チェックリストの作り方を解説! 作成時のコツや導入効果も紹介

公開日: 2024.03.15

チェックリストの作り方を解説! 作成時のコツや導入効果も紹介

業務で必要なタスクや項目をリスト化して完了状況を把握できるチェックリストは、ExcelやWordでかんたんに作成でき、進捗を一目で確認できる利便性があります。本記事では、ExcelやWordを使用したチェックリストの作成方法や、運用時に知っておきたいコツを紹介します。

Excelを使ったチェックリストの作り方

Excelで作成したチェックリストは、作成の難易度が低いことに加え、レイアウトの自由度が高く自社のニーズに合わせてデザインや機能を変更できる点がメリットです。しかしその一方で、属人化しやすく「作成者以外は変更できない」ケースが起こりやすい点がデメリットです。

Excelで作成する場合には、マクロやVBAに関する機能を提供する「開発タブ」に搭載されているチェックボックスを使用します。開発タブは初期状態では表示されていないため、ご自身のExcelを起動した際に開発タブが表示されていない場合は、作成する前にタブの追加作業が必要です。

すでに開発タブが表示されている場合は、追加は不要なため次の作業はスキップしてください。

1.開発タブの追加

Windows版のExcelで「開発」タブを表示するには、まず「ファイル」メニューから「オプション」を選択します。次に、「リボンのユーザー設定」をクリックし、「メインタブ」が選択されていることを確認します。その後、「開発」にチェックを入れ、「OK」ボタンをクリックします。

一方、Mac版のExcelでは、上部メニューから「Excel」を選択し、「環境設定」を開きます。次に、「作成」グループ内の「表示」を選択し、「リボンに表示」グループの「開発者タブ」にチェックを入れます。

これらの手順を終えたら、Excelシートに「開発」タブが表示されていることを確認します。以降は、Windows版のExcel環境での作成方法を紹介します。

2.チェックボックス・項目リストの作成

実際に作成していきます。作成の流れは、チェック項目を入力後、チェックボックスを追加します。

まずは、項目を入力しましょう。そのためには、事前に項目を洗い出しておく必要があります。項目を作成する際のポイントは後述します。

項目を入力できたら、その隣にチェックボックスを作成します。メインタブにある「開発」をクリックし、表示メニューから「挿入」を選択します。「フォームコントロール」グループにあるチェックボックスアイコンをクリックしてから、チェックボックスを追加したいセルをクリックすると、チェックボックスが表示されます。

作成したチェックボックスは、配置したセルを選択し、右下のフィルハンドルを掴んで必要な位置までドラッグすることで複製できます。

現在の状態は、チェックボックスのオン/オフをクリックで変更できるだけで、セル内にはデータが保存されません。そのため、チェックボックスを右クリックしてから、「コントロールの書式設定」を選択します。そして「コントロール」タブにある「リンクするセル」に、チェックボックスの状態を反映させたいセルを指定します。これにより、チェックボックスをクリックすると、セルに「TRUE/FALSE」が表示されます。

3.集計するための関数を挿入

次に、チェックが入った数を集計するための関数を挿入します。Excelを使用すると、さまざまな関数をかんたんに挿入可能です。指定した範囲の中から検索条件に合致するセルの数をカウントするCOUNTIF関数を以下のように挿入すると、項目のうち、いくつが完了したかを集計できます。

    =COUNTIF(範囲, 検索条件)

例えば、A列に項目、B列にチェックボックスが配置され、C列にチェックボックスの値が入っているシートを想定します。セルC13に集計値を表示したい場合は、「=COUNTIF(C2:C12,TRUE)」のように入力します。これは、「C2からC12の範囲で、セルの値がTRUEの数を数える」ものです。実際に使用する際には、状況に合わせてセル範囲を変更してください。

Wordを使ったチェックリストの作り方

Excelと同様に、Wordでも「開発タブ」にあるチェックボックスを使用して作成することが可能です。開発タブは、初期状態では表示されていないため、表示されていない場合は以下の手順で追加してください。

1.開発タブの追加

Windows版のWordで「開発」タブを表示するには、「ファイル」メニューから「オプション」を選択します。次に、「リボンのユーザー設定」をクリックし、「開発」にチェックを入れてから「OK」をクリックします。

一方、Mac版のWordでは、上部メニューから「Word」を選択し、「環境設定」を開きます。次に、「リボンとツールバー」をクリックし、「開発」にチェックを入れてから「保存」ボタンをクリックします。

これらの手順を終えたら、Word画面に戻り、「開発」タブが表示されていることを確認します。以降は、Windows版のWord環境での作成方法を紹介します。

2.チェックボックス・項目リストの作成

実際に作成していきます。初めに項目を入力してから、チェックボックスを追加します。

チェックボックスを追加したい位置にカーソルを移動させてから、Wordのメインタブにある「開発」をクリックし、「チェックボックス」アイコンをクリックします。初期状態ではチェックボックスがオンのときに「×」が表示されます。これを変更するには、「開発」タブから「プロパティ」を選択し、「コンテンツコントロールのプロパティ」画面で「選択時の記号」の「変更」ボタンをクリックします。記号リストからレ点(フォント:Wingdings)を選択して「OK」ボタンを押して画面を閉じます。

