5Sとは?重視すべき理由や実現方法を解説

最終更新日: 2024.07.04 公開日: 2022.10.31

5S
業務効率を上げるうえで効果的な取り組みのひとつに「職場環境の整備」が挙げられます。そこで近年、多くの企業が職場環境を整えるために「5S活動」を重要視しています。

この記事では、5Sの定義や取り組む目的、実際に取り組む際に気を付けるべきポイントをご紹介します。


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5Sとは?

5Sとは、職場環境を整えるための5つの要素である「整理」、「整頓」、「清掃」、「清潔」、「しつけ」の頭文字をとったものです。

5S活動とは、これら5つの要素を積極的に推進するための取り組みや体制づくりを指します。元々は製造業や建設業、病院などから始まった取り組みですが、近年は業界を問わない様々な企業で実施されています。

整理

整理とは、「必要なものと不要なものを分別し、不要なものを処分すること」です。
例えば、日々大量の製品を生産している製造業の現場では、同時に大量の廃棄物が出ます。廃棄物をそのまま放置していると、必要なものを必要なときに見つけづらくなる上に、重大な事故を引き起こす要因となりかねません。そのため、不要なものは都度処分していくことが必要です。
製造過程で生まれたゴミは都度廃棄する取り組みや、在庫品は在庫数や生産年などを記録しておき、毎月不用品がないかチェックする取り組みなどが効果的でしょう。

整頓

整頓とは、「必要なものを使いやすい場所に置くこと」です。
業務に必要な資材や道具などの定位置を、使用者や使用頻度にあわせてあらかじめ設定し、表示しておくことで、スムーズに業務を進めることができます。

整頓を実施するには、「新たな道具や設備の導入時には必ず定位置を設定し、従業員に共有する」フローが重要です。使用者が複数いる場合は、持ち出す際に「使用中」のプレートを置くなどして、他の使用者に使用中である旨をわかりやすく伝える運用も必要になるでしょう。

清掃

清掃とは、「作業場や機器などを綺麗に掃除して点検を行うこと」です。
これにより、いつでも業務を始められるような環境を整えることができます。さらに、点検やメンテナンスを習慣的に行うことで、職場設備の不具合や異常にいち早く気づくことができ、事故やトラブルの発生リスクを軽減する効果もあります。

清掃を実施するには、日替わりで場所や設備ごとに清掃の担当者を決めておくといった運用が効果的です。

清潔

清潔とは、「整理・整頓・清掃が正しく行われ、常にきれいな状態を維持すること」です。
上述の整理・整頓・清掃を意識的に実施し、必要に応じて見直しをすることで、清潔な職場環境を維持できます。
整理・整頓・清掃が正しく行われているか、チェックシートを作成したり、実際に現場を確認する担当者を設定したりする運用が必要となります。

しつけ

しつけとは、「職場のルールや規律を基に、上記4つのSを習慣づけること」です。
職場を常にきれいに使うよう、教育や指導を通して従業員の意識を高め、5S活動の定着やモラル向上へとつなげる体制作りが大切です。

5Sに取り組む目的

では5Sに取り組むことでどのようなメリットがあるのでしょうか?5Sに取り組むことで、企業は「作業効率化・生産性向上」、「安全性向上」、「従業員のモラルマネジメント」といった効果を得ることができます。

業務効率化・生産性向上

不要なものが多く乱れている環境では、作業に必要な道具や資料を探し出すのに時間がかかります。一方で5Sを徹底し、必要なものをすぐに取り出せるような環境を保つことで、本来の作業に集中して取り組むことができ、効率的に業務を進めることが可能です。

同じ理由で、製造現場ではQCDの向上も期待できます。QCDとは、生産管理において重要な3つの要素の頭文字をとった言葉です。

  • Quality(品質)
  • Cost(コスト)
  • Delivery(納期)

QCD改善の方法については、ぜひこちらの記事をご覧下さい。

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QCDとは?開発に欠かせないQCDについて基礎からわかりやすく解説

安全性向上

作業に用いる資材や道具が乱雑に置かれているような環境では、思わぬ重大な事故の発生リスクが高まります。また、機器を正しく安全に使うためには、定期的な点検やメンテナンスは欠かせません。

5Sに取り組むことは、労働災害を未然に防ぐ意味でも重要です。特に製造業や建設業など重大な事故の発生リスクが高い現場では、意識的に取り組む必要があるでしょう。

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製造業のヒューマンエラー・ポカミス対策とは? 原因やエラーの種類も解説

