文書管理とは?基本ルールや進め方、システム選びを解説
社内に文書が増えるにつれて、「どこに保存したかわからない」「最新版が見つからない」といった悩みをもつ方は少なくありません。こうした問題を防ぐために必要なのが、文書管理です。
この記事では、文書管理について解説します。基本や決めるべきルール、進め方や文書管理システムの選び方まで触れていきます。
文書管理とは?
文書管理とは、社内で作成・受領した文書を、作成から廃棄まで一定のルールに沿って管理することです。文書を必要なときにすぐ見つけ、正しく活用できる状態を保ちます。
管理対象には、規程や契約書、見積書、請求書、マニュアルなど、業務で扱うさまざまな文書が含まれます。紙の書類だけでなく、電子データやメールの添付ファイルも対象です。
文書にはライフサイクルがあり、作成・閲覧・保存を経て、一定期間後に廃棄または保存の見直しを行います。

文書のライフサイクルに沿って、文書を適切に扱うことが、文書管理の基本です。
文書管理の目的
文書管理の目的は多岐にわたりますが、主なものは次の2つです。
- 業務の効率化
- リスク管理とコンプライアンスの遵守
文書管理を整えると、業務をスムーズに進めやすくなります。最新の文書がすぐにわかり、過去資料を探したり作り直したりする手間がなくなります。
また、文書管理は情報漏えいや業務ミスを防ぐうえでも重要です。文書の履歴や管理状況が明確になるため、監査の際にも必要な文書をすぐに提示でき、安心して業務を進められます。
文書管理で決めるべき基本ルール
文書管理を円滑に進めるには、あらかじめ基本ルールを整理しておきましょう。決めておきたい主なルールを表にまとめました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 適用範囲 | 全社共通、特定部署のみ、重要文書のみなど、ルールの適用対象 |
| 保管方法 | 紙か電子か、保管場所、システム上の管理方法 |
| 保管期間 | 文書の種類ごとの保存年数、法令要件への対応 |
| 廃棄方法 | 保存期間終了後の廃棄手順、情報漏えい対策 |
| 役割分担 | 作成者・承認者・管理者の責任範囲や権限 |
| 機密区分 | 一般・社外秘・機密などの区分基準と取り扱い方法 |
| 命名規則 | 日付・文書種別・案件名・版数などのファイル名ルール |
| 版管理 | 最新版の扱い方、改訂時の更新手順や旧版の管理方法 |
| 検索関連 | タグ付け項目、属性情報、検索時の考え方 |
最低限、適用範囲・保管方法・保管期間・廃棄方法の4つは決めておきましょう。
文書管理の進め方6ステップ
ここでは、文書管理の進め方を6つのステップに分けて解説します。はじめて文書管理に取り組む方はもちろん、現在の管理状況を改善したい方も参考にしてください。
1.現状の文書の種類・量・保管場所を把握する
まずは、文書の種類・量・保管場所の現状を把握するところからはじめましょう。社内にどのような文書が、どこに、どれくらいあるのかを整理します。
ファイルサーバーや個人のPC、紙の書類など、文書が散らばっている場所を洗い出し、全体像を把握しましょう。共有頻度が高い文書やリスクの高い文書から優先して確認する点がポイントです。
2.作成から廃棄までの流れを決める
次に、文書の作成から廃棄までの流れを明確にします。文書のライフサイクルを参考に、誰が作成し、誰が確認・承認し、どの状態を最新版とするのかを決めておくことが重要です。
紙と電子データが混在しているときは、電子化のタイミングや原本の扱いも決定します。あわせて、改訂時の扱いや履歴の残し方も整理しておきましょう。
3.命名ルールとフォルダ構成を統一する
文書を探しやすくするためにも、命名ルールとフォルダ構成を統一しましょう。
ファイル名は、ひと目で内容がわかるようにし、日付や文書の種類、版数を含めると整理しやすくなります。フォルダ構成は、部署やプロジェクト単位など、できるだけシンプルにすることがポイントです。
全社でルールを統一すると、管理がしやすくなり、必要な文書もすぐに見つかります。
4. 検索しやすいタグや属性をつける
タグや属性を活用すると、文書がさらに管理しやすくなります。フォルダやファイル名に入らない情報を補完するイメージです。
