マニュアルと手順書の違いは?作成手順や記載項目など5つの違いを解説

最終更新日: 2024.05.17 公開日: 2019.07.09

マニュアルと手順書の違い

マニュアルと手順書はどちらも業務上、必要な情報を記したドキュメントですが、この2つはさまざまな点で異なっています。それぞれの目的などを混同してしまうと、読み手にとって分かりにくいものになります。本記事では、マニュアルと手順書の概要や役割の違い、作成が必要な理由、作成のポイントなどを紹介します。この記事を読むことで、マニュアルと手順書の違いを理解し、適切に書き分けられるようになります。


マニュアル作成「基本のキ」

目次

マニュアルと手順書の目的の違い

マニュアルと手順書はどちらも「業務」に関する情報が記載されている点では同じですが、「取り扱っている情報の範囲」に違いがあります。以下の項ではマニュアルと手順書について、それぞれの特徴や内容をより詳しく解説します。

マニュアル(業務マニュアル)の目的

マニュアルとは、業務に関するノウハウや業務全体の進行方法をまとめたドキュメントであり、「業務全体の概要や流れ、ルールなど」が記載されたものです。広義には、会社や組織の持つ伝統や従業員の知識などを、形式的な文章(ドキュメント)によって共有・伝承するためのものとされています。マニュアルでは、業務の全体像を理解できるようにまとめるのが基本です。

マニュアルを作成する目的には、業務の効率化や一人ひとりが担う定常業務量の均一化があります。進行方法を統一することで、誰がどの仕事をするのかという責任の所在が明確になります。また、作業の再現性を高めることで、業務品質の向上と安定性、安全性も確保できます。さらに、マニュアルを活用することで、従業員の教育や育成をしやすくなり、業務の安定性や生産性の向上にも寄与します。企業の成長や従業員の転職などに対応するためにも、マニュアルの作成と適切な活用は重要です。

手順書(作業標準書、作業手順書)の目的

手順書とは、作業の工程や単位作業の進め方をまとめたドキュメントです。業界によっては作業標準書や作業手順書、SOP(Standard Operating Procedures:標準作業手順書)と呼ばれることもあります。手順書は主に「業務手順の明確化と平準化」を目的に作成されます。

手順書は、業務内の作業の具体的な進め方が記載されたものであり、作業者が記載内容に従って作業することで、誰がやってもほぼ同じ結果が得られるようになっています。手順書では、業務内の一つひとつの作業に焦点を当て、作業の流れや手順を詳細に明記しています。例えば、何かを切る作業であれば、「どんな道具を使い、どれぐらいの大きさで切るか」といったように、細かく具体的な情報が記載されています。

マニュアルと手順書の役割の違い

マニュアルと手順書では、それぞれ読み手に提示する内容と果たす役割が異なります。両者の主な違いを解説します。

マニュアルの役割

マニュアルの役割は主に2つあります。

ひとつめの役割が、企業内に蓄積された知識やノウハウを文書として残すことです。いくら有用な知識でも、個々人で所有するだけでは、その人の退職などによって失われてしまいます。マニュアルを作成しておけば、社内全体で業務に有用な知識を共有・蓄積し、さらに持続的に発展させていくことができます。

そしてふたつめの役割が業務の標準化です。業務の全体像やルール、作業の流れをまとめることで、業務の内容が明確になり、すべての従業員が経験に関係なく、ほぼ同じ品質で業務を行えるようになります。言い換えれば、マニュアルは業務の属人化を解消するための重要な手段です。

さらに、業務の手順だけでなく、概要や理由、達成すべき目標や品質などを説明している点でも、マニュアルは手順書とは異なります。マニュアルを読めば、従業員は業務の前後にある手続きや影響範囲についても分かるため、適切な行動を取るのに役立ちます。また、業務フローの必然性を把握し、プロセスそのものや作業について理解を深めることも可能です。

手順書の役割

手順書は、従業員に業務の進行に関する具体的な手順や基準を示す役割を果たします。手順書を参照しながら作業を進めることで、能力の差に関係なく、どの従業員でも近い品質で業務を遂行できるようになります。

