日報の書き方を解説!書くべき項目や記載例、電子化するメリットは?

公開日: 2025.08.14

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毎日日報を書いているというビジネスパーソンは多いでしょう。しかし、その必要性はあまり広く知られていません。また、日報を効率的に活用するための方法のひとつが電子化であることも、まだ広く知られていないことのひとつです。そこで本記事では、日報を書く意義や書き方、電子化することで得られるメリットについて詳しく解説します。

日報を書く目的や必要性

そもそもなぜ、何のために日報を書くのかわからないという人も多いでしょう。まずは、日報の意義について詳しく解説します。

目標の進捗具合や達成率などの報告

日報を活用することで、設定した短期・中長期の目標に対する現在の進捗状況や達成度を、可視化しながら上司に報告できます。これにより、業務が計画通りに進んでいるか、遅延や課題が発生していないかを客観的に把握できます。

また、課題の早期発見・解決につながることも重要なポイントです。日報に達成できていない内容や抱えている課題を明確に記載することで、自身だけでなく上司やチームも早い段階で課題を認識できます。早期の相談やアドバイスを受けやすくなるため、問題解決のスピードアップに寄与します。

さらに、目標に対する進捗や具体的な行動を日報で記録すれば、個人の業務パフォーマンスが明確になります。上司は事実に基づいた適切な評価やフィードバックができ、本人も自身の成長や課題を客観的に捉えやすくなります。

業務内容の記録

業務内容を日々記録することで、日々の自分の行動やタスクを客観的に振り返ることが可能です。時間の使い方や作業の進め方の分析は、改善点や無駄な工程を発見するきっかけになります。

また、過去に経験した業務内容や進め方が記録として残るため、類似業務や同様の課題に直面した際、すぐに参考資料として活用できます。特に、問題発生時には過去の業務記録を振り返ることが、原因の特定とトラブル解決への近道となります。自身の成長や業務品質の向上のみならず、組織全体の知識共有やリスク管理にも直結する重要な取り組みです。

相談や事案の共有

日報は、チーム内での相談や事案の共有を促進するためにも重要な役割を果たします。特に、テレワークや多様な働き方が進む現場では、直接会いづらい状況でも日報共有によってコミュニケーションの質と量を保てます。

また、日報に業務上で困っていることや相談したい内容を記載するのもおすすめです。これにより、上司やほかのチームメンバーが即座に気づき、迅速にフォローやアドバイスできるようになります。なかなか口頭では伝えづらい悩みや課題も、日報を介して効果的に伝えられます。

成功事例なども、日報を通じて記録・共有するとよいでしょう。関係者が迅速に状況把握・情報交換でき、組織全体でノウハウや教訓を蓄積できるからです。

日報の種類

一口に日報といっても、その種類はさまざまです。ここからは、特にビジネスの現場で活用されることの多い、営業日報と業務日報(作業日報)について解説します。

営業日報

営業日報とは、営業担当者が一日の営業活動内容や商談の進捗状況を記録し、上司やチームと共有する報告書です。具体的には、誰を訪問したか、どのような提案や交渉を行ったか、顧客の反応や次のアクションなどを詳細に記載します。

この営業日報によって、顧客訪問数や契約件数といった定量的な目標達成状況を把握できるため、営業活動が計画通り進んでいるか、どの部分に課題があるかを客観的に分析できます。

また、営業日報をつけるもうひとつのメリットは、営業戦略の見直しやチーム内での情報共有に役立つことです。ほかのメンバーの成功事例や対応ノウハウなどを共有することで、組織全体の営業力を底上げし、さらなる成果につなげられます。

業務日報(作業日報)

業務日報(作業日報)は、日々の業務内容や作業の進捗、成果を記録し、上司や関係者に報告・共有するための文書や報告書です。その日の仕事の内容や達成状況を客観的に振り返ることにより、自身の行動や成果、課題を認識し、改善点の発見や業務効率化に役立てられます。

また、日々の作業を細かく記録することで、無駄や遅延、重複作業を明らかにし、効率化や問題解決を図りやすくなる点もメリットです。特に建設業などでは、コスト管理や安全管理にも活用されています。

さらに、日報を通じて業務の状況を共有することで、遅れやトラブルを早期に発見・対処でき、チーム内の情報共有や連携が強化されます。上司が部下の状況を把握し、適切な指導や支援を行うことも可能です。そのため、一般的には仕事終了後など、できるだけ記憶が新しいうちに作成されます。

日報で書くべき項目

日報で記載すべき項目は多岐にわたります。氏名や年月日、作業日報であれば作業日時を書くべきなのはもちろんですが、そのほかにも以下のような重要項目があります。

その日の業務内容

日報において、その日の業務内容を記載することは、最も基本的かつ重要な項目のひとつです。一日の業務で何を行ったかを具体的に記述することで、自身や上司が実際の仕事内容や進捗を正確に把握できるようになります。

