見やすい在庫管理表を作成するコツとは?無料のテンプレートもご紹介

最終更新日: 2024.08.16 公開日: 2024.08.09

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企業が無駄な保管コストや廃棄コストを抑え、適切な生産計画を策定するには、在庫管理が鍵となります。在庫管理は通常、在庫管理表に情報を記入することで行われますが、どのような表を作成・運用すれば良いのでしょうか。

この記事では、見やすく使いやすい在庫管理表を作成・運用するポイントや、Excelを活用する方法とそのメリット・注意点について解説します。

見やすい在庫管理表を作成するコツ

企業が適切に在庫管理を行うには、在庫管理表の作成が不可欠です。視覚的に確認しやすい在庫管理表を作成するために押さえておきたいコツを紹介します。

記入項目を明確にする

在庫管理を効率的に行うためにまず必要となるのが、必要な項目のリスト化です。業種や品目などによって異なりますが、「何が(商品)」「いつ(入出庫日)」「どれくらい(数量)」の3つを明確にする点は共通しています。そのため、商品名・入庫日時・出庫日時・現在の在庫数量などは最低限記録しましょう。

それに加えて、商品コード、カテゴリー、在庫状況、賞味期限・消費期限(食品の場合)、仕入れ単価、販売単価などを適宜入れましょう。また、最小在庫数や予測在庫数を記入しておくことで、スムーズな補充・発注につながり、在庫不足・過剰在庫のリスクを下げられます。ただし、入力すること自体が負担にならないよう、項目は必要最低限に絞ってください。

在庫がある場所を記録する

在庫場所も記録する必要のある項目です。具体的には倉庫・保管場所の名称や住所、識別コード、棚番号、エリアなどが該当します。

保管場所が複数にわたる場合、どこからどこに移動させたかという履歴と、移動させた理由(販売、返品、サンプル配布など)を記録できると、在庫の追跡・管理を行いやすくなります。それによって、最適な在庫配置が実現します。

見た目を統一させる

表ごとに順番や項目がバラバラだと視認しにくくなるため、在庫管理表のデザインは統一することが望ましいです。また、デザインは可能な限りシンプルにすることをおすすめします。そうすることで、該当する商品がどこにどれくらい保管されているのか、といった情報を視覚的に把握しやすくなります。

入力のしやすさ・使いやすさも重視する

視認しやすさだけではなく、使いやすさも重視する必要があります。データの入力しやすさを考慮していない管理表を作成した場合、入力にかかる時間が増えることでコア業務に集中する時間が奪われてしまい、生産性の低下を招きかねません。

従業員の在庫管理表を運用するモチベーションが低下するとデータ入力作業が後回しにされてしまい、正確な在庫数が反映されない事態が起こりかねません。最悪の場合、在庫管理表が形骸化してしまう恐れもあります。そのため、在庫管理表の作成段階で入力しやすさや運用しやすさを考慮しなければなりません。

【Excel】在庫管理表の無料テンプレート

在庫管理表を効率的に作成するには、Excelの無料テンプレートを活用する方法がおすすめです。無料で入手できるテンプレートの中から、シンプルで使いやすいものを3点紹介します。必要に応じて項目の追加・削除といったカスタマイズをして活用しましょう。

特定の商品の管理に使える表

一般的な在庫管理に使える在庫管理表です。1枚の管理表につき1点の商品を管理するタイプのため、商品の種類ごとに表を作成する必要があります。管理するべき品目が多岐にわたる場合に適しています。

