Perplexityとは?ChatGPTとの違いやできること、使い方を解説

最終更新日: 2025.06.11 公開日: 2025.06.09

業務効率化のためAIを導入する場合、選択肢のひとつとして挙げられるのが「Perplexity」です。PerplexityはChatGPTに似たツールですが、特徴や強みはそれぞれ異なります。
この記事では、Perplexityでできることや使い方、料金プラン、活用例、注意点などを詳しく説明します。

※本記事は2025年5月現在の最新情報に基づいています。


「AIを社員教育にも使おう!すぐに使えるプロンプトつき」の資料ダウンロード

Perplexity(パープレキシティ)とは

Perplexityとは、機械学習技術と自然言語処理を使用した対話形式のAI検索エンジンです。入力された質問(プロンプト)に対して、Web上にある膨大なデータの中から瞬時に必要な情報を収集し、要約して出力してくれます。Perplexityの開発・運営元は、米国サンフランシスコを拠点とするスタートアップのPerplexity AI, Inc.です。元Google所属のAI研究者たちが2022年8月に会社を設立し、同年12月にPerplexityをリリースしました。日本では、2024年6月にソフトバンクと戦略的提携を開始したことでも話題を集めました。Perplexityは、ビジネスシーンのさまざまな業務に役立ちますが、特にリサーチの効率化に優れており、時間対効果、いわゆるタイパ(タイムパフォーマンス)の高さが注目されています。

ChatGPTとの違い

Perplexityと同じ対話形式のAIツールといえば、ChatGPTが有名です。ChatGPTは事前に膨大な量のデータセットで学習していて、基本的には事前に学習した情報に基づいて回答します。そのため、学習した時点の知識しか持ち合わせておらず、リアルタイムの新しい情報に追いついていないことがネックでした。2025年5月現在では、ChatGPTにもブラウジング機能がありますが、無料版では利用回数に制限があります。

一方、Perplexityはブラウジング機能を使用して、Web上にある最新情報をリアルタイムで収集して回答するのが特徴です。PerplexityとChatGPTを比較すると、リアルタイム性という観点ではPerplexityの方が情報収集に向いています。

Perplexityができること

ビジネスにおいて、膨大な情報を迅速かつ的確に処理するためにはツールの活用が欠かせません。高い情報収集力や情報処理力を備えたPerplexityは、さまざまなシーンで役立ちます。

最新の情報をリアルタイム検索できる

昨今は進化しつつあるものの、一般的な生成AIは、学習済みのデータをもとに回答するのが基本でした。そのため、古い情報を根拠として間違った内容を回答する、最新のニュースやトレンドに対応できない、などの弱点があります。

一方、ブラウジング機能を搭載したPerplexityは、リアルタイムでWeb上にインデックスされている最新情報を取得しながら回答を生成します。そのため、急速に変化する市場動向や最新のトレンド、今日のニュースなどに関する質問にも対応できます。ビジネスの現場や日常の情報収集でも、常に最新かつ正確な情報を手に入れられることは大きな強みです。

情報元・ソースを明記してくれる

Perplexityは、回答する際にどのWebサイトから情報を取得したのかが分かるように参照元のエビデンスを提示してくれます。一般的な生成AIでも情報の出どころを教えてくれることがありますが、すべての質問に対してエビデンスが自動的に提示されるわけではありません。Perplexityは自動で情報元が表示されるため、ファクトチェックがしやすく、情報の正確性を確認するのに役立ちます。これにより誤情報を取り扱うリスクを減らすことができ、ビジネスシーンでも安心して活用できます。

検索範囲を指定できる

Perplexityはソースを限定した検索が可能です。2025年5月現在は、「ウェブ」「学術」「ソーシャル」の3つのモードが用意されています。それぞれにフォーカス機能が搭載されていて、特定のプラットフォームやカテゴリを指定して絞り込むことができます。検索時は、ひとつのモードだけを選択することも、複数を組み合わせることも可能です。例えば、専門性の高い情報を得たい場合は「学術」のみを選び、専門的な知識に加えて最新ニュースや実務的な事例も知りたい場合は「学術」と「ウェブ」を併用する、といった使い方ができます。

ファイルのアップロードができる

Perplexityの大きな特徴のひとつは、ファイルをアップロードできることです。アップロードしたファイルの内容をAIが読み取って、要約や翻訳、内容に関する質問への回答も可能です。これにより、長文の文書や複雑な資料も効率良く理解でき、作業の負担を大幅に軽減できます。アップロードした情報は非公開のまま保持され、外部に共有されることはありません。無料版では1日に最大3ファイルまでと上限が定められていますが、Pro版では無制限にファイルをアップロードできます。

Webページや検索結果を要約できる

高度な情報処理力を有するPerplexityは、要約機能も優れています。質問が複雑な内容でも、回答は箇条書きなどで分かりやすくまとめて表示されるので、要点を簡潔に把握できます。

