HACCP(ハサップ)とは?概要をわかりやすく解説

最終更新日: 2024.07.04 公開日: 2021.09.01

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HACCPとは衛生管理の国際的なメソッドであり、危険分析と衛生管理の実行・記録化に重点が置かれています。日本でも2021年6月から「HACCP完全義務化」となりました。

HACCPとは何か、その概要や導入方法、メリットや問題点について詳しく紹介します。


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HACCP(ハサップ)とは?

HACCPとは「Hazard(危害)」「Analysis(分析)」「Critical(重要)」「Control(管理)」「Point(点)」の5つの単語の頭文字を合わせた衛生管理方法です。

日本語訳は「危害要因分析重要管理点」で、「Hazard Analysis」が「危害要因分析」、「Critical Control Point」が「重要管理点」を意味します。

HACCPは原料の入荷から製品の出荷までのあらゆる工程において、発生しうる危険は何かを分析し、危険を防ぐ衛生計画を立て、それを実行・記録する方法です。

簡単に記すと、以下のような手順で管理を行います。

  1. 危険を分析する
  2. 衛生計画を立てる
  3. 衛生計画を実行・記録する

「HACCPとは何か?」と問われることがあれば、まずこの3つを思い出すと良いでしょう。ただ、食品事業者であればより詳しく把握しておいたほうが良いかもしれません。
HACCPが対象とする工程は「入荷」「受入」「製造工程」「製品の出荷」であり、つまり食品事業者が関わるほぼすべての工程に該当します。

これらの工程において、まず発生する恐れのある生物的・科学的・物理的な危害要因をあらかじめ分析します。次に危害要因を管理するための対策を講じます。
そして、どの工程への対策によって危害要因管理が可能であるかを検討・実行したのち、管理基準や基準の測定法を定め、それに則った測定値を記録します。

この一連の流れを継続的に実施することで、食品事業者は「製品の安全を守るために科学的な衛生管理を行っている」=「HACCPを遵守している」と認められます。

食品事業者がHACCPを遵守することは、食品を口にする人々の衛生環境の向上に大きく貢献しています。HACCPとは、多くの人々の食卓へ安心を運んでくれる大切なメソッドです。

HACCPの導入は食品事業者の義務

2018年の食品衛生法の改正に伴い、原則としてすべての食品事業者がHACCPに沿った衛生管理を義務づけられました。もともと食品事業者はHACCPの義務化以前から一般衛生管理を行っていましたが、それよりもさらに詳細な管理が必要だと考えられるようになったためです。

HACCPの義務化そのものは改正後すぐに行われたわけではなく、法律公布日(2018年6月13日)から約2年後に施行され、1年間の経過措置期間を経た2021年6月には完全施行されています。

HACCPを含めた食品衛生法改正が行われた背景には、以下の3つの理由が挙げられます。

  1. 前回の食品衛生法改正から約15年が経過しており、食品・食文化を取り巻く環境やグローバリゼーションに変化が起きていた
  2. 国内における広域的な食中毒の発生率が下げ止まっており、食品による健康被害へのより強固な対応の必要性が生じた
  3. 2021年の東京オリンピック・パラリンピックの開催や食品の輸出促進の視点から、国際標準に合わせた食品衛生管理が意識されるようになった

この3つの理由は食品衛生法の改正に大きな影響を及ぼし、結果としてHACCPの導入が義務づけられました。そのため、HACCPとは唐突に生まれたものではなく、日本が参加しているグローバリゼーションの中では必然の変化です。

HACCPと従来の衛生管理方法との違い

従来は、大量生産された最終製品の一部を抜き取って検査を行い、製品の安全性をチェックしていました。ただ、この方法では、製品の一部のみしか検査しないため、問題のある製品を見逃せば市場に流通してしまうおそれがあります。

また、従来の方法ではどの工程で問題が発生したのかを把握できません。そのため、最終検査で問題が発覚すると、同一ラインで生産した製品のすべてを回収・廃棄する必要が生じます。

一方、HACCPの衛生管理は、製造における全工程で危険要因を分析します。さらに、加熱や冷却、包装といった重要管理点においてはより厳しい基準のもと継続的な監視と記録を行います。これにより、問題が生じた工程を把握したうえで不良品出荷の回避が可能です。

また、HACCPの導入により、不具合への対応を迅速化できます。あらかじめ、発生しうるトラブルについては対策の実行までを含めて想定するため、速やかな対応が可能です。

他にも、従来の衛生管理に比べて生産効率が高まるメリットがあります。これは、HACCPの導入により、明確な基準のもと衛生管理を実施でき、安定した品質の製品を生産できるためです。
なお、記録を作成するなどの手間が増えるため、導入直後で作業に慣れないうちは生産効率が悪くなることがあります。それでも、製造過程におけるアクシデントが減少し、クレームも少なくなれば問題解決に要する手間や時間を削減でき、結果として効率的に生産を行えるようになるでしょう。

現状におけるHACCPの導入状況とは?

