Notionの使い方|基本からおすすめの活用法まで解説

最終更新日: 2025.06.13 公開日: 2025.06.09

Notionの使い方(バナー画像)

「Notion」はタスク管理やドキュメント作成、データベース作成などを行える多機能ワークスペースです。近年は「Notion AI」という新機能も加わり、より利便性が高まっています。本記事ではNotionの機能、メリット、活用法、プランなどを詳しく紹介します。Notionを使いこなし、業務効率化を実現しましょう。


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メモも管理もこなす多機能ワークスペース「Notion」とは

「Notion(ノーション)」とは米国のNotion Labs Inc.が開発し、2016年頃にリリースした、クラウドベースの多機能アプリケーションです。

メモやデータベースの作成、情報共有、プロジェクトやタスク管理など多様な機能が備わっているのが特徴です。

2021年には日本語のベータ版がリリースされ、直接ブラウザにアクセスする「Web版」、ダウンロード形式の「デスクトップ版」、スマホで利用できる「モバイル版」の3種類が用意されています。ひとつのアプリケーションだけで様々な業務をこなせることから、「オールインワンのワークスペース(グループウェア)」と呼ばれ、多くの企業で導入が進んでいます。

UI(ユーザーインターフェース)がシンプルで操作性が高く、初心者でも使いやすいのも選ばれる理由のひとつです。また柔軟なカスタマイズが可能なので、ユーザーがニーズに応じて情報を自在に管理できます。

Notionを利用するメリット

業務の管理が容易になる

Notionは、タスク管理、プロジェクト管理、スケジュール管理といった業務の中核をなす要素を、ひとつのプラットフォーム上で一元的に扱えるツールです。情報が分散せずにまとまっているため、全体の進行状況をシームレスに把握でき、遅延やボトルネックなどの問題を早期に発見・対処できます。

また、タスクごとに担当者や期限、優先度などを細かく設定できるため、誰が何をいつまでに行うのかといった責任の所在が明確になり、チーム間の連携ミスや作業の抜け漏れを防ぐことができます。プロジェクト単位での関連付けや進捗確認も可能なため、全体の業務を俯瞰して管理したい場合にも有効です。

業務の効率化を行える

表の作成、議事録やドキュメントの作成、メモの整理、データベースの構築など、これまで複数のアプリケーションを使い分ける必要があった業務を、Notionひとつで完結できるのも大きな特長です。

たとえば、従来はタスク管理をスプレッドシートで行い、議事録はワードプロセッサでまとめ、ファイルは別のクラウドストレージに保存するといったように、業務内容によって異なるツールを行き来していたケースが多く見られました。Notionではそれらをひとつのワークスペース上に統合できるため、ツール間の切り替えやデータの分散による煩雑さを軽減し、業務効率化につなげることができます。情報が一元管理されていることで、必要な情報の所在に迷うことがなくなり、検索の手間や時間も削減可能です。

また、用途別に用意されたテンプレートを活用すれば、会議の議事録やタスクリストの作成といった定型業務も短時間ででき、作業の効率化につながります。メモやドキュメントを階層構造で整理する機能もあるため、大量の情報を扱う場面でも視認性が高く、整理・編集の手間が省けます。

ナレッジ共有が迅速になる

Notionでは、ドキュメントや議事録、顧客データベース、ノウハウ集など、さまざまな情報をひとつのワークスペースに集約できます。これにより、社内のナレッジが蓄積・共有しやすくなり、部署やチームの垣根を越えた情報連携が可能です。

便利な機能のひとつにリアルタイムでの共同編集機能があります。複数人が同時に編集できるため、意見のすり合わせやフィードバックがスムーズに行え、認識のズレが起こりにくくなります。コメント機能を活用すれば、ページごとにやり取りも可能です。

また、蓄積された情報は検索機能によってすぐに呼び出すことができるため、過去のナレッジやノウハウを業務に素早く活用できます。Notionの具体的な活用例は、後の項目でも詳しく紹介します。