Webページで要約機能を使いたい場合は、Google Chromeの拡張機能「Perplexity - AI Companion」がおすすめです。この機能を利用すると、閲覧したWebページの内容を瞬時に自動で要約してくれます。Chromeのブラウザ上で利用できるため、Perplexityを開いたり文章をコピーペーストしたりする必要はなく、簡単かつスピーディーに利用できるのも魅力です。

有料のPro版ではAIモデルを選択できる

Perplexityは、複数のAIモデルを搭載しています。無料版では、利用するモデルを選択することはできません。Pro版にアップグレードすると、ChatGPTのGPT-4.1やo4-mini、Claude Sonnetなど、多くのモデルから最適なモデルを選択できます。

通常、複数のAIモデルを利用したい場合は、各サービスに登録して料金を払わなければなりません。しかし、Perplexityならひとつのプラットフォーム上で複数のAIモデルを利用できます。AIモデルによって処理速度や得意分野は異なるため、情報収集・文章生成・画像生成など用途によって使い分けると作業をいっそうスムーズに進められます。

Perplexityの使い方

Perplexityは直感的に利用できるシンプルなインターフェースで、高い操作性を備えています。専門的な知識がなくても使いやすいですが、導入初期は慣れるまで戸惑うことがあるかもしれません。そこで、アカウントの作成から検索まで、Perplexityの基本的な使い方を解説します。

1. 公式サイトでアカウントを作成する

Perplexityはアカウントを作成せずに使用することもできますが、利用できる機能やAIモデルが限定されます。アカウントは、公式サイトから簡単に作成可能です。

公式サイトにアクセスしたら、まず画面の右下に表示される「サインインまたはアカウントを作成」を選び、新規でアカウントを作成します。

Perplexityのトップ画面スクショ

簡単なのは、「Googleで続ける」をクリックしてGoogleアカウントの情報と連携させる方法です。アカウントの選択画面に変わったら該当するものを選び、規約を確認して次に進めましょう。

Perplexityのログイン画面スクショ

Perplexity公式サイト
https://www.perplexity.ai

2. アカウントにログインする

Perplexityのログイン画面スクショ

アカウントを作成してログインすると、プラン選択の画面に移ります。選べるのは、「無料」「Pro(有料)」「法人向け(有料・画面下方)」の3つです。利用目的に応じて、無料やProなどを選択しましょう。

3. 状況に応じて使用場所を選択する

Perplexityのログイン画面スクショ

プランを選択すると、デスクトップアプリやスマホアプリのおすすめが表示されます。特に必要がなければ、画面下方の「続ける」をクリックするか、おすすめ画面を閉じるとWebブラウザのまま使用できます。

4.「質問してみましょう…」にプロンプトを入力し検索する

Perplexityの入力画面スクショ

Perplexityのトップ画面には、中央部に「質問してみましょう…」という入力枠が表示されています。その枠内にプロンプトを入力して検索することで、すぐに利用を開始できます。

Perplexityはこんな使い方もできる

Perplexityは単なる情報検索ツールではなく、工夫次第でさまざまな使い方ができます。この段落では、基本的な情報検索や要約機能を超えたPerplexityの活用方法を紹介します。

トレンドサーチ

ブラウジング機能を備えたPerplexityは、リアルタイムに近い情報収集ができるため、最新の海外のニュースや話題の出来事を把握するのに役立ちます。特に英語圏のWeb情報に強いので、海外の情報をリサーチするときには有用です。情報源も確認しながらトレンドを追えるので「タイパ」に優れたツールとして活用できます。

動画検索

Perplexityは、文字情報だけではなく動画(YouTube)検索にも対応していて、情報収集の幅を広げてくれます。「〇〇に関する動画」、「〇〇について分かるYouTubeチャンネル」などと検索して、検索結果から「動画」タブを選択すると、質問(プロンプト)内容に関連する動画が一覧で表示されます。文章だけでは理解しにくい複雑な内容など、情報を視覚的に理解したい場合におすすめの方法です。

Perplexityの料金プラン

Perplexityには、無料で利用できるプランと、より高機能な有料プランがあります。有料プランは、個人向けのPerplexity Proと法人向けのPerplexity Enterprise Proの2種類が用意されています。それぞれのプランの特徴や違いを見てみましょう。

Perplexityの料金プラン

参考:Perplexity 「Which Perplexity Subscription Plan is right for you?」
https://www.perplexity.ai/help-center/en/articles/11187416-which-perplexity-subscription-plan-is-right-for-you

参考:Perplexity 「PerplexityがEnterprise Proをローンチ」
https://www.perplexity.ai/ja/hub/blog/perplexity-launches-enterprise-pro

無料版

無料版でも、基本的なリサーチ機能は十分使えます。ただし、利用するAIモデルは選択できず、Pro検索の使用回数は1日に3回まで、ファイルのアップロードも1日に3回までなどの制限があります。ちなみにPro検索とは、漠然とした質問(プロンプト)に対してフォローアップの質問を通じて本質を深掘りし、より最適な回答を導き出すことを特徴とした機能です。質問の本質を把握した上で、最適な情報を提供してくれます。