農林水産省では食品製造業のHACCP導入状況について追跡調査を行っています。それによると、2021年度には食品製造業のうちの61.9%がHACCPを「導入している」という結果が出ました。

また、「導入途中の工場がある」と答えた企業が5.2%、「今後導入予定」は32.8%となっており、調査対象となったすべての企業がHACCPの導入およびその準備をしていることがうかがえます。

なお、2020年度の調査では「導入している」と答えた企業が42.7%であり、前年に比べ19.2ポイントも増加しました。HACCPの完全義務化に向けて、1年間で大きく導入が進んだことが分かります。

参照:令和3年度食品製造業におけるHACCPに沿った衛生管理の導入状況実態調査結果(農林水産省)

企業規模別に見るHACCPの導入状況とは?

企業規模別のデータを見ると、HACCP導入状況にやや違いがあることが分かります。
「すべて又は一部の工場、工程(ライン)で導入している」と答えたのは、食品販売金額規模5,000万円未満の企業が49.5%、5,000万~1億が59.9%、1~3億が73.5%、3~10億が83.1%、10~50億が94.0%となっています。50~100億円、100億円以上の販売規模を持つ企業は、100%の導入結果となりました。

販売金額規模が大きな企業になるほど、導入率は高くなっていることが分かります。
規模5,000万円未満の導入企業は2021年時点でまだ半数に満たないものの、前年の調査では26.6%の導入に留まっていたため、大幅な増加が見られます。

HACCPとは食品管理において非常に優れているメソッドと言えるものの、導入には多少なりともコストが必要です。そのため、事業者の規模によって導入率に差が見られることはやむをえない一面でしょう。

参照:令和3年度食品製造業におけるHACCPに沿った衛生管理の導入状況実態調査結果(農林水産省)

世界で見るHACCPの導入状況とは?

グローバル化が進み、国外での食品製造や流通が活発になる中で、安全基準の明確化は世界的に重要な課題とされています。世界各国はいち早くHACCPの制度化を進めてきましたが、前述の通り日本が義務化に踏み切ったのは2018年の法改正以降です。

一方で、各国では日本に先駆けてHACCPを制度化しています。
1992年には、カナダとオーストラリアが水産食品や食肉製品などの一部を対象にHACCPを義務付けました。1997年にはアメリカ、2003年には台湾、2012年には韓国がそれぞれ一部品目を対象にHACCPを義務化しています。
また、EUは加盟国に対しHACCPの概念を取り込んだ衛生管理を、一次産業を除くすべての食品事業者に義務付け、2006年には完全適用しました。

参照:HACCPの各国の導入状況(公益社団法人日本食品衛生協会)

HACCP義務化の対象事業者

HACCP義務化の対象となるのは、食品を扱うあらゆる事業者です。組織や事業の規模にかかわらず、製造や加工、販売などを行う食品事業者はHACCPを導入しなくてはなりません

ただ、規模が小さな事業者の場合、HACCPに基づく衛生管理が難しい場合があります。そのため、食品衛生法では従業員数が50名以上の一般事業者と、従業員数50名未満の小規模事業者に分類し、それぞれ異なる基準を設けています。

基本的に、一般事業者はHACCPの原則に基づく衛生管理を行わなければなりません。一方、小規模事業者はHACCPの考え方に基づく簡略化された衛生管理が認められています

HACCPを無視した場合の罰則は?

HACCPを導入しないまま食品事業を営んだ場合について、食品衛生法には明確な罰則が記載されていません。
ただ、食品衛生法の条文には、罰則を「都道府県知事に委ねる」と明記されています。そのため、自治体が条例で設けた罰則が適用されることになります。

都道府県条例では、「2年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金」を罰則の上限として定めています。そのため、HACCPの導入を無視した場合、事業者に対してこの罰則が適用されるおそれがあります。
なお、食品衛生法に含まれる他の安全基準や命令などに違反した場合、「3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金」に処される可能性があります。

明確な罰則がなくとも、HACCPを導入しない事業者は窮地に立たされるおそれがあります。食の安全を重視する風潮はもとより、SNSなどの発達によって悪印象が広がりやすくなった現代では、法令を遵守しない企業として消費者の信頼を大きく損なうかもしれません。

HACCP認証とは?