従業員のモチベーション向上

作業場が乱れていると、作業の無駄が発生しやすい上に事故の発生リスクも高く、従業員にとってはストレスのかかる環境となります。反対にきちんと整理整頓された清潔な作業場は、仕事に集中できる快適な環境であると言えるでしょう。
5Sに取り組み、従業員が主体的に職場環境を整える風土を作り出すことで、従業員のモチベーションを高め、離職率の低下が期待できます。

5S実施の4ステップ

5Sを従業員に浸透させるには、段階的に導入を進めることが必要です。ここでは、導入時に踏むべき4つのステップをそれぞれ解説していきます。

体制作り

まずは5S活動の導入担当やリーダーなど導入チームを決定します。5S活動の目的や方針、ルールを従業員全員に共有できる基本的な体制づくりを進めましょう。

導入をスムーズに進めるために、導入チームには少なくとも以下4つの役割を置くことがおすすめです。

  • 5S導入と通常業務のバランスを管理する管理職
  • 5S活動の導入リーダー
  • 5S導入の実施状況・進捗状況を監視して見える化する役割
  • 実際に現場で改善を指導する役割

明確な目的や目標の設定

5S活動では「職場をきれいに保つこと」自体が目的化しやすいですが、上述の通り5S活動に取り組む意義は生産性向上や安全性向上、従業員のモチベーション向上などにあります。「何のために5S活動に取り組むのか」という目的を共通認識として持ち、5S活動を効果的に導入できるよう目標設定しましょう

はじめから高い目標を設定する必要はありません。PDCAサイクルをまわし、段階的に目標をアップデートさせていくつもりで目標設定を行いましょう。
例えば最初の目標は「従業員に5Sを浸透させ、常に職場環境が整えられていること」を設定し、改善を繰り返しつつ達成できたら「〇〇の作業を〇時間以内に終了させる」「不良品を〇%削減する」といった具体的な目標にシフトしていき、最終的には「〇〇の生産工程を〇日以内に完了させる」といった5S活動のゴールを設定できると良いでしょう。

現状の見える化とルール作り

業務プロセスやフローの見える化を行い、細かい業務の流れを把握したうえで、業務が最適化されるよう新たなルールを設定していきましょう。
例えば、作業に必要なものと不要なものや、道具の定位置、定期メンテナンスの実施時期、掃除の担当者などを決定します。
決定したプロセスに沿って5S活動をスタートした後は、より作業が効率化できるようにルールの改善を行います。「整理」、「整頓」、「清掃」、「清潔」、「しつけ」の順に改善を進めると、自然な流れで見直しをすることができます。

チェックシートの作成

PDCAサイクルをまわし、基本的な5S活動の進め方が決定したら、チェックシートを作成しましょう。このチェックシートに沿って、全ての従業員が決められた手順に従って5Sを実行できるようにします。

チェックシートの例を以下に記載します。

【例】 5Sチェックシート

整理 □ 職場で使うもの、使わないものの明確な判断基準が確立されていますか?
□ 職場の整理は日常化されていますか?
□ 不用品は所定の場所に置き、はっきり表示されていますか?
整頓 □ 使用頻度によって、身近に置くあるいは遠ざけるなど配置を工夫していますか?
□ 棚やキャビネットには、品名や管理担当者がわかるように表示されていますか?
□ 日常使用するものは、だれでもすぐに取り出せ、確実に元の位置に戻せる状態ですか?
清掃 □ 作業個所、作業台、デスク周りの空間は確保されていますか?
□ 作業個所、作業台、デスク周りは清掃されていますか?
□ 使用する機械設備は点検・清掃がされていますか?
□ 使用しない資材、劣化・故障した機械等は廃棄(整理)していますか?
清潔 □ 作業服は指定のもの、清潔なものを正しく着用していますか?
□ 作業に応じた必要な保護具を正しく着用していますか?
□ 機械設備に油汚れ、粉じんの堆積などがありませんか?
□ 作業床・通路に汚れはありませんか?
□ トイレ、洗面所等は汚れていませんか?
しつけ □ 定期的(繰り返し)に上記清掃等を行ってますか?

出典:相模原労働基準監督署|5Sチェックリストの例

チェックシートの効果をより高めたい場合は、管理者がチェックシートの項目ごとに実施状況を点数化し、評価を行うのもおすすめです。具体的に数値化することにより、従業員のモチベーションを向上させることが期待できます。

まとめ

5S活動を進めることで、職場環境をきれいに保つだけではなく、生産性向上や安全性向上、従業員のモチベーション向上といった効果を期待できます。5S活動を正しく効果的に進めるためには、段階的にステップを踏みながら導入を進めることが重要です。トップダウン型で導入を進めるのではなく、職場全体で5Sに主体的に取り組めるような意識づくりを進めながら、ぜひ5S活動に取り組んでみてください。

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