Perplexityの無料版は、ビジネスで必要な情報の収集や分析、資料作成など、さまざまなシーンで活用できます。ただし、高性能のAIモデルには対応していないため、より高度な検索を行いたい場合などは有料プランへのアップグレードを検討しましょう。

有料版:Perplexity Pro(個人向け)

有料版のPerplexity Proは、小規模なチームやフリーランス、個人での利用が想定されています。有料版のみで使える主な機能は、以下の通りです。

・高性能AIモデル
・Pro検索を無制限に利用可能
・画像・ファイルの無制限アップロード
・Pages機能(検索結果や調査内容を文書化・共有できる機能)
・画像生成機能

Perplexity Proは、大量の論文を分析したり資料を作成したりするビジネスパーソンに向いています。市場調査や競合分析、業界トレンドの理解などの高度な情報収集のほか、企画のアイデア出しや戦略の立案など、さまざまな分野で活用できます。検索スピードや精度が向上するため、無料版よりも効率的に作業を進められます。

有料版:Perplexity Enterprise Pro(法人向け)

Perplexity Enterprise Proは、企業向けに特化したプランです。大規模なチーム運用を想定し、高度なセキュリティと管理機能を備えることで、業務の効率化と企業の成長を支援します。個人向けのPerplexity Proとの違いは、以下の通りです。

●セキュリティ強化
シングルサインオンで利便性の向上と情報漏洩防止機能の強化を実現しています。

●プライバシー保護の強化
無料版およびPerplexity Proは、登録したデータの一部が収集されサービスの向上に活用されますが、Perplexity Enterprise Proでは、登録データは一切収集・利用されません。

●データ自動削除
ユーザーのデータは7日後に自動で消去されます。

●管理機能
管理者は、利用者の追加、削除、権限管理が可能です。

●柔軟な価格設定
大規模チーム(100ユーザー以上)で利用する場合は、カスタマイズ可能な料金プランが提供されます。

●フォロー体制
専任の担当者によるサポートが受けられるため、スムーズな導入および活用が可能です。

Perplexity Enterprise Proは、業界リサーチや市場動向の把握、リアルタイムの株式比較、営業用の提案資料の作成など、ビジネスにおけるさまざまなシーンで活用できます。チーム内で情報共有する機能もあるので、チームコラボレーションの効率化にも役立ちます。

Perplexityを使用する際の注意点

Perplexityは直感的に使える便利なAI検索エンジンですが、利用する際にはいくつか注意したいポイントもあります。2025年5月現在でも機能の追加が継続的に行われており、まだ発展途上のツールであることは理解しておくべきです。例えば、Perplexityは日本語でも利用可能ですが、英語と比べるとやや精度が劣る面もあります。そこで、ここでは特に日本語話者がPerplexityを利用するときに知っておきたい注意点を2つ紹介します。

日本語生成の精度が高くない

Perplexityは英語をベースにして開発されたため、英語と比べると日本語での生成精度はそれほど高くありません。最先端の自然言語処理技術が使用されているとはいえ、まだ発展途上の技術であることも事実です。回答に不自然な表現や分かりにくい言い回し、誤字脱字などが見られることもあります。Perplexityを利用して重要な情報を収集する際などは、生成された文章をそのまま鵜呑みにしないことが大切です。信頼性が高いサービスですが、必ずファクトチェックをすることを習慣にしましょう。

日本語検索と外国語検索では回答が異なる

Perplexityは、検索する言語によって情報源や回答の質が変わるケースがあります。例えば、英語では多くの情報をもとにして正確な回答をしているのに、日本語では必要な情報があまり出てこない、といった具合です。これは、言語によって異なるデータベースが使われていることや、その言語が使用されている国や地域の文化的な背景を考慮して回答していることなどが原因です。

Web上で、特定の分野に関して日本語での情報が少ない場合は、日本語で検索しても必要な情報が見つからない可能性もあります。より多くの情報を得るためには、英語など他の言語でも検索してみるのがおすすめです。

まとめ

Perplexityは、信頼性の高い情報源をもとに、最新の情報を瞬時に提示してくれる高精度の検索エンジンです。質問(プロンプト)を入力するだけで、要点や関連するWeb情報が簡潔にまとめて表示されるので、効率的なリサーチが可能になります。Perplexityを活用して、作業効率の向上や質の高いアウトプットを実現させましょう。

この記事をSNSでシェアする

「業務効率化」を考える

関連カテゴリ

「生産性向上」の最新記事

「業務効率化」の最新記事

マニュアルで生産性革命をおこそう

マニュアルは、上手く扱えば「単なる手順書」以上に大きな効果を発揮します。
生産性の向上はもちろん、「企業を大きく変える」可能性を秘めています。

Teachme Bizは、マニュアルであなたの企業にある課題を解決し、
生産性を向上するパートナーでいたいと考えております。
「組織の生産性を向上したい」「変える事に挑戦したい」と思う方は、
わたしたちと生産性の向上に挑戦してみませんか。

マニュアル作成・共有システム
「Teachme Biz」はこちら