在庫管理表テンプレート(単一商品)の詳細はこちら|ビズ研

複数の商品をまとめて管理する際の表

複数の商品を1枚の表で管理するテンプレートです。少量の在庫を管理する用途や、日付ごとに管理したいケースに適しています。

在庫管理表テンプレート(複数商品)の詳細はこちら|ビズ研

ステータス・担当者など詳細まで記録できる表

「何が・いつ・どれくらい」を適切に管理できるテンプレートです。入庫時と出庫時の数量・単価や在庫数、担当者などを商品ごとに記録できます。

在庫管理表テンプレート(詳細型)の詳細はこちら|ビズ研

Excelで在庫管理表を作成するメリット

在庫管理表をExcelで作成することで、コスト面や簡便性、機能面でのメリットが得られます。

コストがほとんどかからない

在庫管理システムを導入するとなると、初期費用やランニングコストがかかります。そのため、費用が抑えられるExcelを活用する企業も多くあります。初期費用は基本的にはかからず、前項で紹介したようなテンプレートを活用すれば効率的です。ただし、事業規模や商品点数などによってはかえって運用コストがかさんでしまう場合があります。運用方法を選定する際は、初期コストだけでなく長期的な費用対効果も考慮しなければなりません。

すぐに開始できる

Excelは日常業務で使用している場合が多いため、操作に慣れている従業員は少なくありません。そのため、学習にかかる時間を短縮でき、テンプレートをダウンロードできればスピーディーに運用を開始できます。

関数やマクロを活用すれば一定の自動化も可能

Excelには関数やマクロ、ピボットテーブル、VBA(Office製品に搭載されているプログラミング言語)などの機能が利用でき、これらを組み合わせることである程度の自動化が実現します。例えば、特定の条件に合う数値を集計するSUMIF関数を活用することで、特定のカテゴリーに属している在庫数だけを集計するといったことが可能です。またVLOOKUP関数によって、商品コードに基づいて在庫数を取得する設定もできます。

在庫管理表をExcelで作成する際の注意点

Excelの在庫管理表は、ニーズに応じて柔軟なカスタマイズを加えられます。その一方で、商品点数や拠点数が多いとカバーしきれなかったり、データが改変されるとトラブルが発生しやすかったりといったデメリットに注意しなければなりません。

商品数・拠点数が多いと対応が難しい場合もある

扱う品目数が増えてデータ量が膨大になると、計算の処理速度が遅くなってしまいます。また、表には単なる数値が並んでいるだけであるため、別途グラフを作成しないと視覚的に把握しづらい点も課題です。

また、リアルタイム性が低い点にも注意が必要です。例えば各拠点で在庫管理表を個別に管理している場合、データの集計・統合に手間がかかり、タイムラグが発生します。同じ在庫管理表を使っていたとしても、ひとつの拠点での更新が遅れると全体の在庫を正確に把握できません。

なお、Excelには共有機能が搭載されています。かつては「共有ブック」が搭載されていましたが、Web用のExcelでは利用できないなどの制限があるため、Excel 2019以降やMicrosoft 365では「共同編集」に置き換えられています。しかし、それでもExcelでの多拠点での運用には限界があるため、あくまで小規模・少人数での運用が現実的です。

データが改変されると元に戻すのが難しい

Excelは多くの人が使い慣れており操作のハードルが低いというメリットがありますが、一方で誤操作によるデータの変更・削除、破損といったトラブルも頻発しやすいです。リテラシーの低い従業員が誤って関数やマクロの設定を壊してしまうケースも少なくありません。そうなった場合、表に記載されている数値と実際の在庫数に齟齬が生じる可能性もあります。そのため、ロック機能を使用したり自動バックアップを取ったりするなど、破損に対する備えを必ず行わなければなりません。

新たな在庫管理表を導入する際はマニュアル作成・共有も忘れずに

適切な在庫管理を行うには、運用しやすいように作成された在庫管理表の活用が不可欠です。Excelを活用した在庫管理は、導入費用や学習コストが低く抑えられ、スピーディーに導入できるなどのメリットがありますが、注意点も押さえておく必要があります。新たに作成した在庫管理表を適切に運用するためには、在庫管理表の使用方法などをまとめたマニュアルを作成・共有する方法が有効です。マニュアル作成ができる「Teachme Biz」のような専用ツールを活用し、適切な在庫管理を目指しましょう。

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