Claude (クロード)とは?特徴や使い方、価格を解説

公開日: 2025.06.09

Claude(クロード)は、文章作成や翻訳、要約、プログラミング支援など、多岐にわたる業務に対応するチャット型生成AIです。本記事では、業務効率化のために生成AIの導入を検討中の企業担当者に向けて、Claudeの特徴や始め方、料金プラン、使用時の注意点について解説します。

※本記事は2025年5月現在の最新情報に基づいています。

ChatGPTと並ぶ高性能なチャット型生成AI「Claude(クロード)」

Claudeとは、米国OpenAI社が開発したChatGPTに引けをとらない、高性能なチャット型生成AIです。人間の言語を正確に理解し、文章を作成する「大規模言語モデル」を基盤としており、自然な対話を通じて文章作成や翻訳、要約、プログラミングコードの生成など、幅広い業務に対応します。

また、Claudeは安全性と倫理性に重きを置いた生成AIツールです。有害な要求に対して拒否する設計とAIに倫理原則を学習させたことで、有害なコンテンツを生成するリスクが低減されています。

利用形態は、PC向けのWebブラウザ版に加えて、iOSとAndroidの両方でアプリ版が提供されており、シーンに応じた使い分けができます。さらにSlackなどの外部サービスとも連携でき、業務効率化を図ることが可能です。

開発元は米国Anthropic社(アンソロピック)

Claudeを開発したのは、米国のAnthropic社です。Anthropic社は2021年にChatGPTを手掛けたOpenAIの元メンバーたちによって設立されました。同社では、AIの安全性や透明性を重視し、社会から信頼されるテクノロジーの実現に向けて、研究・開発を進めています。そして2023年3月Claudeを一般公開し、現在に至るまで複数回のアップデートが実施されています。

注目を集めた背景

Claudeが注目された理由のひとつは、最上位モデルの「Opus」が、当時最先端とされたChatGPTの「GPT-4」程度の性能を低価格で実現したことです。
また、当時の生成AIは日本語対応しているものでも不自然な表現が残りがちでした。しかし、Claudeは自然な日本語で文章をアウトプットするため、国内で話題を集めました。

例えば、オウンドメディアやSNSなどで生成した文章をそのまま使用したい場合、Claudeの自然な日本語表現は大きな強みとなります。日本語の違和感に不満を抱いていた方こそ、一度試してみる価値のあるツールです。

最新モデル「Claude 4」

Anthropic社は米国時間2025年5月22日に、Claudeの最新モデル「Claude Opus 4」および「Claude Sonnet 4」を発表しました。
Claude Opus 4は、Anthropic社の製品の中で最も有能なモデルであり、より高度で複雑なタスクに対応します。一方のClaude Sonnet 4は、Claude Sonnet 3.7の後継モデルで、Opusと並ぶ高機能でありながらも優れたコストパフォーマンスを実現したバランスのとれたモデルです。どちらも既存モデルよりも高い能力を持ち、作業効率向上に寄与します。

Claudeの特徴

自然な日本語の生成ができる

Claudeは、人間が書いたかのように自然で流ちょうな日本語文章を生成します。具体的には、従来の生成AIにありがちな機械的でわかりにくい表現が少なく、感情やニュアンスに配慮した人間らしい言い回しをしてくれます。多様な表現を用いて情報を的確に伝えられるので、ビジネスレポートや論文はもちろん、クリエイティブな文章作成にも活用しやすいです。

またClaudeは、会話の中で特定の役割を担うことも可能です。役割の詳細を提供することで適切かつ自然な会話ができるため、カスタマーセンターなどの業務にも応用できます。このようにClaudeは自然な日本語のやり取りで、幅広く業務をサポートしてくれる信頼性の高いツールです。

膨大な分量の文章を要約できる

Claudeはほかの生成AIよりも大量の文字数(トークン)を一度に処理できます。例えば、研究論文や議事録、小説などを読み込み、短時間で重要なポイントを抽出できるため、情報収集や分析、要約、翻訳にかかる時間を大幅に削減できます。

さらにPDFやWordなどのテキストファイルも処理でき、複雑な文書も正確に把握するため、さまざまな分野の業務効率向上に大きく貢献します。

プログラミングコードの生成も行える

Claudeは、Python、JavaScript、Javaなどさまざまなプログラミング言語のコードを生成できるため、エンジニアの作業効率を大幅に向上させます。さらにコードの自動補完、デバッグ支援、エラーチェック、テストの自動化などの機能も備えているため、コードの品質アップも見込めます。

Claudeの使い方

Claudeを利用する際には、無料版でもアカウント登録が必要です。ここでは、Webブラウザ版のClaudeの始め方について順を追ってわかりやすく解説します。

なお、Claudeの利用は18歳以上であることが条件です。また、登録にはSMS認証が必要となるため、お使いのスマートフォンを手元に用意しておきましょう。

1. 公式サイトでアカウントを作成する

Claudeのログイン画面スクショ

WebブラウザでClaudeの公式サイトにアクセスします。その後、画面中央の空欄に登録に使用するメールアドレスを入力し、「Continue with email(メールで続ける)」をクリックします。

Googleアカウントで登録する場合には「Continue with Google」をクリックします。複数のGoogleアカウントがある場合には、アカウント一覧が表示されるため、使用するGoogleアカウントを選びましょう。

▼Claude公式サイト
https://claude.ai

2. 認証と初期設定を行う

Claudeのログイン画面スクショ

登録したメールアドレスにAnthropic社からのメールが届いたらメール内の「Sign in to Claude. ai」をクリックします。登録状況によっては、メールアドレスに届いた認証コードを入力することで、次の画面に移ります。