文書ごとに「顧客名」「年度」「文書種別」などを付与しておくと、条件を指定した検索が行いやすくなります。キーワード検索とあわせて使えば、ファイル名が曖昧でも目的の文書にたどり着けるでしょう。
ただし、タグや属性を細かく設定しすぎると入力の負担が増えます。運用しやすさを考慮し、必要最小限に絞りましょう。
5. 保存期間と廃棄基準を決める
文書ごとに保存期間を定め、不要になった文書は適切に廃棄してください。
契約書や帳票などの多くは、法律や規格によって保存年数が定められています。必要以上に早く廃棄すると法的リスクが生じ、反対に長く残しすぎると情報漏えいの原因になります。法令を確認し、文書ごとの保存期間を整理しておきましょう。
あわせて、期限を過ぎた文書の廃棄方法も決めておきます。紙の文書はシュレッダー、電子データは完全に削除するなど、誰が、どのタイミングで廃棄するのかをルール化しましょう。
6. 運用しながら定期的に見直す
文書管理ルールを策定したら、業務内容や組織、法令の変化にあわせて、定期的に見直すことが重要です。
現場の声を取り入れながら、項目を減らしたり運用を簡単にしたりと、改善を重ねていきます。定期的に見直すことで、文書管理が形骸化せず、社内に定着しやすくなります。
文書管理を定着させるには、一連のフローをマニュアルとしてまとめておくと効果的です。マニュアルの作成・共有にはTeachme Bizがおすすめです。
【5分でわかるTeachme Biz】機能・導入事例についてはこちらをダウンロード
マニュアル作成ツールの選び方についてはこちらの記事を参考にしてください。
▼あわせて読みたい
関連記事:マニュアル作成ツールの選び方|目的別、種類別に解説
文書管理を成功させるためのポイント
ここでは、文書管理を成功させるためにおさえておきたいポイントを解説します。ルールの形骸化を防ぎ、社内に定着する仕組みを作り上げましょう。
管理対象の文書を明確にする
文書管理を進める際は、管理対象となる文書と、対象外とする文書を明確に分けることが重要です。
社内には、契約書や監査資料といった重要文書がある一方で、個人のメモや一時的に作成したファイルなども数多く存在します。すべてを管理対象に含めると、必要な文書が埋もれてしまいます。法令対応や業務上重要な文書を管理対象として定め、それ以外のファイルは別で整理しましょう。管理範囲を絞ることで、文書管理の負担を減らせます。
文書管理ルールをしっかり定める
文書管理を定着させるには、明確なルールが必要です。文書の作成や承認、改訂、保管、廃棄までの流れを整理し、各工程の担当者・責任者も決めておきましょう。
あわせて、版数の付け方や保存場所を統一しておくと、管理がしやすくなります。ルールは細かく作り込みすぎず、実際の業務に即した内容にすることがポイントです。
スモールスタートで運用をはじめる
文書管理は、最初から全社で進めるのではなく、スモールスタートで運用をはじめましょう。部署や文書の種類をあらかじめ限定すると、導入時の混乱や負担を減らせます。
さらに、契約書や社内規程など重要な文書から着手すると、効果を実感しやすくおすすめです。実際の運用を通じて課題を洗い出し、ルールや運用方法を調整しながら対象範囲を広げていくと、無理なく全社展開につなげられます。
社内にルールを定着させる
文書管理を形骸化させないためにも、ルールを現場に定着させることが重要です。誰でも理解しやすい形でルールを共有しましょう。
文書の作成から廃棄までの流れをマニュアルとして整理し、必要なときにすぐ確認できる状態にします。内容は誰でもわかるようにまとめ、業務の中で迷わず運用できるよう整えましょう。
マニュアル作成のポイントとテクニックをまとめた「マニュアル作成の教科書」をあわせてご覧ください。
\プロが教える/マニュアル作成の教科書
運用状況にあわせて改善を続ける
文書管理を導入した後は、運用状況に応じて見直すことも必要です。業務内容の変化や法令改正に伴い、ルールや運用フローを定期的に調整しましょう。
実際に現場で使ってみると、入力や検索の手間、ルールのわかりにくさが浮き彫りになることがあります。現場からフィードバックを受けながら、入力項目の整理や手順の簡素化、無駄なルールの削除など、柔軟に対応しましょう。
文書管理システムで属人化を防ぐ
文書管理を本格的に行うには、文書管理システムの導入が効果的です。
