導入のポイント
| 導入目的 | 顧客と社内双方のシステム操作説明を仕組み化し本業に集中する |
|---|---|
| 課題 | ① 顧問先のクラウドシステム導入で顧客からの操作問い合わせが急増していた ② 資料の個別作成で説明品質がばらつき、工数も膨大になっていた ③ 社内では新入職員への教育負担が大きく事業拡大のボトルネックに |
| 効果 | ① 顧問先のクラウドシステム導入で顧客からの操作問い合わせが急増していた ② 資料の個別作成で説明品質がばらつき、工数も膨大になっていた ③ 社内では新入職員への教育負担が大きく事業拡大のボトルネックに |
社労士法人 労務サービスは、顧問先のDX化に伴うクラウドシステムの操作問い合わせが急増し、本来注力すべき労務相談業務の時間に集中できなくなるという課題を抱えていました。そこでTeachme Bizを導入し、顧客向けのシステム操作マニュアルをURLで共有する仕組みを構築。さらに、マニュアルを守るべき社内規程として「就業規則に明記する」という独自のアプローチで社内への浸透も図りました。
「問い合わせ対応時間を約20%削減」し、ベテランの知見を組織の資産へと変えた取り組みについて、代表社員の高橋謙一様、職員の柳千歳様、利根川和樹様にお話を伺いました。
お話を伺った方々
高橋 謙一 様 代表社員/社会保険労務士
柳 千歳 様 労務監査人
利根川 和樹 様 社会保険労務士
「一気通貫労務」を掲げ、労務とシステムの両面に精通した社労士法人
―――はじめに、御社の事業の特長や強みについてお聞かせください。
高橋様(以下、敬称略) 当事務所は「一気通貫労務」という文言を商標登録し、労務関連システムの導入から運用、労務相談まで一貫したサービスをお届けすることを理念に掲げています。労務関連システムの導入支援を専門とし、労務とシステムの両面に精通したメンバーが揃っています。職員はほとんどが社会保険労務士の国家資格を持ち、全員が給与計算実務能力検定1級を取得。勤務形態はフルリモートを基本とし、専門性の高い少人数チームで各地の顧問先をサポートしています。
―――社会保険労務士業界の現状について、どのように変化しているとお考えですか。
高橋 DXやAIで業界は二極化しています。いまだタイムカード運用で法改正に追いつけず取りこぼしが起きている会社がある一方で、従業員がAIで給与明細や就業規則を分析して会社へ問い合わせをするケースも急増しています。その両端を支援するのが社会保険労務士の役割であり、ニーズが高まっていると感じます。

マニュアルによる組織変革を牽引されている高橋 謙一 様
DX化が呼び込んだ操作問い合わせの急増が、本来の労務相談を圧迫
―――Teachme Biz導入以前、どのような課題があったのでしょうか。
高橋 顧問先のDX化を伴走支援していくなかで、特に勤怠システムの導入で状況が大きく変わりました。会計や給与のシステムは担当者だけが使えばよいのですが、勤怠は全従業員が使うものです。導入直後は操作に慣れるまで社内問い合わせが集中し、それが最終的に当社に回ってくる事態に。労務業務を楽にするために入れたはずのシステムが、かえって問い合わせ対応の時間を増やす結果になってしまいました。しかもその問い合わせは、同じ内容の繰り返しや基本操作に関するものが大半だったのです。
―――現場ではどのような苦労がありましたか。
柳様(以下、敬称略) システムの説明は電話やZoom、メール手順の打ち込みで1件あたり30分から1時間はかかり、1日の労働時間のうち1時間以上を問い合わせ対応に取られることも珍しくありませんでした。

マニュアル作成を中心となって着手・推進している柳 千歳 様
利根川様(以下、敬称略) 私はスクリーンショットを赤枠で囲んだものをメールで送っていましたが、お客様が引っかかるポイントはだいたい同じで、何度も同じようなものを作る状況でした。新入職員への引き継ぎでも、複数のシステムを対面で伝える負担が相当なものでした。

顧客対応の最前線で業務に取り組む、利根川 和樹 様
高橋 社会保険労務士の国家資格を持つ職員が入社しても、実務の進め方はまた別ものです。顧問先によって対応方法が異なりますし、また年末調整のように年1回しかない業務もあり、一通り経験するのに2〜3年はかかります。人の面で事業拡大のボトルネックになっていると強く感じていました。
「マニュアルは職場のルール」 就業規則に明記して浸透を図る
―――Teachme Bizに決めた理由をお聞かせください。
高橋 懇意の会計事務所の所長から「マニュアルを作るのが楽しくなるシステムがある」と紹介されたのがきっかけです。
Teachme Bizをトライアルで体験すると、入力文字数に上限があり画像を必ず添えるステップ構造で、手順が自ずとわかりやすくまとまる。何度もマニュアル作成に失敗してきた経験から、「この制約こそが重要」と実感しました。URLを送るだけで最新版を共有でき、「現場でどう使われるか」までイメージできたのが決め手でした。
―――社内への浸透のために工夫された点を教えてください。
高橋 マニュアルを単なる道具ではなく、組織の新しいルールとして根付かせる必要がありました。ただ入れるだけでは既存のルールに弾かれてしまうので、「就業規則と同じ重み」を持たせるため、就業規則の一項目として明記しました。
さらに「誰が作ったか」という権威付けも重要で、最も経験のあるベテラン職員を作成担当にアサイン。その職員が担当する顧問先の一部を私が引き受け、空けた時間をマニュアル作成に充ててもらいました。既存業務の代替として組み込むのがポイントでした。
―――現在、どのようなマニュアルをどのように共有されていますか。
高橋 現時点で約260本を整備しています。顧客向けには、給与計算システムや勤怠管理システム、労務管理(手続き)システムなどの操作マニュアルを顧問先ごとに用意し、URLで共有しています。共通のベースをコピーし、顧問先の設定項目に応じてカスタマイズ作成する運用です。
社内向けには、基本の業務フローや顧客対応の問答集、新入職員オリエンテーションなど幅広く整備しています。