Claudeのログイン画面スクショ

「私は18歳以上であることを確認します」をチェックします。なお、Googleアカウントでログインした場合は認証ステップは無く、直接こちらの画面に遷移します。

その後、希望の料金プランを選び、ユーザーネームの入力や興味のある分野への回答などの初期設定を終えると、Claudeの利用を開始できます。

Claudeのログイン画面スクショ

また、最初は上記のようなアイデアが紹介されます。選択をすると選択したアイデアに関する内容を紹介されますが、新規チャットを選べば最初からプロンプトを入力できるようになります。

3. ログイン後、プロンプトを入力して使用する

Claudeの入力画面スクショ

無料プランでは自動的に「Claude Sonnet 4」モデルが選択され、ログイン後は画面中央の入力欄に質問や指示(プロンプト)を入力することで、Claudeから即座に回答を得られます。

やり取りの内容はすべて履歴として保存され、必要に応じて振り返れます。また画面左下のアルファベットアイコンをクリックし、「言語」の「日本語(日本)」を選択すれば、日本語表示になります。さらにチャットが長くなったり、話題を変えたりしたい場合は、新規チャットを使用することでテーマごとに会話を整理できます。

Claudeの価格・料金プラン

Claudeには、個人向けの「Free」「Pro」「MAX」と、法人向けの「Team」「Enterprise」の5つのプランが存在します。ここではそれぞれのプランの特徴とWebブラウザ版の価格について紹介します。

Claudeの料金プラン表

※価格は為替レートにより変動しますが、ここでは1ドル=約145円で換算して紹介します(2025年5月時点)。

参考:Anthropic 「Pricing」
https://www.anthropic.com/pricing

Free(個人向け)

Freeプランでは「Claude Sonnet 4」を無料で使えます。生成AIを試してみたい方や、簡単な文章作成のサポートにAIを使用したい方などに最適です。ただし、一日の使用回数には制限があります。もし頻繁に使うなら、有料プランの検討をおすすめします。

Pro(個人向け)

Proプランは、Freeプランと比較して約5倍のメッセージ数が利用できます。また、より高度なAI機能が使えるので、効率的に作業を進めたい個人ユーザーやクリエイター、学習者、開発者におすすめです。年間契約の場合、約17%の割引が適用されます。

MAX(個人向け)

MAXプランには、Proプランの約5倍の使用回数を提供する「Max 5x」とProプランの20倍の使用回数を提供する「Max 20x」の2つがあります。どちらもProプランの利用量では足りず、Claudeを主力ツールとして日常的に使う方に最適です。

Team(法人向け)

Teamプランは、Claudeを業務に活用したい5人以上のメンバーで構成された中小企業や団体におすすめです。登録にはビジネスメールアドレスが必要で、GmailやHotmailなどのフリーメールでは登録できません。

Enterprise(法人向け)

Enterpriseプランは、セキュリティやユーザー管理機能を重視する大企業向けに設計されたClaudeの最上位プランです。導入から運用までのサポート体制が整っており、Claudeを安心かつ効率的に活用したい企業に最適です。料金は利用規模や要件に応じた個別見積もりとなります。

Claudeを使用する際の注意点

ほかのAIツールにも共通することですが、Claudeを使用する際には、その出力結果をそのまま信じるのではなく、情報の正確性や倫理面に十分配慮することが重要です。ここでは、Claudeを安全かつ有効に使うためのポイントを紹介します。

多言語対応していない部分がある

多くのAIツールと同様にClaudeも日本語対応していますが、公式サイトや操作画面は英語が基本です。ブラウザ版であれば翻訳機能で日本語表示もできますが、誤訳している可能性もあるため注意しましょう。

また、高度な自然言語処理能力を持つClaudeですが、それでも完璧ではありません。Claudeはあくまでも業務をサポートする生成AIです。最終的な判断や重要な意思決定はClaudeに任せず、必ず人間が行うことが大切です。

ハルシネーションを避けるため事実確認を

「ハルシネーション(Hallucination)」とは、日本語で「幻覚」という意味です。生成AIを利用しているとまるで本当のような誤情報を生成することがあります。この「一見正しい情報に見えるもっともらしい嘘」を生成することからこの名が付けられました。

Claudeのような高度な生成AIであってもハルシネーションは発生します。そのため、生成された回答に誤りがないかを必ず確認することが大切です。特に最新情報を扱う場合、Claudeで用いられる知識はある時点までの情報に基づいているため、最新情報ではない可能性があるので注意が必要です。例えば、Claude 4 Sonnet、Claude 4 Opusは、2025年3月時点の情報で構成されています。

また、ユーザー側のITリテラシーを高めることも重要です。生成された情報をうのみにせず、必ずファクトチェックを行うなどのルールをつくることで、信頼性の高い情報活用へとつながります。

安全に使うためのルールづくりが必要

生成AIを安全に活用するには、明確な運用ルールの整備が欠かせません。例えば、「社内機密や個人情報をプロンプトに入力しない」といった基本的なガイドラインの策定が必要です。

また、Claudeが自社のセキュリティポリシーに適合しているかどうかも、事前に確認すべきポイントです。そして利用時にはデータの匿名化や暗号化、アクセス制限などを活用したセキュリティ対策が求められます。こうしたルールとセキュリティ体制の構築が、安全かつ効果的なAI導入の土台となります。

まとめ

Claudeは、Anthropic社によって開発された高性能なチャット型生成AIです。自然な対話を通じて、文章作成や翻訳、要約、プログラミング支援など、さまざまなタスクをサポートしてくれます。Claudeの特徴は、日本語の生成に優れ、AIツールの中でも高いレベルで安全対策が施されているところです。そして料金プランには個人向けと法人向けがあり、使用目的や頻度に応じて選べます。Claudeを導入する際は、適切な運用ルールを整備し、安全かつ効果的に活用しましょう。

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