管理部門への問い合わせを大幅削減。グループ全体の生産性向上につながった導入・展開プロセス

  • サービス業
  • #100名以上500名未満
  • #マニュアル作成・更新の効率化
  • #業務の標準化
  • #属人化解消
  • #社内問い合わせの軽減
  • #情報共有
ポイント
導入目的 問い合わせ対応を効率化し、バックオフィス業務に関する情報を一元化する

課題 ① 管理部門への問い合わせが集中し、本来の業務を圧迫していた
② マニュアルや社内ルールが各所に分散し、最新版がわかりにくかった
③情報を探すのに時間がかかり、同じ問い合わせ対応を繰り返していた
効果 ① 同じ質問が減り、まずマニュアルで調べる習慣が定着
② 情報を一元化し、資料探しや問い合わせ対応の工数削減を実現
③ マニュアル化を通じて業務の棚卸しが進み、標準化・属人化解消へ

大伸社グループ各社の管理業務を一手に担う株式会社DS&C。会社ごとに制度やルールが異なる複雑な環境の中、約20名のメンバーでグループ全体のバックオフィスを支えています。以前は申請や手続きに関する問い合わせが管理部門に集中し、その対応で半日費やすこともありました。そこで同社はTeachme Bizを導入。整備したマニュアル群に「しらべモン」という愛称をつけて全社に浸透させ、情報を一元化していきました。結果、問い合わせを減らすだけでなく、グループ全体の業務効率化を実現。約5年を経た今、活用は社内規定の周知や掲示板、研修資料の共有にまで広がり、マニュアルの枠を超えた情報基盤へと育っています。今回、Teachme Bizの導入効果やマニュアルを浸透させるまでのプロセスについて詳しく伺いました。

お話を伺った方々
飯村 幸恵 様 シニアマネージャー グループ広報
長峰 和子 様 マネージャー 経理担当
大野 直子 様 シニアマネージャー 人事担当

グループ各社の異なる制度やルールを支える管理部門

―――まず、DS&Cの事業内容と、皆さまのご担当について教えてください。

飯村様(以下、敬称略) 当社は大伸社グループのシェアードサービス会社(※)として、人事労務、財務経理、総務、法務、広報、ITシステムまで、グループ各社の管理業務を一手に担っています。契約社員を含めて約20名で、会社ごとに制度やルールが一部異なるグループ全体約300名の働く環境を支えています。

当社は「新しいことはまずやってみよう」という挑戦を重んじる社風で、IT部門も兼ねていることから、生成AIツールなども積極的に業務へ取り入れています。

私は導入の起案者で、システム上の管理責任者も務めています。長峰は経理を担当しながら基幹システムの管理やマニュアル作成にも携わり、大野は人事労務を統括しています。3人とも、推進メンバーであり一人のユーザーでもあるという立場です。

※グループ各社に分散していた人事・経理・総務などの管理業務を集約し、専門的かつ効率的に一括して請け負う会社。

飯村様
シニアマネージャー グループ広報 飯村 幸恵 様

問い合わせ集中と情報の分散。グループ運営を支える管理部門の課題

―――Teachme Bizを導入する前は、どのような課題を抱えていましたか。

飯村 管理部門が、社内の「駆け込み寺」のようになっていました。困りごとがあると、とにかく人が聞きに来る。半日まるごと、誰かの対応で終わる日もあったほどです。当社はワークフロー申請で多くの業務が進むのですが、「この場合はどの申請を使うのか」「書類はどこに添付するのか」といった操作の質問が絶えませんでした。聞く相手によって答えが食い違うこともあり、私たち自身も迷うことがありました。

私たちはルールを管轄する立場です。間違った案内をしたり、回答が遅くなったりすれば、グループ会社の現場の仕事も止まってしまいます。管理部門だけでなく、グループ全体の業務スピードや生産性にも影響しかねない状態でした。

長峰様(以下、敬称略) 当時、社内にマニュアル自体は存在していました。しかし、それらはグループウェアや共有サーバー上のあちこちにPDFやExcel形式で分散して置かれていました。さらに、作った人によってフォーマットも記載内容の詳しさもバラバラで、最新版がどれなのかが非常にわかりづらい状態だったのです。

長峰様
マネージャー 経理担当 長峰 和子 様

大野様(以下、敬称略) 当時はまさに「情報迷子」でした。業務で扱う資料やデータが増えるほど、必要なものを探すのに時間がかかります。体感では、月に何十時間も探しものに費やしていた気がします。探すこと自体がストレスでした。

