AIアシスタントとは? 代表的な種類・メリット・注意点などを解説

最終更新日: 2024.05.17 公開日: 2024.05.14

AIアシスタントとは?

今やスマホの音声アシスタントを使って情報の検索やアプリの操作をすることが当たり前になりつつありますが、これらの機能が使えるのは、音声を人工知能が認識する「AIアシスタント」という技術があるおかげです。本記事ではAIアシスタントの概要や種類、メリット、注意点、活用例について詳しく解説します。

AIアシスタントとは「声がけに応じてさまざまなタスクを実行する技術」

AIアシスタントとは、人の音声を認識する技術(音声認識技術)を用いて、声による質問や指示に対応するAIプログラムのことです。AIアシスタントにはほかにも人間の言語の内容を理解して処理する「自然言語処理」や、膨大な音声データをもとに言語のパターンを学習する「機械学習」といった機能が備わっており、これらを用いることで人間の曖昧な表現や複雑な会話を認識して対応します。

現在、AIアシスタントはスマホやスマートスピーカーなど、さまざまなデバイスに組み込まれています。天気を知りたい時に「今日の天気を教えて」とスマホに問いかけるとすぐに的確な回答をしてくれる、スマートスピーカーに「○○の曲をかけて」と伝えるとその曲がかかるといったことは、すべてAIアシスタントによるものです。

AIアシスタントの活用により、日常生活は飛躍的に発展しました。それはビジネスシーンも例外ではなく、従来手作業で行っていた業務が口頭のみの指示で自動化できる技術は、すでに多くのところで用いられており、今後もさらに活用の範囲は広がると考えられています。

AIの活用について、さらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
「AI(人工知能)活用によってできることは? 活用事例や導入メリットを解説」

AIアシスタントの代表的な種類

AIアシスタントにはいくつか種類があります。ここでは代表的な種類をピックアップして紹介します。

会話型AI

会話型AIは人間の会話を理解して応答するAIアシスタントです。高齢者や子どもの話し相手を想定したものや、語学学習の会話スキル向上のためのツールなどがあります。

チャットボット

チャットボットは人間の音声やテキストを認識し、AIがチャット形式で自動応答するもので、カスタマーサポートや社内外のお問い合わせ、施設の案内窓口などに採用されています。チャットボットには、主に音声やテキストに対して指定のテンプレートで応じるものと、質問に対して自動応答するものの2タイプがあります。

スマートデバイス

スマホやタブレットなどに搭載されているAIアシスタントのことです。「Siri」や「Googleアシスタント」などがよく知られています。スマホやタブレットに話しかけることで情報の検索やアプリの起動などの操作ができるほか、AIアシスタント対応の家電機器と連携して遠隔操作を行うことも可能です。たとえば、スマホやスマートスピーカーを使って、エアコンや掃除機、テレビ、調理家電などの操作ができます。

車載アシスタント

車載アシスタントは、安全運転やルート案内などの支援を行うAIアシスタントです。具体的には渋滞を避けたルート提案や安全な車間距離の表示などを行います。

AIアシスタントを活用するメリット

近年、AIアシスタントを導入する企業が増えていますが、AIアシスタントには具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。以下ではAIアシスタントを活用する主なメリットを3つ紹介します。

手間が省ける

AIアシスタントを利用すれば、音声を自動でテキストに変換できるため、会議の文字起こしや議事録の作成といった事務作業の手間を省けます。テキスト化した内容を要約できる機能を備えたAIアシスタントなら、さらなる省力化も可能です。また、顧客や社内からの問い合わせ業務にチャットボットを活用したり、データ分析やスケジュール管理をAIアシスタントに任せたりすることで、業務の省人化を実現できます。量の多い仕事もAIによって短時間で処理できるため、労働環境、長時間労働の改善にもつながります。

ミスを減らせる

人が作業を行う限り、見落としや入力ミス、手順方法の間違えといったヒューマンエラーをなくすことはできません。ミスが起これば修正や、やり直しの作業が生じ、大幅な時間のロスにもつながります。
しかし、AIアシスタントを活用すれば、決められた作業を正確に実行するため、ヒューマンエラーを防げます。業務によっては大半の作業をAIアシスタントによって自動化できるため、作業の円滑化業務の効率化に貢献します。

人手不足の解消につながる

近年、国内ではさまざまな業界で人手不足が深刻化しています。AIアシスタントを活用すれば、この人手不足を解消できるかもしれません。企業はAIアシスタントを導入することでデータ入力や問い合わせ対応といった事務作業を削減できるため、オペレーターや入力スタッフの人数を減らせます。このように簡単な事務作業はAIに任せられるので、従業員はより重要な業務に集中できるようになり、少ない人員でも生産性の向上が期待できます。