さらに、要した時間や得られた成果、当日発生した問題点もあわせて記載するのがおすすめです。例えば、どの業務にどれだけの時間がかかったか、どんな成果や課題があったかを明記することで、業務の効率性やボトルネックを把握しやすくなります。このような詳細な記録は、進捗管理や今後の業務改善、問題解決にも役立ちます。

目標の進捗・達成率

業務日報には、目標の進捗状況や達成率も具体的に記録しましょう。目標達成に向けた取り組みや現状を明確に「見える化」することは、個人やチームの成長や業務改善に直結します。

例えば、日報の中で自分が設定した目標や担当しているプロジェクトの進捗を、具体的な作業内容や到達ポイントを挙げて報告します。「どの業務を、どこまで進められたのか」を明記することで、上司や関係者も現状を正しく把握でき、次のアクションにつなげやすくなります。

また、目標の達成度をできるだけ数値や割合で表現するのが効果的です。定量的に報告することで、業務の進捗状況を客観的かつわかりやすく共有でき、チーム全体の意思疎通や評価がスムーズになります。

さらに、進捗が遅れている場合や未達成の部分については、現状の課題やその原因、今後どう改善するかを記載するとよいです。こうした振り返りが、その後のアクションプランやサポートの必要性を明らかにし、早期の問題解決や継続的な成長につながります。

業務に関する所感

日報には単なる進捗や結果だけでなく、業務の中で自分の感じたことや学んだこと、現場で気づいた改善点などを記録しておきましょう。そうすることで、現場のリアルな課題やアイデアを組織全体で共有でき、よりよい運用や業務改善のきっかけになります。日々の業務がより有意義なものとなり、チーム全体の成果や活性化にもつながります。

また、日々の業務で感じた疑問や悩み、上司に相談したいこと、ほかのメンバーと共有すべき情報を日報に簡潔に書いておけば、報告・連絡・相談がスムーズとなります。忙しいときでも日報を通じ、気軽にコミュニケーションのきっかけを作ることが可能です。

【パターン別】日報の書き方の例

それでは、具体的にどのように日報を書けばよいのでしょうか。以下では、パターン別に日報の書き方を解説します。

時系列に沿って書く場合

日報を時系列に沿って書く場合は、一日の業務を「何時から何時に、どの業務を行ったか」と時間を追って具体的に記述することが基本です。これにより、業務の流れや使った時間、重要な出来事が一目で把握できるようになり、後から振り返る際や、報告を受ける側にとっても理解しやすくなります。 以下のような構成に沿って記述すると、整理しやすくなります。

・本日の業務内容(時系列)
「〇〇時~〇〇時:会議出席」「〇〇時~〇〇時:資料作成」など、業務を時間順に記録します。業務の流れや時間配分が明確になり、自己管理や報告の正確性向上につながります。

・本日の業務内容(要約・抜き出し)
上記の業務内容の中から特に重要な項目や成果を抜き出し、要点を簡潔にまとめます。読み手が全体像を把握しやすくなるため、報告の効率化にも有効です。

・所感
その日の気づき、課題、改善点、次回に活かしたい工夫などを簡潔に記載します。自分自身の振り返りだけでなく、チームへの共有・改善提案としても役立ちます。

なお、テンプレートやフォーマットを活用する場合は、ExcelやWordで「時間」「内容」「重要ポイント」「所感」などの欄を準備し、日々同じ枠組みで記録しましょう。これにより、記載漏れや項目のバラつきも防ぎやすくなります。

重要な点だけを書く場合

重要なポイントだけをまとめるPDCA(Plan=計画、Do=実行、Check=評価、Action=改善)パターンの日報は、業務効率化や課題改善に直結しやすい特徴があります。業務改善の継続やチーム全体の成果向上にも役立つことが多く、多くの企業で推奨されています。以下のような構成に沿って記載することで、簡潔かつ実用的な日報になります。

・本日の業務内容
数ある業務の中から報告すべき重要な作業をピックアップします。

・所感
PDCAの要素で整理します。

「本日の業務内容」欄には、すべてを羅列するのではなく、成果や共有すべきインパクトの大きい業務のみを箇条書きで記載しましょう。要点が明確になります。

「所感」は、以下のような流れに沿ってまとめるのがポイントです。

  • P(計画):設定した本日の目標や重点タスク
  • D(実行):実際にやったことの事実
  • C(評価):よかった点・課題・進捗の評価
  • A(改善):次回に向けての具体的な改善策やアクション

また、「何ができたか」「どこを改善すべきか」を明示し、抜け漏れや無駄な記述を避けるよう心がけましょう。そうすることで、上司やチームへの報告・共有もスピーディになります。

PDCAサイクルを意識して書く場合

日々の業務そのものを、PDCAの流れで整理する書き方もあります。この方法は、継続的な業務改善や成果向上に直結する方法として知られており、さまざまなPDCA形式のテンプレートが各種ビジネス現場で活用されています。 一般的なものとしてよく使われているのは、以下のような構成です。