HACCP認証とは、HACCPの基準に基づく衛生管理を実施していると認められることです。自治体や業界団体などの第三者機関が審査して認証するものであり、法令遵守のために必須ではありません。
あくまで制度化されたHACCPは遵守すべき基準です。そのため、制度を守るだけでHACCP認証が得られるとは限らず、より厳しい審査を必要とする場合があります。
難度の高い認証をクリアすることで、消費者や取引先に対し、企業イメージの向上が期待できます。

HACCPの認証機関

HACCPの認証機関は複数あり、地方自治体と業界団体、民間審査機関の3つに分けられます。

地方自治体の認証は、各都道府県や市などが独自に定めた基準を用いて審査を実施しており、規模の小さな企業でも比較的取得しやすいでしょう。
業界団体認証は、食品事業に関連する業界ごとに設けられており、製麺や惣菜、菓子など、その業界に属する団体が認証を行います。基準はその業界ごとの専門となるため、自社の展開する製品にあった認証を受けましょう。
民間審査機関の認証は、国際標準化機構(ISO)によるISO22000や、それをベースに追加要求事項などを追加したFSSC22000などがあります。これらの国際的な認証を得られれば、国内外を問わず大きな信頼を得られるでしょう。
その他、ISO22000に準ずる審査を行う国内の機関など、民間の審査機関は多数あります。審査機関によって基準や難易度は異なり、それにより認証の信頼性にも差が出るため注意が必要です。

HACCP認証取得までの時間と費用

HACCP認証を取得するには、研修への参加や審査などで費用がかかります。なお、必要な費用の総額は、認証を受ける機関によって大きく変わります。

例として、民間機関であるHACCP認証協会では「総合衛生管理HACCP認証」と「新調理HACCP認証」の2種で、認証審査登録費として最低でも2年ごとに300,000円、さらに中間審査として翌年から2年ごとに200,000円の費用が発生します。レストランなどを対象とする「小規模施設HACCP認証」は認証審査登録費として1年ごとに150,000円が必要です。
この認証の取得にかかる時間はおよそ1年です。基準に沿ったマニュアルの作成やシステムの構築、組織体制の強化などをはじめ、一般的には審査の前段階で専門のコンサルタントに依頼し事前調査や指導などを受けます。また、審査後に審査機関から指摘があった場合には、是正措置にも一定の時間を要します。

事前・本審査と、審査が数回に分けられていることもあり、必然的に時間がかかります。最低でも1年はかかると考え、計画的に認証取得までの取り組みを進めていきましょう

HACCPに関する資格

HACCPは組織への認証だけでなく、個人を対象とした資格もあります。HACCP関連の代表的な資格には、HACCP普及指導員や管理者資格、HACCPリーダーなどが挙げられます。

HACCP普及指導員

HACCP普及指導員は、公益社団法人「日本食品衛生協会」が認定する資格です。HACCPの普及と推進、導入企業のサポートを目的に設けられた資格であり、取得によりHACCPの構築や検証を行い、中小事業者の導入ニーズに応えられることが認められます。

取得条件としては厚生労働省通知のHACCPに関する要件を満たした講習を受け、日本食品衛生協会が実施する「HACCP指導者養成研会」を修了する必要があります。修了後、別途申請することで認定を得られます。

HACCP管理者資格

HACCP管理者資格は、日本食品保蔵科学会が認定する資格です。HACCPに関する相当程度の知識を有し、HACCPの制度化においても力を発揮できる人材であると示せます

当該資格は、基礎科目認定とHACCPワークショップ認定の2段階認定制度を採用しています。基礎科目認定は、大学や短大などで受講し、24単位以上の取得が必要です。ワークショップ認定は、3日間にわたり開催されるワークショップを受講すると認定証が発行されます。

取得した資格は4年を期限とし、更新のために審査が行われます。学会からの退会や不正行為の発覚などがあった場合には、資格を喪失する可能性があります。

資格認定の申請は、必要書類をそろえたうえでHACCP事務局へ提出します。学会の個人会員や基礎科目認定者に該当する者、HACCPワークショップ認定者に該当する者でないと申請はできません。