労務サービス様での、Teachme Bizの運用体制
―――定量的な効果について教えてください。
高橋 当事務所では業務アプリ職員一人ひとりの業務時間を会社別・業務別に記録しています。Teachme Biz導入前と2026年時点を比較したところ、問い合わせ対応時間は約20%削減。1人あたり月間で約6時間40分の余力が生まれている計算です。1件あたりの案内時間も、導入前と比べて平均5分短縮できています。
―――現場として、どのような変化を実感されていますか。
柳 以前はZoomで画面共有しながら説明していたものが、今はURLを送って「こちらをご参照ください」で済みます。時間の削減効果は半減どころではなく、それ以上だと感じています。社内でも「わからないことはまずTeachme Bizを見る」という風土が育ち、マニュアル例を社内チャットへ自動定期配信する仕組みも整えて、職員が自分で探しに行ける環境ができています。
利根川 新入職員の教育や業務の引き継ぎでも効果を感じています。自身でマニュアルを見たうえで50%くらいは理解した状態で引継ぎに入ってもらえるので、教える側のレクチャー時間が短くなっています。少人数で業務を抱えながら教育もしている現場では、この差が大きいのです。

マニュアル作成は最も経験のあるベテラン職員が担当。視覚的にもわかりやすい工夫が盛り込まれている。
―――顧問先様からの反響はいかがですか。
高橋 ある介護事業所様は、複数の拠点あり、職種によって勤務形態が異なるため、勤怠システムの運用ルールが拠点ごとに違っていました。そこで、共通のマニュアルをベースに、拠点ごとの差分だけをカスタマイズして提供したところ、通常よりも質問が格段に少なくスムーズに導入が進みました。お客様からも「従業員からの問い合わせをマニュアルがカバーしてくれた」という声をいただきました。
加えて、これは当事務所側のメリットになりますが、マニュアルを「納品物」として提示できるようになったことも大きいです。これまで線引きが曖昧になりがちだった導入プロジェクトの完了時点を明確に区切れるようになり、請求タイミングを早めることができました。
AI時代の架け橋としてマニュアルを資産化し、労務監査という新領域へ
―――創出された時間をどのような業務に充てていますか。
高橋 企業の労務コンプライアンスをチェックしトラブルを未然に防ぐ「労務監査」やAI起点の問い合わせ対応など、付加価値の高い業務に充てています。法改正が細かくなり、従業員側がAIを使って自社の環境を分析する時代において、「労務監査」は事務代行の先にある、今後の事務所の柱として育てたい領域です。2026年には豊島区の「ワークライフバランス推進認定企業」にも選出され、子どもの看護休暇の有給化など柔軟な働き方も整えています。
―――Teachme Bizへの今後の期待をお聞かせください。
高橋 マニュアルは、AIの社会に移行するための「架け橋」になると考えています。業務手順を言語化してマニュアルに落とし込むことで、AIに業務を任せるための「データ資産」になります。将来的にはTeachme Biz上のマニュアルをAIが読み取り、実務を代行する「マニュアル特化型AI」を期待しています。マニュアルさえあれば中小企業もAIの恩恵を受けられるようになります。
私たちは、そうして「作業」から解放された時間を、人と向き合うコンサルティング業務に充てていきたい。マニュアルをAI社会への土台にすることで、社会全体を次のステージへ引き上げてくれることを期待しています。
―――最後に、マニュアル整備に悩む企業へメッセージをお願いします。
高橋 AI社会に早く移行できた会社が、業界で大きな差をつけると考えています。今のうちにマニュアル整備を進めることが不可欠で、ベストは私が検討した限りTeachme Bizです。見えないルールを整えることは、もはや経営者にとって必須の取り組み。先にやった人ほど、その効果を大きく得られると思います。
また、これまで培ったノウハウを1社だけで留めてはいけないと感じています。東京商工会議所でマニュアル活用のセミナーを開催するなど、地域全体のDX推進にも積極的に取り組んでいます。Teachme Bizで蓄積した知見を他社にもお伝えすることで、中小企業全体の底上げに貢献したい。マニュアル整備の成功事例が広がることで、地域の労務リスク低減にもつながると信じています。

代表・高橋様が講師を務めるDXセミナー。ノウハウを共有し、中小企業のDX推進に貢献。
※掲載している内容、所属や役職は取材を実施した2026年4月当時のものです。
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https://biz.teachme.jp/casestudy/roumuservice/ (事例動画なし)
会社概要
| 会社名 | 社会保険労務士法人 労務サービス |
| URL | http://www.roumu-center.jp/ |
| 所在地 | 東京都豊島区南池袋2-47-6 パレス南池袋305 |
| 事業内容 | 社会保険・労働保険手続き代行、給与計算代行、労務相談、就業規則作成、HRテクノロジー(マネーフォワード、SmartHR等)導入支援など。「一気通貫労務」を理念に、システムと労務の両輪で顧問先のDX化を伴走支援している。 |