手順書は、従業員が理解し手順を実践できるように、各ステップが細かく記述されなければなりません。その内容は主に業務内容や進行方法で、マニュアルと内容が重複する場合もありますが、手順書ではより具体的な説明が示されます。

マニュアルでは業務全体の概要や大まかな流れも記載されているのに対し、手順書は業務の作業範囲に情報が絞られ、具体的な作業方法を詳細かつ丁寧に提示する点で異なります。作業方法に焦点を当てていることから、手順書の情報量はマニュアルよりも少なめです。

マニュアルと手順書の記載項目の違い

マニュアルと手順書では、掲載されている情報の粒度やメインに記載される部分が異なります。それぞれの記載項目の違いを解説します。

マニュアルの記載項目

マニュアルには業務の手順はもちろん、業務を円滑に進めるための規定や規則など、総合的な内容が求められます。具体的な記載内容としては、業務全体のプロセスや達成すべき目標、品質の基準、ノウハウ、失敗例、注意点などがあります。作業方法についても全体的な部分はマニュアルに記載しますが、詳細部分は手順書で説明しましょう。

マニュアル(業務マニュアル)とは?

意味 "業務"に関するノウハウと業務全体の進行方法をひとつにまとめたドキュメント
記載すべき
項目
前提情報(事業方針・事業理念・事業内容など)
全体フロー(仕事の流れが把握できる図・注意事項など)
基準(業務の判断基準・合否ライン・目安時間・品質など)

業務全体の情報をまとめるため、マニュアルの作成には時間がかかります。時間に余裕がない場合は、デザインや構成、記載項目がすでに決まっているテンプレートの利用も検討してみましょう。

マニュアルの記載項目については、以下の見出しにある3つの項目が記載されていることが理想です。

1.「前提情報」を定義したもの

業務をスムーズに進めるために必要な前提知識や概念が該当します。(事業方針・事業理念・事業内容・全体のシステム・組織の構成・共有しておく法令・サービス利用者の注意など)

2.「全体フロー」を定義したもの

業務の進め方が該当します。業務には複数の作業や判断が必要になります。そのため、マニュアルには、「仕事の流れが把握できる図・注意事項・処理の方法・イレギュラーな事態への対処法など」が記載されていることが重要です。

3.「基準」を定義したもの

業務の判断基準・合否ライン・目安時間・品質を測る指標などが該当します。一般的に多くの業務は多重構造を持つので、作成前に「仕事をどう分類するか」の目安を決めておくのが重要です。

以下の記事ではマニュアル作成のテンプレートを紹介していますので、参考にしてください。
【保存版】誰でも簡単に業務マニュアルが作成できるテンプレート集をご紹介

手順書の記載項目

手順書に記載するのは、作業の工程や単位作業の進め方です。従業員が業務を進める際、作業の詳細な手順を確認して実践できるように作成します。なお、単位作業とは、ひとりで完結する定型的な作業のことです。

手順書(作業標準書、作業手順書)とは?

意味 作業の工程や単位作業の進め方をまとめたドキュメント
記載すべき
項目
作業の「名前」や「目的」
作業に必要な準備物
基準(作業の時間や合否ライン)
手順の解説と動作ポイント
その他動作時の注意事項など

最低限記載すべきことは以上のような項目です。作業の目的や必要な道具・知識、重要なポイント、目安時間、完了基準などは具体的に記載しましょう。危険を伴う作業がある場合には、注意喚起のために必要な事項を記載することも重要です。

手順の説明は具体的に書くように心がけましょう。曖昧な部分があると、従業員が迷う原因となり、手順書の効果を低下させかねません。文章以外にも、視覚的に理解しやすい写真や動画などの活用をおすすめします。

以下の記事では、手順書をスムーズに作成するための方法を紹介していますので、参考にしてください。
テンプレートを活用した作業手順書作成の方法や目的を解説!