システムを活用することで、特定の担当者に依存せず、誰でも必要な文書にアクセスできます。さらに改訂履歴や承認状況も自動で記録されるため、監査時にも役立ちます。アクセス権限の管理により、機密情報の漏えいを防げるのも利点です。
情報を安全かつ効率的に活用するためにも、文書管理システムの導入を検討しましょう。
文書管理システムを導入するメリット
文書管理システムを導入すると、日々の業務をスムーズに進められます。主なメリットを次にまとめました。
- 文書検索が簡単になり、資料探しの時間が減る
- 担当者が変わっても、必要な情報をすぐ共有できる
- 紙文書の管理が減り、ペーパーレス化が進む
- 権限管理により、情報漏えいのリスクを低減できる
情報管理システムは、社内に分散した文書を一元管理でき、業務効率と安全性の向上につながります。
文書管理システムを選ぶ際のポイント
文書管理システムを選ぶ際に意識したいポイントを解説します。導入前に検討を重ね、自社に最適なシステムを見極めましょう。
自社に必須な機能があるか
文書管理システムを選ぶときは、自社に必須な機能があるかをよく確認しましょう。たとえば、規程やマニュアルを管理したいときは、改訂履歴の管理や承認フローは欠かせません。契約書や帳票を扱うなら、電子帳簿保存法に対応した検索機能や保存期限の管理が必要です。
機能が多いと、その分設定や運用が複雑になりがちです。まずは自社で管理したい文書や課題を整理し、必要とする機能を洗い出しましょう。
誰でも使いやすいつくりか
文書管理システムは、誰でも無理なく使えることが重要です。操作が難しいと利用されなくなり、せっかく導入しても定着しません。
選定時は、直感的に操作できるか、検索しやすいかなどを確認しましょう。さらに、パソコンだけでなくスマートフォンやタブレットから利用できると、場所を問わず利用できて便利です。導入前にトライアルやデモを活用し、実際の使用感を確認するとよいでしょう。
既存ツールと連携できるか
文書管理システムを選ぶ際は、既存ツールと連携できるかも重要なポイントです。日常的に使っているメールやチャット、クラウドストレージなどと連携できれば、文書の登録や共有を効率化できます。
現在の業務に無理なく組み込めるシステムかどうかを、導入前に確認しましょう。
セキュリティ・監査要件は十分か
文書管理システム選定の際は、セキュリティは十分か、監査要件を満たすかという点も、事前に確かめましょう。
閲覧・編集・削除に加え、印刷やダウンロードの制御・記録にも対応していると、内部不正や誤操作のリスクをおさえられます。あわせて、利用者ごとのアクセス権限設定やバックアップ体制、データの保存場所なども確認し、障害発生時や法的リスクへの備えがあるかも見極めます。
サポートが充実しているか
文書管理システムを導入する際は、サポート体制も確認しておきましょう。
導入時のデータ移行支援や運用ルールの設計、操作説明などをサポートしてもらえると、初期の負担をおさえられます。また、運用開始後の問い合わせ対応やトラブル時の対応スピードも重要です。長期運用を前提に、信頼できるサポートが受けられるかを確認しておきましょう。
まとめ
文書管理とは、社内で扱う文書を一定のルールにもとづいて管理し、適切に活用するための取り組みです。正しい文書管理は業務効率化につながり、情報漏えいや監査対応のリスクもおさえられます。
文書管理を進める際は、基本ルールを定め、現状把握から運用・見直しまで段階的に進めることが重要です。多くの文書を扱う企業では、文書管理システムの導入を検討するとよいでしょう。自社の課題に合った機能やセキュリティ、サポート体制を確認し、無理のない形で導入することがポイントです。
マニュアル作成・共有システム「Teachme Biz」は、ISO対応に必要なマニュアルの版管理などをまとめて行えます。変更履歴も自動で残るため、管理の手間を減らせるのも魅力です。AI機能も搭載されており、マニュアル作成・編集の負担も減らせます。
詳しい運用方法は、以下のインタビュー記事でも紹介しています。
ISO認証に対応しつつ、各工場でのマニュアル作成・承認を回す運用とは|製菓メーカー様 ユーザー深堀りインタビュー(中編)
直感的でわかりやすい操作感を、ぜひ無料トライアルでお試しください。
▶無料トライアルのお申込はこちら