HACCPリーダー(食品安全管理技術者)

HACCPリーダー(食品安全管理技術者)は、日本要因認証協会が認定する資格です。有資格者は、組織におけるHACCPの構築や運営に携わるコンサルタントなどを担える人材であることを示せます

資格を取得するには、同協会が指定する研修を修了しなくてはなりません。また、受講により取得が可能な他の資格と異なり、こちらは実務経験が求められます。フードチェーン関連産業または食品安全マネジメント分野で決められた期間の実務経験を積むことが条件です。

なお、資格の有効期限は3年間で、更新には期間中に有効な活動実績があることや倫理綱領の遵守を必要とします。

HACCP導入の手順とは?

「7原則12手順」が基本

HACCPは次の「7原則12手順」で導入します。7つの原則の実行準備のために5つの手順が進められ、準備ができれば7つの原則と残り7つの手順が同時に実行されます。

  • 手順1:HACCP チームの編成
  • 手順2:製品についての記述
  • 手順3:意図する用途の特定
  • 手順4:製造工程一覧図の作成
  • 手順5:製造工程一覧図の現場での確認
  • 手順6(原則1):危害要因の分析
  • 手順7(原則2):重要管理点の決定
  • 手順8(原則3):管理基準の設定
  • 手順9(原則4):モニタリング方法の設定
  • 手順10(原則5):改善措置の設定
  • 手順11(原則6):検証方法の設定
  • 手順12(原則7):記録の保持

また、HACCPには「HACCPに基づく衛生管理」と「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」という2つの基準が設定されています。手順は「HACCPに基づく衛生管理」が複雑で、「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」は比較的簡素な内容です。これまでは基準A、基準Bと呼ばれていましたが、より関係性が分かりやすいよう、これらの名称へと変更されました。

HACCPに基づく衛生管理 HACCPの考え方を取り入れた衛生管理
コーデックスのHACCP7原則に基づき、食品等事業者自らが、使用する原材料や製造方法などに応じ、計画を作成し、管理を行う。 各業界団体が作成する手引書を参考に、簡略化されたアプローチによる衛生管理を行う。
<対象業者>
・大規模事業者
・と畜場
・食鳥処理場
<対象業者>
・小規模な営業者等

「HACCPに基づく衛生管理」はHACCPの7原則が完全適用されます。対象となる事業者の規模が考慮されており、主に従業員50名以上の大規模事業者と、と畜場や食鳥処理場を対象とします。

「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」は「HACCPに基づく衛生管理」ほど7原則12手順が重視されておらず、飲食店を中心とした小規模事業者が対象です。

HACCPの手引書

厚生労働省では、食品等事業者団体が作成した業種別HACCPの手引書を公開しています。

リンク:HACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書(厚生労働省)

小規模な一般飲食店向けから食品別の製造者向けまで、公開されている手引書は多岐にわたります。

手引書には衛生管理計画策定のポイントから記載例まで分かりやすく紹介されているため、HACCPを導入する際にはぜひ参考にしてみてください。


出典:小規模な一般飲食店向けの手引書(公益社団法人日本食品衛生協会)

HACCPの導入メリットとは?

コストがかかるなどのデメリットから、日本のHACCP導入率はいまだ100%に至っていません。しかし、HACCPとは決して食品事業者を締め付けるだけではなく、むしろ導入によってさまざまなメリットを享受できます

調査で見えるHACCP導入のメリット

農林水産省の調査において「すべて又は一部の工場・工程(ライン)で導入している」と回答した企業では、HACCP導入によって生じた効果を体感しています。

  • 品質・安全性の向上…83.3%
  • 従業員の意識の向上…71.8%
  • 企業の信用度やイメージの向上…45.1%

いずれも食品事業を営む企業にとって重要度の高い要素であり、多くの企業がHACCPの導入でメリットを得ていると見られます。

「Café&Meal MUJI」に見るHACCP導入事例

たとえばHACCPを導入した「Café&Meal MUJI」では、衛生管理計画と記録を作成することで、衛生管理における重要点の明確化に成功しました。重要点の明確化によって、効率的な衛生管理を実現し、さらに保健所や顧客の問い合わせに対する説明が容易になったという大きなメリットを立て続けに獲得しています。

公的機関や顧客へ正確に情報を伝達できれば、その食品に関わる誰にとっても安心できます。HACCPとは多くの人に安心感を与えるものであるため、今後の導入の広がりが期待されるところです。

HACCP導入の問題点とは?