マニュアルと手順書の作成手順の違い

マニュアルと手順書とには内容が重なる部分もありますが、実際に作成する際の手順では、最初の段階に違いが表れます。どちらを作成する場合でも、納期を前提にしたうえで、かかる時間を計算してスケジュールを組みましょう。

マニュアルの作成手順

マニュアルの作成手順では、まずマニュアル化の目的と対象作業の範囲を明確化することが重要です。この点は手順書とは異なります。

(1)目的と対象範囲を決める(対象となる作業を洗い出す)
(2)構成(目次)を作成する
(3)構成通りに内容を作成する
(4)テスト運用を行ってフィードバックを得る
(5)フィードバックを参考にアップデートを繰り返す

最初にマニュアル化の目的を明確にすることは、利用シーンを具体的にし、分かりやすいマニュアルを作成するためには欠かせません。例えば、マニュアルの目的が新人教育にあるのか、業務品質を向上させるためにあるのかでは、記載内容も自ずと異なってきます。

対象となる作業範囲を洗い出す際は、いったんメモにアウトプットしてから整理していくと、対象作業を絞り込みやすくなります。「誰が」「何をするために」「どの作業を記載すべきか」「何の課題を解決すべきか」などを書き出し、構成に落とし込めるよう記載事項を明確化していきましょう。

一連の作業をメモで書き出すことは、業務の見直しにも役立ちます。メモ書きを通して、重複している作業を発見できることもめずらしくありません。重要な部分やミスしやすい部分、注意点がある場合には別途、書き出しておいて、ミスの再発防止や知識の情報共有に役立てましょう。

重要なのは、作成が完了した後も定期的にアップデートしていくことです。現状を反映していないマニュアルの存在は、現場に混乱を生む原因になります。信頼性が低いと判断されれば、個々の従業員が異なる手順で作業を開始する可能性も出てきます。マニュアルのアップデートは必ず行ってください。

以下の記事では、各手順の内容やコツについて紹介していますので、参考にしてください。
マニュアル作成のコツ|作成方法・手順5ステップと運用ポイントをまとめました

手順書の作成手順

手順書の作成手順では、業務完了までに必要な情報を作業の最小単位ごとに最初に洗い出すことが重要です。以下に列挙した(2)構成(目次)を作成する以降の手順については、マニュアルの作成方法とあまり変わりません。

(1)各作業の最小単位を洗い出す
(2)構成(目次)を作成する
(3)構成通りに内容を作成する
(4)テスト運用を行ってフィードバックを得る
(5)フィードバックを参考にアップデートを繰り返す

例えば接客業においては、挨拶の声掛けからはじまり、必要なものの準備、お客様への案内、会計などまで、従業員が行うべき手順を細かく選定し、一つひとつ整理します。実務との食い違いがあると手順書の意味がなくなるため、現場の仕事や従業員の声を聞いて作成することが肝心です。また、読み手がしっかり内容を理解して実践に活かせるように、誰が読むのかを考えながら作成しましょう。

手順書の作成方法や運用の流れについて詳しくは後述します。


マニュアル作成の教科書

マニュアルと手順書の作成における注意点の違い

それぞれのドキュメントを作成する際に注意すべき点について解説します。利用シーンが異なるため、記載する情報の粒度や掲載範囲には特に気をつけなければなりません。

マニュアル作成の注意点

最も注意すべきなのは、マニュアルに細かい作業内容まで記載しないようにすることです。マニュアルには業務全体の情報が記載されているため、ページ数が増えて分厚くなりがちです。そこへさらに細かい手順まで詳細に書き込んでしまうと、テキスト量は膨大になり、結果的に読まれなくなってしまいます。もし文章量が増える場合は、図や写真などの視覚的な要素も活用して説明しましょう。

マニュアルは、大きな単位の業務に関する内容がまとめられたドキュメントです。基本的には、新入社員の入社や人事異動などがあった際に、新しい業務領域の全体像を把握してもらうためのものとして位置づけましょう。日常業務で参照される内容は手順書に細かく落とし込み、マニュアルは読み手が読みやすい分量に抑えるように注意してください。