Notionの基本機能

Notionを使いこなすには、まず「ページ作成」「ブロック」「テンプレート」の3つの基本機能を理解することが重要です。

●ページ作成
「ページ」とはNotionの基本単位となる、メモの作成画面のことです。テキストメモだけでなく、タスク管理やデータベース、画像・ファイルの埋め込みなど、さまざまなコンテンツをまとめることができます。ページ同士は階層化(親ページ・子ページ)でき、これにより情報を構造的に整理しやすくなります。

●ブロック
「ブロック」とは、ページを構成する基本的な要素です。テキストや画像、コード、表などのコンテンツをひとつずつの単位として扱います。Notionのページは、これらのブロックを積み重ねることで作られています。各ブロックはドラッグ&ドロップで自由に移動・編集できるため、ページの構成やレイアウトを柔軟に調整することが可能です。

●テンプレート
「テンプレート」とは、目的に応じたページを作成する際の雛形のことです。Notionにはタスク管理や議事録、メモ用のノートテイキングなど、便利なテンプレートが多数用意されています。これらのテンプレートを使いこなすことで、ページ作成の手間を省き、作業を効率的に進められます。

Notionをビジネスでどう使う?活用例を6つ紹介

Notionは報告書の作成やタスク管理、データベースの作成など、ビジネスにおいて様々な用途に活用可能です。

報告書(日報・週報など)の作成や共有

ドキュメント作成機能を活用すれば、日報や週報などの各種報告書を簡単に作成できます。「日付」や「今日完了したタスク」「明日とりかかる予定のタスク」「備考」など必要な項目をテンプレートとして設定しておけば、日々の入力が効率化され、記録の抜け漏れも防げます。

作成した報告書は共有機能を活用することで、上司やチームメンバーと簡単に共有できます。紙に印刷して提出する手間が不要になり、報告作業をスムーズに行えます。

報告書はデータベースのカレンダーに埋め込むこともでき、チームで共有することでほかの社員の進捗状況も把握できます。

Notion日報の画面スクショ

Notion報告書の画面スクショ

これにより、チーム全体で各メンバーの進捗状況を一覧で把握できるなど、情報共有と業務の見える化にも役立ちます。

タスク管理

Notionでは、チェックリストやデータベースを活用することで、タスク管理を効率的に行えます。たとえば、ToDoリストを作成して、担当者・ステータス・期限などの項目を設定すれば、プロジェクトや目的に応じた柔軟な管理が可能です。

Notionタスク管理の画面スクショ

タスクの表示方法も豊富です。リスト形式だけでなくカレンダー表示やカンバンボード、ガントチャートなど、自身やチームのスタイルにあわせて切り替えられます。

また、各タスクには優先度や締め切りといった属性を追加でき、フィルター機能を使えば優先度の高いタスクや期限が近いタスクを簡単に抽出できます。さらに、ひとつのタスクの中に複数の作業がある場合は、サブタスクを設定したり、チェックリストに分解したりすることも可能です。

社内Wiki・社内ポータルの作成

Notion社内Wikiの画面スクショ

Notionを活用することで、社内Wikiや社内ポータルを効率的に構築できます。

社内Wikiとは、マニュアルや関連資料、福利厚生や社内規定など、社員に必要な情報を1カ所にまとめたスペースです。Notionでは、ページ内にサブページを作成して情報を階層化できるため、カテゴリ別に整理しやすく、検索性も向上します。これにより、社員は必要な情報に素早くアクセスでき、日々の業務効率が高まります。

一方で社内ポータルは、社員情報や契約書、顧客情報など企業の情報にアクセスする入り口となるサイトです。Notionではこれらを1ページに集約し、リンクやビューを使って一覧性の高いポータルを作成できます。他部署との連携や情報共有を円滑にするだけでなく、テレワーク環境でも必要な情報にすぐアクセスできるため、場所を問わず業務を進めやすくなります。

もし社内Wikiや社内ポータルの一部に閲覧制限をかけたい場合は、アクセス権限も細かく設定できます。機密性の高い情報には特定の部署・メンバーのみ閲覧可能にすれば、情報の安全性を確保しながら必要な情報共有を柔軟に行えます。

社内システムのハブ

Notionで作成した社内ポータルを、社内システムのハブとして活用する方法もあります。複数のツールやシステムを利用している企業では、必要な情報を得るためにどこにアクセスすればよいかがわからなくなり、業務の手間や混乱の原因になりがちです。