特に悩ましかったのが、頻度は高くないものの、発生すると個別対応が必要になる人事手続きです。例えば「引越し時の申請」など、滅多にやらない手続きの質問が来ると、教える側の私たち自身も「あれ、何が必要だったかな」と過去の資料を迷いながら探さなければなりません。一人ひとりに丁寧に説明するしかなく、聞かれる度に同じ案内を繰り返していました。

大野様
シニアマネージャー 人事担当 大野 直子  様

作成のコツは、初めて読む人の目で見るダブルチェックと「愛ある差し戻し」

―――数あるツールのなかで、Teachme Bizを選んだ決め手は何でしたか。

飯村 きっかけは、ある役員が展示会で見つけて「一度見てみたら」と勧めてくれたことでした。問い合わせの段階から対応が抜群に良く、1カ月ほどのテスト期間中もこまめに連絡をいただいていました。

何より、Teachme Bizは初めて触る人でも直感的に操作がしやすい。「これならすぐにマニュアルが作れそうだ」と感じました。決まったフォーマットに沿って作れるので、作り手による差も埋めやすい。まずは最小規模で試すことにしました。

―――グループ会社への展開は、どのように進めましたか。

飯村 まず人事や経理などの各分野ごとで、特に問い合わせが多いものやルールとして明文化したいものをリストアップしました。グループ会社に向けて公開する日を決め、その日までに最低限そろえるべきマニュアルを決めて、集中的に作成しました。

作成するメンバーが迷わないように、まずはTeachme Bizで「マニュアル作成のためのマニュアル」も作り、マニュアルの完成イメージを共有しながら進めていきました。

手引き作成メンバーに向けて用意された手引き。何を、どの順番で、どう気をつけて作るかを先に示すことで、着手のハードルを下げた。

―――公開前のチェックは、どのような体制で行いましたか。

大野 一次チェックはそのマニュアルの内容に詳しい担当者が、二次チェックはまったく別の領域の担当者が行いました。たとえば経理のマニュアルなら、人事の担当者が二次チェックに入る。内容を知らない人が見ても理解できるか、利用者に近い目線で確認したかったからです。


差し戻すときも、頭ごなしに「やり直し」とは言いません。まず作ったことをねぎらい、「もう少し工夫すれば伝わりやすくなる」と前向きに伝えます。私たちはこれを「愛を込めた差し戻し」と呼んでいました。ダメなものは勇気を持って差し戻す。その積み重ねで、わかりやすいマニュアルが一気に増えました。

マニュアル作成

長峰 Teachme Bizには「導入サポート」があり、専任の担当者が伴走してくれて助かりました。定期的にある打ち合わせでは、運用面で迷ったことや外部公開の設定など、必要なことを相談しながら進めました。

※導入支援プログラムについて
https://biz.teachme.jp/flow/

―――推進メンバーのモチベーションは、どのように維持していたのでしょうか。

大野 もともと社内には、ExcelやWordなどで作ったマニュアルが手元にたくさんありました。ゼロからすべて作るというよりは、散らばっていたものをTeachme Bizに入れて、見やすく整えていく感覚でした。

マニュアルを作れば問い合わせが減る。利用者も迷わなくなる。自分たちも同じ説明を繰り返さなくてよくなる。その「報われる感覚」が見えていたので、しんどさよりも前向きな気持ちの方が大きかったと思います。

飯村 数字的なKPI(閲覧数など)をあえて追わなかったことも、気負わず続けられた大きな理由です。プレッシャーをかけず「必要なときに必要な人へ届けばいい」という意識を大事にしました。

「しらべモン」として全社に定着し、マニュアルの枠を超えた情報インフラへ

―――作成したマニュアルを見てもらうための仕掛けについて教えてください。

飯村 もともと当社には、システムを擬人化して親しむ文化がありました。親しみのある名前でないと覚えてもらえないと考え、Teachme Bizのマニュアルを「しらべモン」と名づけました。

グループウェアのトップに導線を置き、毎月の社内メルマガで「今月のピックアップ」を紹介し、新しく利用を開始する社内システムがあれば、あわせてマニュアルも告知する。問い合わせに答えるときも必ずURLを添えました。あらゆる場面に登場させ続けたことで、「しらべモンに載っているよ」が社内の共通言語になっています

施策グループウェアのトップから「しらべモン」へ。社内メルマガとあわせて目に触れる場所に置くことで、利用が定着していった。

―――しらべモンには、どのような内容を載せているのですか。

大野 操作手順のマニュアルだけでなく、育休の取得手順などの制度案内、各種申請ルール、全員が受けるPMS教育の案内など、社内の決まりごとを広く網羅しています。

人事や経理など領域ごとにフォルダを分け、お知らせを載せる「インフォメーション」のフォルダも設けました。社内ニュースの掲示板や研修資料の共有まで、マニュアルの枠を超えて使っています。