なお、ファイルを互換モードで開いている状態だとチェックボックスを追加できないため、ファイル形式を変換する必要があります。

Wordを使用した場合、チェックボックスの状態を別途データとして取得するためには高度な知識が必要です。そのため、Excelのように集計などを実施するのは容易ではない点に注意してください。

チェックリストを定着させるために知っておきたいコツ

作業漏れやミス防止を目的とした施策としてチェックリストの導入は有効です。しかし、現場の作業者にとっては、従来はなかった作業が増えることになります。運用フローがあいまいだったりチェック項目が多すぎたりすると、定着せずに終わってしまう可能性があります。そのような失敗を防ぐためには、以下のコツを押さえておきましょう。

チェックリストを導入する目的を明確にする

何の業務でどのような用途でチェックリストを使用するかという利用目的を明確にすることが重要です。チェックリストに含めるべき項目やフォーマットが明確になります。

また、目的は作業者に理解してもらうことも大切です。これにより、惰性でチェックすることを防ぎ、意味のあるリストとして活用できます。

初めて業務を行う人に向けて作成する

チェックリストは熟練者でない作業者が使用する前提のため、誰でも理解できるように作成することが重要です。

業界特有の専門用語や、組織内でだけ使われている特殊な言い回しは使わないようにしてください。見やすくするために重要なポイントは太字にしたり、色を変えたりするといった工夫も有効です。

項目は簡潔にする

チェックリストは、一目で全体を把握できることが重要です。文章が長いと作業者が読んで理解するのに時間がかかるため、スムーズに作業に取り掛かれなくなってしまう可能性があります。さらに判断に迷うような表現を使用すると、作業者によって判断が異なるなどして、正しい運用ができません。具体的で端的な表現を用いて、誰が行っても同じ判断ができるような文章を用いることが必要です。

また、記載項目が多すぎると、チェック作業に時間がかかるなど利用者の負担が大きくなります。チェック作業がおざなりになってしまう可能性もあるため、あまり項目を細分化しすぎないようにしましょう。

時系列順に並べる

項目の選定は、作業の洗い出しから始まります。現場の作業者にアンケートを取ったりヒアリングを行ったりしながら、時系列順に項目を並べていくと作業者が理解しやすく抜け漏れが減ります。必ず複数人でチェックして、項目漏れがないかを確認しましょう。

定期的にフィードバックを行う

実際に現場で運用してみて項目に漏れがないか、使い勝手の悪い箇所はないかなど、作業者の声を聞きながら改善していくと、より良いものになります。

またどんなに完璧に作成したとしても、業務フローの変化や体制の変更などにより状況は変化します。そのため、最新のフローに合わせて定期的に変更することが重要です。

マニュアルと併用する

チェックリストをスムーズに業務フローに組み込む方法として、マニュアルと併用する方法があります。

マニュアルとは、その業務における全ての手順と必要なノウハウがひとつにまとまったドキュメントです。マニュアル内に、チェックリストを使用して作業をチェックする旨を記載することで、確実にフローに組み込めます。セットで作成することで業務品質の向上にもつながります。

チェックリストツールの導入も検討する

チェックリストを導入する際には、どのような運用にするかを検討する必要があります。紙で運用する場合は、軽くて持ち運びが容易なメリットがある反面、社内での共有やデータの蓄積ができないデメリットがあります。

後々の改善を考慮するのであれば、デジタルデータとして保存できる方式を選択するのがおすすめです。最近ではクラウドサービスとして使用できるチェックリストツールも多数あるため、採用すると時短になるだけでなく共有やデータ蓄積もスムーズです。

チェックリストの導入によって期待できる効果

チェックリストを現場に定着させ、最大限に活用するために、導入によってもたらされる効果やメリットを改めて整理しておきましょう。

ミスを防げる

チェックリストは業務に必要な作業を漏れなく一覧化しているため、作業忘れやミスを予防できます。ミスしやすい箇所は赤字などで強調すると、より効果的です。

業務の工数を把握できる

チェックリストの導入により、業務全体の作業内容や作業量が可視化できます。データとして蓄積することで、作業者ごとの工数のバラツキを把握して改善につなげることも可能です。

業務の質を高められる

チェックリストを運用する際に、ミスしやすい箇所を目立つようにしたり、作業のポイントを付記したりすることで、業務の品質向上につなげられます。また、作業者が変わっても業務品質を一定に保つことが可能です。

業務の把握・改善にはチェックリストの活用を

チェックリストは、作業ミスの軽減や業務品質向上に役立つツールです。マニュアルと併用するとさらに生産性が高まるため、両者を連携しながら活用しましょう。マニュアルの作成には、クラウド上でマニュアルをかんたんに作成・共有できる「Teachme Biz」がおすすめです。

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