チェーン #0 : ペガサスクラブ渥美様の講演&対談 / Conference 案内11
Human Productivity Conference 2022の企画・運営をしているTeachme Biz PMMの木本です。
本記事からは最後のトラック「チェーンビジネス」のセッションを紹介します。
「ペガサスクラブ」。チェーンストアのお客様と話していると、よく耳にする団体です。
カインズ社の会長のメディア連載でも言及されるなど、チェーンストア企業の経営者からも支持されている研究団体です。
“小売業界のことはある程度知っているつもりでしたが、耳学問のレベルで、論理的に研究したことはありません。そこで僕が門をたたいたのは、父の代からあるチェーン店経営の研究団体「ペガサスクラブ」でした。
主宰していたのは経営コンサルタントの渥美俊一さん。セミナーに参加すると、目からうろこが落ちる話ばかりでした。”
本セッションでは、そんなペガサスクラブを運営する日本リテイリングセンターの渥美六雄様に、オペレーションとマニュアルについてお話しいただきました。
弊社のアドバイザーであるリテイリングワークスの佐々木桂一代表も、ペガサスクラブでの学びやチェーンストア理論をジェーソン・大黒天物産・富士薬品の経営に生かしてこられた方です。
私は、佐々木さんと何度かお話をさせていただく機会をいただいているのですが、チェーンストア経営のご経験や、いただく鋭いアドバイスからは、経営と働く人の双方がよりよく営み続ける方法を常に探索されている姿勢を感じています。
そのほか、本セッションで講演を配信するビッグ・エー様など、Teachme Bizのお客様でもチェーンストア理論を大事にされている経営者が複数おられます。
目次
理論を独学する中で感じたハードルと違和感
お客様が大事にされている考えなので、自分でもチェーンストアの運営についていくつかの書籍を手に取るのですが、そこで感じた違和感が本セッションの企画に繋がりました。
関連する書籍を初めて読んだ時、日本のチェーン経営への激、端的な言葉づかい、利益創出のための計数管理、工業の考え方をベースにした人時生産性の改善志向、各部門・機能の役割へのこだわりなど、幅広い知識と強い思想を感じました。
もちろん学習・訓練が不可欠な分野だとは理解しているのですが、初見では「ハードルが高く、実現が困難そうだ」という印象を受けたのが正直なところです。
一方で、チェーンストア理論を重要視するアドバイザーや経営者、現場で実践するご担当者との会話をすると、どの方も働くヒトに優しく、非常に考えも柔らかで、発想も豊かな印象を受けるのです。自分なりに書籍を読んだ印象とでは、大きなギャップを感じ、そこがずっと引っかかるポイントになっていました。
その後、皆さまからの話を聞いた後に書籍を再読したとき、その内容の受け取り方が180°変わったのです。同じ書籍なのに、理論に込めるロマンや、各所を担う人々への配慮など、初見とは印象が一転して、先人によるヒトへの洞察や包容力まで感じられる不思議な読書経験をしました。
私は幸いにも、理論と実践を結びつけている方と接点があったので、このような経験ができました。しかし、多くの方にはあまりその機会がないのではないか。書籍や記事だけでなく、関係する方による解説や会話もセットで触れていただけたら、多くの方の業務の捉え方が変わるのではないか。そう思って、本セッションを企画しています。
セッションでは、事例も交えながらオペレーションやマニュアルの考え方についてお話しいただきます。プレゼンやその後の対談では、関連する現場でのエピソードや、ヒトへの配慮・洞察を感じるような様々なフレーズが出てきます。
「複雑性を解決しようと思うと、人間の能力のキャパシティを超えていってしまう」
「一人一人がどのように活躍できるのか」
「仕事一つ一つがとても価値があって、自分の能力がどういう成果に結びついているのか」
「そして何よりも、現場の声が届かなければいけない」
3Sの徹底や、オペレーションとマニュアルの結びつきなど、いまも変わらず重要な考え方を学びながら、それらに紐づく質問の捉え方、その対話の様子も合わせて、ぜひ多くの方に触れていただきたいです。
セッション概要
チェーンストア・オペレーションの取説 -標準化を進化させるマニュアルづくりの着眼点-
多店舗経営が難しいのは、正しい状態をいつでもどこでも誰がやっても維持して営業することが簡単ではないからです。チェーンストア経営ではこの標準化という課題を克服するために、”マニュアル”を使います。ところが、その真価を得ている企業は少ないのが実情です。
本セッションでは、まずチェーン経営システム研究団体「ペガサスクラブ」の企画運営責任者である日本リテイリングセンターの渥美六雄様から、自社のチェーンストア経営を発展させるマニュアルのあり方と、改善策を提案いただきます。
さらに、ジェーソン・大黒天物産・富士薬品のトップを歴任し数々の小売チェーンを支援するリテイリングワークスの佐々木桂一代表、スタディストCEOである鈴木も加わり、ストアオペレーションについて語り合います。
次回は、カインズ様が現場教育のイマを語るセッション
次の記事では、チェーンビジネスのお客様1社目、カインズ様をご紹介します。