その問題は、Notion上にリンク集を作成し、各システム・ツールへの導線を一元化することで解決します。各リンクに簡単な説明文を付けることにより、社員は迷わず必要なシステムにたどり着けます。これにより、情報検索にかかる時間の短縮や、問い合わせ対応の削減など、業務効率の向上につながります。

顧客向けデータベース

Notionのデータベースは社内の情報共有にとどまらず、顧客など外部向けに活用することも可能です。

たとえば、自社の商品情報やスペック表、在庫データなどをNotion上でデータベース化し、特定の顧客にURLを共有すれば、顧客は必要な情報を自身で確認できるようになります。

共有機能では「フルアクセス」から「編集」「コメント」「読み取り」まで細かく権限を設定できます。「読み取り」のみに権限を設定しておけば、外部からデータに変更が加えられるリスクもありません。

また、FAQや製品マニュアルといったヘルプコンテンツもNotionで整備し、URL共有やWeb公開設定をすることで、Web上のヘルプセンターとして機能させることも可能です。顧客が自己解決できる環境を整えることで、問い合わせ件数の削減やサポート対応にかかる工数の軽減にもつながります。

自社のコンテンツ公開

Notionで作成したドキュメントは、「Web公開」機能を使って誰でもアクセスできるWebページとして公開できます。商品やサービスの紹介ページをNotion上で作成し、そのまま公開することで、自社のコンテンツとして手軽に活用することが可能です。

一般的なWebサイトを一から構築する場合、デザインや開発、サーバー設定など多くの作業が発生し、時間やコストがかかります。その点、Notionであればテンプレートを活用して簡単にページ作成ができるため、短時間でコンテンツを公開できるのが大きなメリットです。

公開されたコンテンツは他のWebサイトに埋め込むことや、検索エンジンにインデックスさせることでWeb検索経由でのアクセスも可能です。デフォルトではすべての訪問者が閲覧できるようになっていますが、一部のページにアクセス制限をかけることも可能です。

おすすめの活用法は「Notion AI」による業務効率化

「Notion AI」とは、2023年にリリースされた新たな機能で、Notion内で利用できる生成AIのことです。文章の作成や要約、翻訳や質問への回答など、生成AIができることはおおむね可能です。有料プランだけでなく無料プランでも利用できます(容量制限あり)。

議事録の自動要約ができる

Notion AIでは、長文レポートや社内議事録、資料などの要約が可能です。専門的な文章や長い文章は読むだけで多くの時間を費やしますが、Notion AIを活用すれば、重要なポイントだけを短時間で把握することが可能です。

とくに議事録の要約では、発言の要点や決定事項などを自動で抽出してくれるため、関係者全員が効率よく内容を理解でき、意思決定の迅速化につながります。また、要約された内容はチーム内での情報共有にも役立ち、伝達ミスや認識のズレを防ぐ効果もあります。

さらに、Notion AIでは議事録の要約だけでなく、会議メモから実行タスクの抽出、議題からアジェンダの作成、内容の整理や表形式への変換など、多様な業務支援も行えます。これらを活用することで、会議前後の業務全体を効率化できます。

社内ヘルプデスクの実現につながる

Notion AIの「Q&A」機能を活用すれば、簡易的な社内ヘルプデスクを構築できます。この機能は、ユーザーが質問を入力すると、Notionワークスペース内に蓄積された情報をもとに、AIが自動で適切な回答を生成するものです。
たとえば、福利厚生の利用方法や各種経費の申請手順、社内マニュアルの内容など、従来は総務部や経理部が個別対応していた質問にAIが即時に回答できるため、業務の効率化が期待できます。

Q&Aの検索範囲はユーザーに閲覧権限のあるページに限定されており、アクセス権のない情報が誤って表示される心配はありません。
なお、「Notion AI Q&A」はNotion AIのアドオン機能です。利用するには「ビジネス」以上の有料プランを選ぶ必要があります。

Notionの料金プラン

「Notion」には個人利用に適した無料の「フリープラン」のほか、法人向けに3つの料金プランが用意されています。

Notion料金表

参考:Notion「Notion (ノーション)の料金プラン: フリー、プラス、ビジネス、エンタープライズ、AI」
https://www.notion.com/ja/pricing