・本日の目標(Plan)
業務開始時にその日の目標や計画(数値目標や達成したいタスクなど)を具体的に設定しましょう。(例:○○件対応する、△△資料を作成する など)

・本日の業務内容(Do)
上記目標に基づき、実際に取り組んだ内容や実績を時系列・箇条書きなどで記録します。計画と実績の差分や、計画外で発生した事項も記載するのがおすすめです。

・所感(Check)
活動結果を受け、よかった点・課題・予定とのギャップを整理しましょう。

・残課題や次のステップ(Action)
Checkで見つかった改善点、対応策、明日以降に取り組むべきタスクなどを具体的に書き出しましょう。

「活用できる日報」に変えるなら、電子化がおすすめ

業務日報を「活用できる日報」にするためには、電子化が非常に効果的です。電子化することで、単なる報告書に留まらず、日々の業務改善や迅速な問題解決にも役立つ日報へと変わります。

なぜなら電子日報は、具体的な業務内容や進捗率・達成率、成果、課題や次のアクションを明確に記録・集計しやすい環境を提供してくれるからです。紙やメールでの運用よりも手軽に日報のフォーマットを統一できるため、必要な情報が漏れなく整理されます。

また、現場で起きていることをリアルタイムに把握できるのも大きなメリットです。電子化すれば、日報が即時に上司へ共有されます。上司が即日閲覧できれば、問題点を早期発見・対応できる体制も実現しやすくなります。

以下では、より具体的な電子日報のメリットについて、それぞれ詳しく解説します。

日報の内容を集計・分析しやすくなる

電子化された日報は、「キーワード」や「期間」などで簡単に検索・抽出が可能です。例えば、「特定案件の進捗」や「特定期間の作業状況」など、知りたい情報を瞬時に見つけて集計できます。

また、集めた日報データをもとに、自動でグラフや表を作成することも可能です。進捗率や達成件数、課題の推移といった数値データを一目で確認できるビジュアル表示が容易になるため、分析や会議資料の作成にも役立ちます。 さらに、こうした日々蓄積される日報情報の集計・分析は、業務プロセスの傾向やボトルネックの把握にもつながります。

記入ミスや漏れを防ぎ情報の精度が上がる

電子日報では入力フォームが事前に決められていることが多いため、誰が記入しても同じ項目がそろい、報告内容の抜け漏れを防げます。

また、必須項目の設定によって、重要な情報が未記入のまま提出されることがなくなります。日付や数値などには入力規則やフォーマット制限がかけられているのもポイントで、これにより記入ミスや形式のバラつきを防止できます。 さらに、入力内容がすべて定型化されるので、誤記や解釈の違いが起こりにくく、情報の正確性が高まります。

画像や動画などを添付することで情報を正確に共有できる

電子化された日報では、画像や動画などのファイルを手軽に添付できます。そのため、テキストだけでは伝えにくい現場の様子や問題点を、画像や動画で視覚的に示し、よりわかりやすい形で共有できます。これにより、担当者間やチーム内で受け取り方の違い・誤解が生まれることを防ぎ、正確な情報伝達が実現します。特にトラブル発生時などは、その場の状態を記録した画像・動画が状況証拠となり、原因究明や客観的な説明資料として役立ちます。

現場の状況をリアルタイムで把握できる

電子日報であれば、その内容が即時に上司や管理者に共有されます。どこにいてもリアルタイムで現場の情報を把握できるため、確認待ちのタイムラグが発生しません。複数の拠点や現場であっても、最新情報をクラウド上に集約することが可能です。このメリットは、特に緊急性の高いトラブルや重大な報告において、その初動対応や判断スピードに大きく貢献します。

また、日々の報告内容をリアルタイムでチェックできる環境は、小さな異変や課題がキャッチされやすくなるため、報告を見落とすリスクも大幅に低減されます。

ペーパーレス化によりコスト削減や環境負荷低減に寄与する

日報をペーパーレス化すれば、紙の消費を大幅に抑えられます。その結果、印刷やコピーにかかるコスト、保管スペース、設備費用を削減できます。紙やインクといった資源の消費の抑制は、廃棄物の削減ひいては地球環境への負荷の低減に寄与し、環境に配慮した持続可能な業務運営の推進につながります。

まとめ

日報は日々の業務内容を記録するだけでなく、目標進捗の可視化、課題の早期発見と解決、そして個人のパフォーマンス向上に不可欠なツールです。自己分析やナレッジ共有、チーム内のコミュニケーション促進にも寄与します。特に、PDCAサイクルに沿った記録は、業務改善を加速させるのに有効な方法のひとつです。

日報を電子化すれば情報の精度が向上するだけでなく、集計・分析が容易になる、画像・動画を添付して情報を補完できる、リアルタイムでの迅速な対応が可能になる、ペーパーレス化によるコスト削減になるなど、多くのメリットを得られます。

より効率的に日報を運用したいという方は、電子化をぜひ検討してはいかがでしょうか。

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