手順書作成の注意点

手順書の目的は、従業員すべてが質の高い作業工程を再現できるようにすることです。手順書を読めば、誰もが同様の成果を得られるように、読み手目線で分かりやすく記載することが重要です。手順書の内容が読み手にとって分かりにくいと、個々人の理解に差異が生じ、作業の再現性が乏しくなってしまいます。

具体的には、5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように)を満たすように指示を明確化しましょう。必要に応じて写真なども活用すれば、作業すべき動作を明瞭に表現できます。作業に必要な準備物なども詳細に記載します。いずれも、読み手の疑問や誤解を減らし、手順書の効果を高めるために重要です。

手順書を作成しても効果が乏しい場合には、手順書の書き方や、記載された作業手順自体に問題がないかを見直しましょう。作業手順の見直しに際しては、製造業で一般的に利用されている分析手法の活用が役立ちます。この分析手法は簡単にいえば、業務を「工程」「単位作業」「要素作業」「動作」の4段階に分けて分析し、業務に潜むムダを特定するものです。特定できたムダを省けば、業務の手順は効率的になります。手順書を作成する際は、工程または単位作業ごとに記載し、要素作業を「手順」としてステップ化するのがポイントです。

マニュアルや手順書と混合しやすい言葉

手順書と混同されやすい言葉に「取扱説明書」「仕様書」「規定」「手引書」があります。

「取扱説明書」は、「機械やソフトウェアなどの操作方法や取り扱い方」が記された文書です。手順書とは異なり、業務の実現に関する説明は含まれず、主にモノの操作や取り扱い方法に焦点が当てられています。また、取扱説明書が「機械やソフトウェアの利用者」を対象に作成されるのに対し、手順書は「業務の作業者」を対象にして作成される点が異なります。

「仕様書」も機械やソフトウェアとの関連性が高い文書のひとつです。仕様書とは、製品やシステムの機能・性能が具体的に記述された文書のことを指します。特に、製品の設計基準を明確にするために開発現場で使用されます。仕様書は、手順書のように業務プロセスが記載された文書ではなく、取扱説明書のようにユーザー向けの文書でもありません。

「規定」は手順書と同じく、業務の作業者が対象ですが、「作業を進めるうえで守るべきルール、考え方、共有すべき価値観」を記したものであり、具体的な作業手順は記載されていません。両者は作業現場で頻繁に使用される言葉のため、それぞれの違いを理解し、混同しないようにしましょう。

業務の作業者が対象である点では「手引書」も同様です。ただし、手引書に記載するのは、業務の方針や方法などに関するごく大まかな内容に限られます。手引書は、具体的な作業手順に関しては、手順書やマニュアルに比べて個々の従業員の判断に委ねられています。

ここで、あらためてマニュアルと手順書の特徴を確認すると、マニュアルは業務の全体像やフローを把握するために、業務に必要なノウハウや進行方法などをまとめたドキュメントです。一方、手順書では作業のプロセスを解説し、作業の工程や単位作業の進め方について詳しく記載されています。どちらも作業や業務の基準となるドキュメントであり、読む側にとって分かりやすく作成されている必要があります。

「Teachme Biz」は、このような分かりやすさを重視したマニュアルや手順書の作成に役立つシステムです。Teachme Bizを使えば、画像や動画を使ったビジュアルベースのマニュアル・手順書を簡単に作成できます。視覚的に作業手順を理解できるため、分かりやすさが格段に向上します。

Teachme Bizで作成できるマニュアルのサンプル

【サンプル】令和2年分(2020年分) 年末調整等の用紙記入方法

Teachme Bizの詳細が分かる資料もご用意しています。併せてご覧ください。

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分かりやすいマニュアル・手順書を作成するポイント

マニュアルや手順書を作成する際には、「読み手に伝わる表現かどうか」「分かりやすいかどうか」という点が最も重要です。そこで、読み手が理解しやすい書き方について解説していきます。

