「ゆかり®」や「瀬戸風味®」といった、人気ふりかけでおなじみの三島食品株式会社様。広島工場を中心に国内外に4拠点を構え、日々多くの製品を生産しています。年々生産量が増加する中、工場内の設備保全や、点検実施後の情報共有の仕組み作りに課題感をお持ちでした。
従来はベテラン社員の経験や勘に依存した保全体制だったため、異常検知後の報告・処理・完了管理が不十分なまま終わってしまうケースも少なくありませんでした。そこで同社は、Teachme Bizに続き、点検業務をデジタル化できる「Teachme Check」を導入。
今回は同社 広島工場長の漆原様、社内の品質や安全保持の役割を担いながらTeachme Checkの推進役を務める内海様に、導入の背景や理由、実際の活用方法、そして導入による効果について伺いました。

三島食品株式会社 広島工場 工場長 漆原孝秀様
まず、貴社の事業内容と、導入の背景にある課題についてお聞かせください。
漆原様 当社はふりかけを中心とした食品メーカーです。創業は1949年で、広島工場は1966年に稼働を開始しました。広島工場を含め国内外に4拠点を持ち、1日あたり約200万食のふりかけを生産しています。安定的な供給を維持するためには、設備の安定稼働が欠かせません。
しかし工場では古い設備を使い続けており、これまではベテラン社員が経験や勘に基づいて保全を担ってきました。
特に、紙で点検をしていた時は、部門ごとに運用の差が大きく、点検の質にばらつきが生じていました。その結果、点検をしている「つもり」で終わってしまい、ドカ停(生産設備における1時間以上の停止)が発生するといった事例も起きています。さらに、設備が停止した後に「実は以前から不具合を把握していた」と判明するケースもあり、生産に大きな影響を与えていました。
予防保全は自然と行われていましたが、技能の継承が難しく、属人化してしまっていたことが大きな課題だと感じていたのです。
内海様 現場での情報共有も十分と言える状況ではなかったですね。以前は電話や口頭でのやりとりが中心で、報告の遅れや伝達漏れが発生していました。小さなトラブルについては職場内だけで処理されることも多く、管理者が把握できなかったり、異常やトラブルが解決したのかどうかの報告が不十分だったりすることも課題でした。

三島食品株式会社 広島工場 安全安心担当 内海章友様
点検業務のデジタル化を再始動。現場・管理側どちらも使いやすく、Teachme Bizとの連携も期待
Teachme Checkの導入を検討し始めた理由を教えてください。
漆原様 ちょうどスタディストがTeachme Checkをリリースしたタイミングと当社のニーズが合致したことが、導入を検討するきっかけでした。マニュアル作成において活用していたTeachme Bizとも連携できるため、教育や技能伝承につながることにも期待していますね。また、点検業務の質を高め、さらに現場でも使いやすいサービスだと考え、導入の検討を始めました。
内海様 以前は別の点検ツールをメインで利用していましたが、実はあまり現場には浸透しませんでした。搭載されている機能は豊富であっても、現場メンバーにとっては「難しい」という印象が強く、その点が活用のボトルネックになっていたのではないかと考えています。
その点、Teachme Checkはシンプルで誰でも使いやすく、報告から完了までを一元的に管理できる点も魅力です。これまで抱えていた小さな異常やトラブルを把握できないという課題も、「チケット機能」を使うことで解消できるのではないかと感じました。
最終的にTeachme Checkを選ばれた理由は何でしょうか。
内海様 買い切り型のサービスも検討しましたが、初期投資が数百万円から一千万円単位と高額で、当社のDX化の進度を考えると現実的ではありませんでした。その一方で、Teachme Checkは初期費用を抑えて、スモールスタートできるという点が導入する決め手になりましたね。
また、アプリ型では端末の制約がありますが、Teachme Checkはブラウザ型で既存のスマホやタブレットをそのまま利用できます。セキュリティを維持しつつ運用できるのも安心です。そして、ささいな異常でも簡単に報告できるチケット機能があるため、管理者側がしっかり状況を把握できる点も高く評価しました。

点検時にはタブレットでチケットを発行し報告
写真マーキング機能で報告精度が向上
導入後の使用感についてお聞かせください。
漆原様 チケット機能により現場からの報告を見逃しにくくなったため、より確実に対策を打てるようになってきました。
メール通知機能も見逃し防止につながる機能で、私ども管理者も忘れない仕組みがあるのがすごくいいところだと思っていますね。
内海様 導入後に現場から「これはどうなの?」「どうやるの?」と質問がたくさんくると思っていましたが、意外にもそうした声は少なかったです。むしろ「写真にマーキングできるので分かりやすい」と好評で、細かい不具合も簡単に報告できるようになったと感じています。
これまでは電話で上司を呼び、現物を確認してもらう必要がありましたが、今は画像とマーキングで状況を明確に伝えられます。確認にかかる時間が大幅に短縮され、「細かい部分を何度も説明する必要がない」と現場から嬉しい声も聞こえていますね。