新人研修のカリキュラム新人研修のカリキュラムにも活用。研修資料を「しらべモン」へ集約することで、担当者同士が互いの資料を参照できる。

―――導入後、どのような効果を実感していますか。

飯村 同じ質問を繰り返されることが、圧倒的に減りました。問い合わせが減ったことの裏返しとして、グループ会社側の仕事のスピード感や安心感にも大きな変化が起きていると感じています。

これまでは、私たちの業務時間が終わった夜間などにわからないことがあると、翌朝まで質問を我慢しなければなりませんでした。各事業会社の従業員にとっては、そこで業務がストップしてしまい、心理的なストレスになっていたかと思います。

それが今では、時間を気にせず「しらべモン」を見ればいつでも正解(最新のルール)に辿り着ける。「自分のタイミングですぐに自己解決できるようになった」と、各事業会社の従業員からも非常に喜ばれています。

―――業務の見直しや棚卸しにも効果を発揮していると伺いました。

大野 それまで各所に散らばっていた既存マニュアルをTeachme Bizに一元化して手順を整理し直すなかで、曖昧だった慣例や自己流の手順を再確認でき、「本当にその方法で合っているのか」を考え直す良いきっかけになりました。

自己流が見直され、なかには「これは実はいらない作業だった」と気づくものまでありました。マニュアル化が、業務の棚卸しと改善につながったのです。中途で入った人も、一式に目を通せば全体像をつかめるので、引き継ぎもスムーズです。

―――取引先向けにも活用されているそうですね。

長峰 電子検収システムを導入した際は、取引先にそのまま渡せる署名手順のマニュアルを外部公開のURLで共有しました。営業が一からメールで説明しなくても、リンクを送れば取引先がスムーズに対応してくれます。営業担当の説明の手間が省け、間に立つ私たちもずいぶん楽になりました。

取引先にそのまま渡せる署名手順のマニュアル取引先にそのまま渡せる署名手順のマニュアル。外部公開のURLで共有でき、新システムの説明をリンク一つで完結できる。

AI機能で蓄積されたマニュアルを整理、外国人スタッフの情報共有を円滑化

―――最近、Teachme BizのAI機能を利用し始めたと伺いました。今後、どのような場面で役立てていきたいですか。

長峰 この数年でマニュアルがかなり蓄積され、新規作成だけでなく、既存のものを精査して作り変える段階に入っています。その見直しに、喋りかけるような言葉でマニュアルの情報を探してまとめてくれる「かんたんAI検索」が大いに役立ちそうだと感じています。
以前は同じ内容のマニュアルを重複して作ってしまうこともありましたが、そうした重複も洗い出して整理できるはずです。
また、近年はSaaSのUI変更のスピードが速く、各種システムに関するマニュアルの更新が追いつかない場面もありました。編集をサポートしてくれる「おまかせ編集アシスタント」機能を活用することで、更新対応がスムーズになり常に最新の情報を共有できると期待しています。

大野 グループ内でも外国人スタッフへの情報共有が必要になってきているため、「自動翻訳機能」の「AI翻訳」も積極的に活用していく方針です。母国語で手順を確認できる環境が整えば、外国人スタッフにとっても使いやすいものになると期待しています。

※Teachme BizのAI機能について
https://biz.teachme.jp/function/teachmeai/

外国人スタッフ日本語で作成したマニュアルを、閲覧者が選んだ言語へ自動で翻訳する自動翻訳機能。翻訳精度が高いAI翻訳を使えば、外国人スタッフも母国語で手順を確認できる。

―――最後に、バックオフィス部門でツールの導入や推進を担当する方に向けてメッセージをお願いします。

飯村 自分たちが問い合わせ対応で感じているストレスは、手順が分からず困っている利用者側のストレスでもある、という視点を持つことが大切だと思います。双方のストレスを減らし、業務全体の効率を高める取り組みとして考えることで、現場にも受け入れられやすくなります。

また、ツールの導入はゴールではなく手段です。最初から完璧を目指さず、利用者の声を取り入れて「使われるもの」へ育てる。その積み重ねが業務の標準化や属人化の解消につながり、組織全体の対応力を高めていきます。

※掲載している内容、所属や役職は取材を実施した2026年6月当時のものです。

会社概要
会社名 株式会社DS&C
URL https://www.ds-c.jp/
所在地 大阪本社 〒542-0076 大阪市中央区難波5-1-60 なんばスカイオ17F
事業内容 大伸社グループのシェアードサービス会社として、人事労務・財務経理・総務・法務・広報・ITシステムなどの管理業務を担う。「グループ各社が価値提供に専念し、持続的に成長できる経営インフラを提供すること」を理念に、各社の状況を理解したうえで安定したサービスを提供している。

事例一覧に戻る