すべての要素を明確化させる

内容は具体的であることが重要です。具体性を高めるために、5W1Hを意識して作成しましょう。「いつ」「誰が」「どこで」「何を」「なぜ」「どのように」という要素が明確に表現されると、業務に初めて取り組む人にも理解しやすくなります。

要素のうちひとつでも欠けていると、「読んでもよく分からない」「何をすれば良いか自分ひとりで判断できない」といった状況につながる可能性があります。このような事態を防ぐためにも、マニュアルを作成した後は5W1Hの要素がすべて含まれているかをチェックしましょう。

視覚的に分かりやすくする

マニュアルや手順書では視覚的な要素も重要です。文章だけで構成されたドキュメントは分かりにくく、読み手の負担やストレスも大きくなります。写真や図表などを使って視覚的に整理することで、情報はより理解しやすくなります。

例えばマニュアルであれば、フローチャートを導入することも効果的です。直感的に理解できるように工夫し、読者がスムーズに実践に移れるようにしましょう。

手順書の場合は、具体的な操作に関わる画像や動画を使用すれば、分かりやすさが向上します。手順書では作業全体の流れだけでなく、個々の業務をイメージしやすくすることが重要です。

デザインに凝りすぎない

マニュアルを作成する際には、デザインに凝りすぎないように注意しましょう。

情報を分かりやすく伝えるうえで、デザインは重要な要素です。フォントの種類やサイズ、配列、画像など、デザインを整えるだけでも情報はスムーズに伝わりやすくなります。しかし、デザインにこだわりすぎると、作成にかかる時間や労力が大幅に増えてしまいます。その結果、肝心の内容が疎かになってしまうこともめずらしくありません。過度なデザインが、伝えたい情報をかえって遮ってしまうこともあります。

たとえデザインがシンプルでも、読み手に分かりやすく伝わるのなら、マニュアルとしては合格です。読み手は、華美なデザインを楽しむためにマニュアルを開くのではありません。マニュアル本来の目的を見失わないためにも、デザインはシンプルにまとめるのがおすすめです。必要な情報がスマートに伝わることを心がければ、編集作業は遥かに楽になります。

読む相手がいる前提で内容を考える

マニュアルや手順書を作成する際は、読み手がいることを念頭におき、読み手に合わせた内容にすることが大切です。例えば、業務に関する知識が乏しい新入社員に向けて作成するのであれば、内容は新入社員の知識に合わせたものにするといった配慮が求められます。

文章の作成は、業務に関する知識が豊富な従業員に任されることが多いはずです。しかし、経験豊富な従業員が自分の主観のみに基づいて作成してしまうと、相手に伝わりにくくなってしまいます。常に読み手の立場に立ち、客観的な視点で作成することが重要です。

すぐ実行に移せる内容で構成する

手順書の場合は、読み手の行動を促すことが重要です。読んだらすぐに行動してもらうためにも、「作業の内容」「メリットとデメリット」を明確にしましょう。

例えば、仕事の進捗報告の手順を考えてみましょう。この場合、「仕事の進捗状況と評価を報告する」という記載だけでは、具体的に何をどのようにすればいいのか不明瞭な部分が多いです。しかし、「仕事の進捗を毎週金曜日の16時に所属課長へメールで報告し、その後仕事の評価をエクセルに記入する」「評価の基準は、総務部が公表する業務評価基準を参考にする」などと書けば、作業内容がより具体的になり、読み手は行動しやすくなります。

難しい用語を多用しない

特に初心者向けの手順書やマニュアルでは、読み手が理解しやすいように平易な言葉で説明することが大切です。一部の人にしか伝わらない難解な用語や専門用語などは極力使わないようにしましょう。

業務経験が長い人は、意識せずに専門用語を使ってしまうこともあります。しかし、初心者目線ではそうした用語が登場するたびに意味を調べなければならず、読み進めるのが苦痛になってしまいます。マニュアルや手順書は、業界未経験者にも分かりやすい言葉遣いで説明するのが大切です。どうしても専門用語が必要な場合は、注釈を入れるようにしましょう。