画像のマーキング機能で不具合の箇所もわかりやすく伝える
導入から半年で245件ものチケットが発行。生産量が増加する中、設備要因の停止時間が12%減少
Teachme Checkを導入したことによる、具体的な成果や現場の変化について教えてください
内海様 以前であれば「報告するまでもない」と見過ごされていた小さな変化や気づきが、チケットとして可視化されるようになったことです。導入から半年で245件ものチケットが発行されました。現場担当者が小さな変化などをあげやすくなったことで、不具合などの予兆を把握しやすくなったことはとても良かったです。そのような行動が推奨される環境が組織内でできてきているなと感じています。2ヶ月周期で行う点検の実施率も、導入当初は40%ほどでしたが現在は80%ぐらいまで向上していると体感しています。Teachme Checkの導入効果に加え、全社員が通る事務所前の掲示板に点検状況を一元管理して見せるようにしたことで点検の抜け漏れを減らすことにつながったのではないかと考えています。点検担当が変わることもあるので、その変更にも柔軟に対応できるようマグネット形式で担当者名を入れ替えられるようにもしています。

Teachme Checkの活用と全社員が見る掲示板に点検状況を一元管理。抜け漏れの防止に
また、管理者である私自身も、点検チェックリストの作成や管理にかかる時間が従来のツールと比べて格段に短縮され、作業時間は3分の1~4分の1に減っています。日々の業務が格段に楽になったと感じました。
さらに、生産量が増えるほど停止時間も増える傾向にあった設備要因による停止時間が、半年間で約12%削減できました。もちろん、さまざまな要因はあると思いますが、Teachme Check導入のタイミングから明確に減少しているのは大きな成果だと考えています。

生産量増加に伴い増えていた設備要因の停止時間が減少傾向に
「オーナーズ点検における心得7箇条」でTeachme Checkの活用を加速
現場への浸透に関してはどのような工夫をされましたか?
漆原様 工場を運営するうえで一番大切なのは、機械が健康な状態で動くことです。生産性も重要ですが、その前提として設備が正常でなければ品質の高い製品は作れません。異常を早期に発見し、対応することが最大の使命だと考えています。
そこで、当社では「オーナーズ点検」という取り組みを実施しています。点検を設備課やメンテナンス部門だけに任せるのではなく、日々機械を扱う現場の担当者を「オーナー」とし、責任を持って点検を行います。日々触れている人だからこそ音や感触の違い、洗浄時のわずかなガタつきなど微妙な変化に気付くことができるためです。
「オーナーズ点検における心得7箇条」についてさらに具体的にお聞かせください。
内海様 生産設備を2か月ごとに点検する体制を作り、点検で異常を発見した際にはオーナーがTeachme Checkでチケットを発行します。私は毎日チケットを確認して進捗管理しています。Teachme Checkの通知機能とは別で、社内の連絡ツールなどを用いながら、対応の漏れや滞留を防ぐ工夫をしています。
しかしトップダウンでは浸透しにくいと考え、工場長と一緒に現場の担当者へ直接説明しました。導入の目的や操作方法を丁寧に伝え、質疑応答にも十分な時間を取りましたね。その際に「オーナーズ点検における心得7箇条」を策定し、「小さな異常でも必ずチケットを出す」「分からなければ写真を添える」といった具体的なルールを明示しました。現場が納得したうえでTeachme Checkを利用できたことが、浸透につながったのだと思います。

「オーナーズ点検における心得7箇条」で現場にルールを提示
Teachme Bizと連携し、点検基準の標準化と異常時対応マニュアルの整備へ
Teachme Check活用における今後の展望についてお聞かせください。
漆原様 今後はTeachme Bizとの連携によって、点検基準のばらつきを少なくしていきたいと考えています。標準化が進めば、誰が点検しても一定レベルの精度を担保できますし、教育面でも大きなメリットがあります。
現在は2か月ごとに点検するよう指示していますが、しっかり点検できれば3か月、4か月と間隔を延ばすことも可能になるはずです。最大の目標である「ドカ停20%削減」を実現したいと考えています。
内海様 現状、Teachme Bizは教育用ツールとして利用していますが、今後は点検マニュアルを整備してTeachme Checkと連携させ、点検基準を統一していきたいです。そのようにすることで、より精度の高い点検の実現につなげたいと考えています。
また、異常時対応のマニュアルを整備し、異常を発見したときも現場で完結できる仕組みを目指しています。

Teachme Check と Teachme Biz の連携イメージ
作業者目線を大切にしたサービス開発に引き続き期待
最後に、スタディストに期待することをお聞かせください。
内海様 現在、私はTeachme Checkを管理する立場にありますが、少し前までは現場で点検を行う作業者でもありました。その経験から、多くのソフトが管理者目線に偏っていると感じています。しかし、本当に大切なのは現場で使う人の目線です。極端に言えば、管理者の利便性よりも作業者が「これなら使える」「使いたい」と思えることの方が重要です。どれだけ高機能なシステムでも、現場で使われなければ意味がありません。
だからこそスタディストには、作業者にとっての「使いやすさや納得感」をこれからも大切にしていただきたいと考えています。ぜひ、今後も「現場で役立つ」から「自然に使いたくなる」ツールを開発し続けてほしいです。

