ケイパビリティとは?把握する方法や構築するメリットを紹介

企業が持続的に成長し続けるために、ケイパビリティが重要であると言われています。一方で、「自社のケイパビリティとは何なのか?」「なぜケイパビリティが重要なのか?」と疑問に感じている方もいるでしょう。
本記事では、ケイパビリティの基本的な意味から注目される理由、自社のケイパビリティを把握するためのフレームワーク、構築するメリットなどを解説します。
ケイパビリティとは
ケイパビリティとは、企業が持つ組織的な能力や得意分野を指します。たとえ優秀な個人がひとりいたとしても、会社全体の実行力や仕組みとして強みがなければ、大きな成果を出し続けることはできません。組織全体として「何ができるのか」という強みが、ケイパビリティの本質です。
たとえば、ケイパビリティとして以下のようなものが挙げられます。
・自動車会社:現場の改善活動や、効率的な生産ラインの構築といった「生産管理能力」
・物流企業: 注文から配送までを最短で繋ぐ「オペレーション能力」 など
企業が独自のケイパビリティを有していることで、他社には簡単に真似できない競争優位性を築くことができます。
ケイパビリティが注目される理由
ケイパビリティが注目される理由は、製品や技術だけで差別化することが難しくなり、他社が真似できない「組織としての強み」が重視されるようになったためです。
以前は質の高い製品を作れば売上を伸ばすことができましたが、現代は技術がすぐに普及したことで、商品スペックだけで差をつけるのが難しくなっています。そこで、単なる設備や個人スキルではなく、それらを連携させて価値を生むケイパビリティが、他社との差を作る要因となっているのです。
ケイパビリティと混同されがちな言葉
ケイパビリティと混同されがちな言葉として、スキルやコア・コンピタンスなどが挙げられます。ここでは、各キーワードとケイパビリティとの違いについて解説します。
スキル
スキルとは、訓練や経験を通じて身につけた個人が持つ具体的な技術や能力のことです。スキルは個人の能力を指しているのに対して、ケイパビリティは組織全体の能力を指しているのが違いです。
具体的には、プログラミングや語学力、論理的思考力などがスキルに該当します。
個人のスキルの集合体が組織のケイパビリティを形作ります。そのため、営業スキルの高い従業員を組織として仕組み化することができれば、企業としてのケイパビリティへと繋がるでしょう。
コア・コンピタンス
コア・コンピタンスとは、競合他社には真似できない、その企業の核となる独自の技術や能力のことです。コア・コンピタンスは特定の技術や得意分野という局所的な強みであるのに対し、ケイパビリティは開発からアフターフォローまでの組織全体の強みを指します。
たとえば、自動車メーカーの高性能なエンジン技術や、電化製品メーカーの製品の小型化技術などがコア・コンピタンスといえます。独自技術の製品は競合他社に模倣されたり、類似の製品を開発されたりする恐れがあるため、コア・コンピタンスに依存せず、ケイパビリティも構築していくのが重要です。
ダイナミック・ケイパビリティ
ダイナミック・ケイパビリティとは、環境の変化に合わせて、自社の強みを柔軟に組み替えていく能力のことです。ケイパビリティが組織の強みを指すのに対し、ダイナミック・ケイパビリティは企業の強みを変化させる力を指します。
どんなに強力な強みを有していたとしても、時代の流れや市場の変化によって、通用しなくなってしまいます。ダイナミック・ケイパビリティを活かして、既存の強みを常にアップデートし続けることが、変化の激しい時代に企業が生き残るために重要なポイントであるといえるでしょう。
自社のケイパビリティを把握するフレームワーク
自社のケイパビリティを把握するフレームワークとして、SWOT分析やバリューチェーン分析などが挙げられます。自社のケイパビリティが何なのかわからないという方は、これらのフレームワークを活用してください。
SWOT分析
SWOT分析とは、自社の内部環境(強み・弱み)と、市場などの外部環境(機会・脅威)を4つの枠組みで整理する、戦略策定のフレームワークです。
このフレームワークを使うことで、「自社の強み」と「強みを活かせる場所(機会)」を把握できます。また、外部環境に着目することで、今の市場で競合に勝つうえで、本当に機能するケイパビリティを明確にできます。