以上の点に配慮をすることで、マニュアル・手順書は伝わりやすいものになります。

Teachme Bizは幅広い企業規模や業種で累計数千社の業務効率化をサポートしてきました。Teachme Bizを活用してマニュアル作成の負担を軽減した事例や、研修費用ないし研修時間の削減に成功した事例などをご紹介します。

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Teachme Bizは、マニュアル作成の負担を軽減することはもちろん、マニュアルを従業員教育に活用できる機能や、マニュアルの活用を定着させるためのさまざまな機能が備わっています。Teachme Bizでできることをご紹介します。

詳しい機能を見る

手順書作成から運用までの流れ

ドキュメント作成のポイントと合わせて、マニュアルや手順書を実用するまでの「運用の流れ」を押さえておくことも大切です。一連の流れを理解しておくことで、スムーズに作成を進められます。ここからは業務生産性をより高めるために、手順書にフォーカスし、作成から運用までの流れを確認していきます。また、ステップごとのポイントについても解説します。

マニュアル作成の方法については、以下のページをご参照ください。
マニュアル作成ナレッジー作り方やコツを解説

1. 作業の洗い出しをする

まずは、どの作業の手順書を作成するのか、誰がそれを読むのか、そして何のために作るのかを明確にし、一つひとつの作業に必要な情報を洗い出します。その際には、従業員が実際に働く現場の状況や課題などの作業情報を必ず確認しましょう。

手順書は実際の作業と一致していなければ意味がありません。手順書を作成する際には、現場の作業を目で見て確認することも欠かせません。作業を洗い出したら、抽象的な作業を細かいタスクレベルに分解していきます。作業手順を読めば作業ができるよう、詳細に記述しましょう。

情報の洗い出しをせずに作成された手順書は内容が偏りやすく、記載内容に過不足が生じる可能性が高くなります。作業の洗い出しは丁寧に行い、さらに何を書くべきか、書かないでおくべきかを慎重に選別することが大切です。

2. 手順書の構成を作る

情報を集め終わったら、次に構成を考えます。構成とは、手順書の全体の流れが分かる骨組みのことです。構成を先に決めることで、一貫性のある内容に仕上げられます。逆に、構成を決めずに作りはじめてしまうと、内容がチグハグになったり、伝えたい焦点がぼやけたりしてしまいます。内容の抜け漏れも起こりやすくなります。

構成作りでは、一度洗い出した作業を工程や単位作業に整理し、その後は時系列ごとに区切って、実施すべき手順をリストアップすることがポイントです。場合によっては、生産性向上のために不要な単位作業や手順を削除したり、別の方法を検討したりする必要もあります。伝えたいゴールイメージをもとに構成を作り、シンプルにまとめましょう。

3. 実際に手順書を作成する

作成にあたっては、前章で解説した以下の5つの点を徹底しましょう。

  • 内容を具体的にする
  • 視覚的に伝える
  • デザインはシンプルにする
  • 相手の立場になって作成する
  • 難しい言葉は使わない

この5つのポイントを押さえるだけで、読み手の理解度は大きく向上します。作成中に意識することはもちろん、完成したら5つの項目を再度チェックすることをおすすめします。

また、作業手順はなるべくシンプルに一本化することが望まれます。「Aパターン、Bパターン……」というように手順がいくつも分岐していると、担当者は混乱し、余計なミスや確認作業が多くなってしまいます。

どうしても手順を分岐させる必要がある場合は、フローチャートを使用して図式化すれば、視覚的に分かりやすくなります。また、例外的な手順は、あらかじめ通常の手順と分けて記載すると、見やすさが向上します。

4. 手順書の仮運用・フィードバックする

手順書がある程度完成したら仮運用し、手順書に沿って実際に業務を行ってみます。実行して初めて分かることは少なくありません。いきなり本番で試すと、現場が混乱する可能性も高くなります。そのためには手順書が満足できる状態でなくても、なるべく早めに仮運用することをおすすめします。一回で完成形を目指すより、複数回の仮運用を繰り返して改善していく方が、結果として早く完成度の高い手順書に仕上がります。

