでマニュアル作成・編集の工数を大幅に削減できます。動画の取り込みからわずか15分でマニュアルを完成できるなど、マニュアル作成の工数を90%削減することが可能です。

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