「自社の強みはなんとなくわかるけれど、どう成果に直結するかわからない」という場合、このフレームワークで市場にマッチしたケイパビリティを把握しましょう。
バリューチェーン分析
バリューチェーン分析では、まず企業の事業活動を「購買」「製造」「出荷」「マーケティング・販売」「サービス」という一連の流れとして捉えます。そして、どの工程で企業としての付加価値が生まれているかを分析する手法です。
このフレームワークを活用することで、提供している製品やサービスの裏側にある自社のケイパビリティを特定できます。たとえば、即日配送というサービスを提供している場合、それを支える独自の在庫管理や物流構築力といったケイパビリティを発見できます。
「魅力的なサービスを提供できているはずだが、自社の強みを明確に言語化できない」という場合は、このフレームワークでケイパビリティを発見しましょう。
3C分析
3C分析とは、Customer(市場・顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)という3点から自社を取り巻く環境を整理するフレームワークです。
この分析では、まず顧客ニーズを把握し、それに対して競合がどう動いているかを可視化します。そのうえで「競合には真似できず、自社だけが提供できている価値は何か?」を深掘りすることで、自社が持つ独自の強み(ケイパビリティ)を特定できるようになります。
他社と比較した自社の強みを把握したい場合や市場の変化に合わせた強みを抑えたい場合は、このフレームワークを活用するとよいでしょう。
ケイパビリティを構築・強化するメリット
ケイパビリティを構築・強化するメリットとして、持続的な競争優位性を確立できる、優秀な人材を獲得できるなどが挙げられます。ケイパビリティを構築・強化することで、どのようにこれらが実現するのか紹介します。
持続的な競争優位性を確立できる
ケイパビリティを構築・強化するメリットとして、他社が真似できない独自の強みを維持し、持続的な競争優位性を確立できることが挙げられます。
優れた製品やサービスでも顧客から支持を得られるものの、それだけでは他社に模倣されやすく、持続的な優位性には繋がりません。一方、組織文化や意思決定のスピード、独自の業務プロセスといったケイパビリティは簡単には模倣できないため、長期的に市場で優位性を保つことが可能です。
ケイパビリティの構築・強化によって持続的な競争優位性を確立できることで、競合の動きに左右されにくい状態を実現できます。
優秀な人材を獲得できる
ケイパビリティを構築・強化することで、優秀な人材を獲得できます。変化の激しい現代において、給与や休日数といった条件面だけでなく、「その会社が今後も継続的に成長し続けられるのか」を重視する求職者も少なくありません。
そのため、自社独自の強みであるケイパビリティを明確に示し、将来的な成長をアピールできれば、「この会社なら就職しても大丈夫だ」と安心を与えられます。これにより、数ある選択肢の中から優秀な人材が集まる企業となるでしょう。
事業の安定性を向上させる
ケイパビリティを構築・強化することで、事業の安定性を向上させることが可能です。
ケイパビリティは従業員個人のスキルや企業が有する独自の技術ではなく、組織全体の実行力や仕組みといった強みを指します。そのため、ケイパビリティを構築・強化できれば、簡単には模倣されないサービスを提供でき、競合他社の動向にも左右されにくい事業体制を構築できます。
このように、ケイパビリティの構築・強化によって、事業の安定性を向上させることができ、中長期的な投資や新規事業へのリソース投入も可能となるでしょう。
ケイパビリティを構築・強化する際の注意点
ケイパビリティを構築・強化する際の注意点として確立するまでに時間がかかる、環境の変化によって古くなる恐れがあるなどが挙げられます。これからケイパビリティを構築・強化しようと検討している方は、これらのポイントも意識しましょう。
確立するまでに時間がかかる
ケイパビリティを構築・強化する際の注意点として、確立するまでに長い時間がかかるという点が挙げられます。