メリットが多いHACCPですが、導入に踏み切れない食品事業者も少なくありません。農林水産省が2021年に行った調査によると、HACCPを完全に導入できない事業者は以下のような問題点を感じているとのことです。

  • 従業員に研修・指導を受けさせたいが適切な機会がない
  • 従業員に研修を受けさせる時間的余裕がない
  • 従業員に研修を受けさせる金銭的余裕がない
  • HACCPを指導できる人材がいない
  • HACCP導入手続きに手間がかかる
  • HACCPの管理手順が複雑
  • HACCP導入後に係るモニタリングや記録管理コスト
  • HACCP導入までに係る費用(コンサルタントや認証手数料など金銭的問題)
  • 施設・設備の整備(初期投資)に係る資金

金銭的な課題(資金)の他に、HACCPを指導できる人材不足、従業員への教育負荷など、いずれも重要な問題点であることが分かります。このような問題をクリアできる企業力を持たない食品事業者にとって、HACCPの義務化への対応は難易度が高いと言えるでしょう。

参照:令和3年度食品製造業におけるHACCPに沿った衛生管理の導入状況実態調査結果(農林水産省)

実際のHACCP導入は低コストで可能

HACCPの導入にあたり、コストと人材育成を大きな障害だと感じる食品事業者は少なくないようです。しかし、必ずしもHACCPの導入に大きなコストがかかるとも限りません。

厚生労働省は「HACCPとは比較的容易に取り組めるものである」と定義しています。
その理由として具体的には以下の3点が挙げられます。

  • 事業者団体が作成した手引書(厚生労働省確認済)が利用できる
  • 工程における温度管理や手洗いの手順は手引書に定められた通りに行えば良い
  • 記録方法は簡便である

さらに厚生労働省は以下も表明しています。

  • HACCPとは工程管理(ソフト)の基準である
  • 必ずしも施設・設備のようなハード面の対応を求めるものではない
  • 現行の施設・設備での対応を前提としている

食品事業者によってはそれでもハードルの高さを感じるかもしれませんが、HACCPの導入はすでに義務化されています。そのため、とにかく「手引書をもとに監視・記録して手順に従えばよい」と納得して、HACCPの導入を前向きに検討していきましょう。

HACCP導入で効果を発揮した事例

HACCPを導入した食品事業者の意見の中には、「手引き書(導入マニュアル)が役に立った」「HACCPの責任者・指導者の養成が功を奏した」というものが散見されました。

これらの意見から、分かりやすいマニュアルや人材育成の重要性がうかがえます。また、人材育成にもマニュアルは大いに役立つため、マニュアルを最大限活かせるかどうかがHACCPの導入効果に大きな影響を与えます

逆にHACCPの導入をためらう事業者の一部は「マニュアルがない」「手引き書が難しい」という理由を述べているため、「分かりやすいマニュアル」の作成は非常に重要です。

HACCP導入に欠かせないマニュアルは分かりやすく作成を

HACCP導入にはマニュアルや手引き書が有効であり、必要不可欠です。食品事業者の努力により、小規模な飲食店へ向けたHACCP導入マニュアルが作成され、厚生労働省のチェックを受けたうえで公開されています。

HACCPの導入に関する手間や管理の疑問・問題点は、HACCPの「7原則12手順」をマニュアル化することにより効率的な解消が期待できます

マニュアルはテキストに頼りがちですが、テキストだけでは読みにくさや難解さを感じる可能性があります。特に文字量が多ければ、分かりにくい印象を抱く人が出てくるでしょう。

「分かりやすいマニュアル」の作成のためには、画像や動画を配置することが効果的です。文字情報だけでなく視覚的・聴覚的な印象を残すことで、より深い理解と習得に結び付きやすくなります。

画像や動画の配置はマニュアル作成においては技術や経験が必要と言われますが、業務効率化のツールとしてリリースされている「Teachme Biz」であれば、専門知識や技術がなくても効率的なマニュアル作成が可能です。

「HACCPとは何か?」「その導入方法は?」というHACCP導入に伴う課題の多くは、分かりやすいマニュアルを作成することですぐに解消できます。HACCPの義務化に従うだけでなく、優れた食品衛生の管理メソッドとして活用するためにも、見やすく理解しやすいマニュアルの作成を行いましょう。


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