AIアシスタントを活用する際の注意点

業務効率化に大いに役立つAIアシスタントですが、万能なわけではありません。ここではAIアシスタントの活用におけるデメリットや注意点を紹介します。

場所によっては不向きである

AIアシスタントは音声で指示するため、環境音によっては聞き取ってもらえないことがあります。たとえば、商業施設や飲食店といった騒がしい場所は雑音が多く、AIアシスタントが音声を認識しにくくなります。また、電車やバスなど周囲に人がいる場所や、病院や図書館のように静かで私語をしにくい場所では、指示内容を聞かれてしまう可能性があります。したがって、AIアシスタントは場所や状況を選んで利用することが重要です。

うまく会話が成立しない場合がある

AIの技術は日々進化し、音声認識の精度も昔に比べて格段に高くなっています。しかし、まだまだ完璧に人の言葉を認識できるわけではありません。たとえば、早口な場合や方言、滑舌の悪い音声などは認識されにくく、うまく会話が成立しない場合があります。言葉が認識されずに何度も聞き返されたり、間違った言葉で認識されたりすると、言い直しや修正に手間が生じ、AIアシスタントの省力化のメリットがなくなります。

サイバー攻撃のリスクがある

AIアシスタントを使うには常にインターネットに接続していなければなりません。インターネットに接続する以上、サイバー攻撃やウイルス感染などのマルウェアの脅威にさらされるリスクをゼロにすることは不可能です。情報漏えいを防ぐためにも、セキュリティソフトの導入や持ち出し管理の徹底など、企業でセキュリティ対策を行う必要があります。また、飲食店や公共施設のフリーWi-Fiを利用しないなど、従業員のセキュリティ意識を高めることも重要です。

ビジネスでのAIアシスタントの活用例

現在、さまざまな業種でAIアシスタントが活用されています。ここでは具体的な活用例を3つ紹介します。

接客の補助

接客業では補助的な業務でAIアシスタントが活用されています。たとえば、ある量販店ではAIアシスタント搭載の人間型ロボットを店頭に置き、店員の代わりに声かけや商品の説明を行っています。また、別の飲食店ではAIアバターをレジに設置することで、来店客はモニターに映るアバターと会話することでタッチパネルを使わずに、注文や会計を行います。ほかにもAIアシスタントが企業の受付補助をしたり、商業施設ではマップ情報と連携してお店の場所を案内するなど、さまざまな接客シーンでAIアシスタントが活躍しています。

さらにAIアシスタントを活用すれば外国語が話せる人材を雇わなくても、多言語対応が可能です。そのため、一部の観光案内所ではAIアシスタントを導入し、さまざまな国の観光客と円滑なコミュニケーションを実現しています。

このようにAIアシスタントが接客の補助をすることで、案内や注文、会計にかかる時間を削減でき、人手不足の解消にも役立ちます。加えて人による接客では従業員によってサービス内容にバラつきが生じることも少なくありませんでした。しかし、AIによる接客なら顧客に対して画一的なサービスを提供できます。

問い合わせの対応

近年、大企業を中心に顧客からの問い合わせ対応にAIアシスタントを活用するところが増えています。特にホームページから問い合わせを行おうとしたらチャットボットにつながった経験がある方も多いのではないでしょうか。チャットボットの活用は24時間体制での対応を可能にし、気軽に問い合わせできる、コストをかけずにオペレーターの負担を減らせるといった、顧客・企業双方にとってメリットの大きな取り組みです。
また、AIを用いた自動音声アシスタントによる電話応対も増えています。こちらも最低限のオペレーターで24時間いつでも対応できることで、顧客ロイヤルティの向上機会損失の回避に寄与します。

そしてこれらの膨大な問い合わせ内容をAIアシスタントに分析させることで、より精度の高い対応が可能になるだけでなく、より一層顧客満足度業務効率の向上につながります。

マニュアルドラフトの自動作成

音声認識機能は使われませんが、AIの自動生成機能はマニュアルドラフトの自動作成にも活用可能です。ドラフトとは草案や下書きのことで、現在AIを使ったマニュアル作成に特化したツールも販売されています。

このツールを使えば、マニュアル化したい業務や作業に関連したキーワードを入力するだけで、タイトルや作業手順、説明文などのドラフトが自動で生成されます。あとは必要に応じて修正を加えるだけなので、マニュアル作成にかかる時間や労力の大幅な削減が可能です。また、マニュアルの作り込みに十分な時間をかけられるようになるため、クオリティの向上も期待できます。

まとめ

人の音声を認識し、自然に近い会話を可能にするAIアシスタントには、「作業の手間が省ける」「ミスを減らせる」「人手不足の解消につながる」といったメリットがあることから、さまざまなビジネスシーンで活用されています。そして生成AIはマニュアルドラフトのスムーズな作成や管理に役立ち、業務の効率化に寄与します。
なかでもTeachme Bizの「AIアシストプラス(β版)」は、キーワードを入力するだけでタイトルや作業手順、説明文などのドラフトが自動で生成される便利なツールです。これにより初期段階の作業を軽減し、内容の検討により多くの時間を割けるため、省力化に加えて品質の向上にも貢献します。

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