ケイパビリティは組織全体に根付いた実行力や仕組みです。そのため、単なるルール策定にとどまらず、現場での実践と改善を繰り返し、それが組織全体の習慣として定着してはじめて、市場で通用するケイパビリティとなります。短期間でケイパビリティを確立しようとしても、現場には定着せず、形だけの仕組み化で終わってしまう恐れもあるでしょう。
そのため、ケイパビリティを確立・強化する際には、中長期的な目線でリソースを投入しながら、PDCAを回し続け、組織への定着を促しましょう。
環境の変化によって古くなる恐れがある
ケイパビリティを構築・強化する際の注意点として、自社の強みが環境の変化によって陳腐化する恐れがあることが挙げられます。現在の市場において競合をしのぐ仕組みを構築できていたとしても、時代の流れによって顧客のニーズが変化すれば、いずれ通用しなくなってしまいます。
そのため、ケイパビリティを構築・強化する際には、市場の変化をいち早く察知し、組織の方向を柔軟に変化できるようにしておくのも大切です。継続的に外部環境をリサーチしつつ、必要に応じて迅速に事業戦略を修正しましょう。
強化する際にはコストがかかる
ケイパビリティを強化する際の注意点として、相応のコストがかかるという点が挙げられます。
ケイパビリティを強化するにあたって、ITシステムの導入や社員教育の実施、業務フローの見直しといったハード面、ソフト面での投資が欠かせません。金銭的コスト以外にも、現場が新しい方法に慣れるまでの時間的なコストも考慮する必要があるでしょう。
そのため、ケイパビリティを強化する際には、重要度の高い分野から優先的にリソースを投入し、特定の部署からスモールスタートさせるとよいでしょう。段階的にケイパビリティの強化を進めることで、無駄なコストを抑えつつ、着実に組織力を高められます。
組織の柔軟性が損なわれる場合がある
ケイパビリティを構築・強化する際の注意点として、特定の強みを確立する中で、組織の柔軟性が損なわれ、変化に対応できなくなる恐れがある点が挙げられます。
ケイパビリティを構築・強化する工程で、業務を効率化するためにルールを固定化しすぎると、現場での柔軟性が失われていきます。その中で、市場環境が大きく変化すると、軌道修正は困難になるでしょう。
そのため、一度構築した仕組みやルールに固執せず、定期的なアップデートを繰り返す環境を構築することで、状況に応じて変化できる余白を残しておくのが大切です。
「教育体制の構築」もケイパビリティのひとつ
新入社員が早期に戦力化するように教育体制を構築しておく、というのもケイパビリティのひとつです。そして、教育体制を構築するうえで、業務マニュアルの整備は欠かせません。業務マニュアルの作成を効率化できるTeachme Bizについて紹介します。
「Teachme Biz」は、効率的にマニュアルの作成ができる、マニュアル作成・共有システムです。Teachme Bizの特長は、マニュアル作成を効率化するAI機能が搭載されていることです。
たとえば、業務の手順や作業内容を入力するだけで、AIが自動でテキストを変換しマニュアルに適した体裁へと調整してくれます。ほかにも、業務内容を動画で撮影するだけで、自動的に字幕と説明文を生成し、動画マニュアルを作成できる機能も備えられています。
「業務が忙しくてマニュアル作成の時間が取れない」「マニュアルを作れる人材が限られている」といった悩みをお持ちの方には、Teachme Bizがおすすめです。
また、以下の資料では、AIを用いて、実用性の高いマニュアルを作成する方法について説明しています。「限られた予算と時間の中でAIを活用し、効率よくマニュアルを作成したい」と考えている方は、以下のリンクよりご覧ください。
まとめ
ケイパビリティとは組織全体の仕組みや実行力といった、企業としての強みです。ケイパビリティを有していることで、他社には簡単に真似できない競争優位性を確保できます。
また、ケイパビリティを構築・強化することで、持続的な競争優位性の確立や優秀な人材の獲得、事業の安定性向上といった複数のメリットが期待できます。一方で、構築には時間とコストがかかり、環境変化によって陳腐化するリスクも存在するため、継続的な見直しと改善が欠かせません。
これからケイパビリティを構築しようと検討しているなら教育体制の構築もおすすめです。そして、Teachme Bizを活用すれば、効率的に業務マニュアルを作成できます。
無料トライアルも提供しているため、気になる方はぜひお試しください。