フリー(個人向け)

「フリー」は個人での日常的な利用に適した無料のプランです。メモ機能やタスク管理、データベース管理やドキュメント作成などの基本的な機能は、フリープランでも利用可能です。

アップロード容量やゲストの招待可能人数、編集履歴が保管される日数などに制限はありますが、個人利用であれば不便を感じない範囲です。

プラス(法人向け)

「プラス」は少人数のチームでの利用に適しており、Notionを導入しはじめたばかりの企業におすすめのプランです。利用料金は1名あたり1,650円(月額)です。フリープランの機能に加え、ワークスペースごとに様々な設定が行える管理者専用設定機能や、すべてのコンテンツをHTMLやMarkdownに出力できる機能が備わっています。

アップロード容量の制限はなく、30日間ページの編集履歴が保管されます。ゲストも100人まで招待できます。全体的にフリープランより余裕のある設定です。

ビジネス(法人向け)

「ビジネス」は、複数のチームをNotionによって連携させたい企業に適したプランです。利用料金は1名あたり3,150円(月額)で、安全性の高いSAML SSOを利用した社員のアクセス管理ができます。

プライベートチームスペースの作成が可能で、すべてのコンテンツをHTML、Markdown、PDFに出力できます。編集履歴が保管される期間も90日間と長く、ゲストも250人まで招待可能です。業務効率化に役立つ幅広い機能を備えた、成長過程にある企業におすすめのプランです。

エンタープライズ(法人向け)

「エンタープライズ」は、高度な管理機能やサポートを備えたプランです。大企業だけでなく管理やセキュリティ機能にこだわる企業にも適しています。料金は公開されておらず、具体的な価格はNotionの担当者と相談して決まります。

このプランはSAML SSO+SCIMにより、社員のアカウント管理を外部のツール(たとえばOktaなど)と連携して、自動で行うことができます。新入社員のアカウントを自動で追加したり、退職した社員のアクセス権をすぐに削除したりといった対応が可能です。

また、監査ログやドメイン検証機能、ワークスペースおよびチームスペースに対する高度なセキュリティ設定が提供され、セキュアな環境を維持するための対策が充実しています。

さらに、権限グループにメンバーと管理者以外の「メンバーシップ管理者」という役割も追加されます。メンバーシップ管理者はメンバー追加などの管理ができる一方、ワークスペースの管理は行えません。メンバーと管理者の中間的な立場として機能します。

ページの編集履歴は無制限に保管され、いつでも過去のバージョンにアクセスできます。

Notion AIはビジネスプランから使用可能

Notion AIは、ビジネスプラン、エンタープライズプランに含まれており、追加料金は特にかかりません。Notion AIには以下の4つの機能が備わっています。

●Notion AIコア
チャット、文章生成、自動入力、翻訳を行える

●AIミーティングノート
会議の書き起こし・要約を行える

●エンタープライズサーチ
社内に蓄積されたデータの中から、迅速に必要なデータを検索できる

●リサーチモード
社内データやWebサイト、外部ツールから情報を分析し、ドキュメントを作成できる

業務でNotion AIを本格的に利用するならビジネスプラン以上を契約するのがおすすめです。フリープランとプラスプランでも、体験版としてドキュメントの生成やデータベースの自動入力など、基本的な機能は利用できます。ただし利用できる回数には制限があります。継続してNotion AIを利用したい場合は、ビジネス以上のプランを検討しましょう。

まとめ

Notionはドキュメント作成からタスク管理、情報共有やデータベース作成まで様々な機能を備えたアプリケーションです。活用することで情報の検索や共有が容易になり、様々な業務の効率化が期待できます。社外向けの自社コンテンツや顧客データベースも簡単に作成が可能です。また、「Notion AI」を活用すれば議事録の要約や社内ヘルプデスクの作成も容易に行えます。

プランは無料の個人向けから大企業向けまで4つの種類があり、自社の規模やニーズに即したプランを選択できます。ひとつで業務における様々な課題を解決できるので、ぜひ導入をご検討ください。

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