仮運用した後は、現場のフィードバックを受けて、手順書の内容に反映させましょう。フィードバックが反映されることで、読み手にとってさらに分かりやすく、現場で役立つ手順書に仕上がります。

5. 手順書は常にアップデートする

手順書の内容は現場の作業が正しく反映されるように、常にアップデートすることが重要です。業務や作業の内容は日々、変わっていきます。例えば、作業で使用している機材やシステムが新しくなれば、作業工程に変化が生じるかもしれません。作業工程の変化を手順書に反映することを怠ると、手順書と実際の作業との間にズレが生じ、思わぬトラブルの発生にもつながりかねません。

作業工程に何らかの変化や問題が生じた場合には、そのつど必要な対策を立てて、手順書の内容を更新することが重要です。上記の例で考えると、新しい機材やシステムの内容にあわせて再度手順を最適化し、手順書の記載内容を更新する必要があります。

手順書には常に修正や改善が加えられるという前提があります。手順書を作成する際には、更新の容易さも含めて作成方法を検討しておけば、後の更新・修正作業が楽になります。いくら完成度が高い手順書でも、修正や更新がしにくければ、運用と改善が滞り、次第に内容の有効性が薄れて、使われなくなってしまうかもしれません。

「作成した手順書をずっと使い続けたい」「手順書の更新を手軽に行いたい!」という方であれば、Teachme Bizの利用を検討してみてはいかがでしょうか。Teachme Bizはクラウド上で手順書を管理し、スマホやPC、タブレットなどお好きなデバイスから手順書を更新できます。Teachme Bizでできることや料金、セキュリティについて分かりやすくご説明した「5分で分かる概要資料」をご用意しました。


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手順書作成と同時に行うべき業務効率化

手順書作成の目的として、業務を効率化し生産性を上げることが挙げられます。当然ながら、生産性を上げる方法は手順書作成だけではありません。手順書作成と同時に、他の業務効率化を行うことも生産性の向上につながります。

業務のムダをなくする

業務効率化において、まず取り組むべきは業務のムダをなくすことです。会社全体の生産性を向上させるには「業務量はそのままに個人の能力を上げる」「個人の能力はそのままにムダな業務を減らす」の2つの方法があります。

個人の生産性を向上させる方法は、最終的に個々のモチベーションに依存することも多く、コントロールが容易でないことが難点です。一方、ムダな業務の削減であれば、個人の意思に関係なく実行できます。「そもそも、この作業は必要あるのか」「どうやったら効率よくできるか」を考えて、不要な業務を減らしていきましょう。

手順書を一通り作成すれば、業務内容の作業ボリュームを俯瞰的に可視化することが可能です。各業務の作業ボリュームが可視化されれば、ムダや改善ポイントが浮き彫りになり、「業務を外部委託する」「RPAで自動化する」といった別の解決手段も検討しやすくなります。

労働時間を管理する

労働時間の管理も業務効率化には効果的です。生産性を低下させる要因のひとつに長時間労働があります。長時間労働にはそのほかにも、残業代や電気代などの経費増大につながるという弊害があります。

長時間労働で従業員の疲労やストレスがたまれば、ミスや事故・病気などのトラブルの原因にもなりかねません。労働時間を区切れば、「限られた時間でどう成果を出すか」「どうすれば業務を効率的に終えられるか」などの工夫をする土壌が育ちます。長期的な視点に立ち、労働時間を短くすることも検討してみることをおすすめします。手順書によって可視化された作業内容をもとに、適正な労働時間を試算してムダを省くなど、手順書から得られる副次的効果があります。

シングルタスクを心がける

ミスを減らし、作業効率を上げるためには、シングルタスクを心がけることが重要です。シングルタスクとは、ひとつの作業に集中することを指します。他方で、複数の作業を同時並行でこなすのがマルチタスクです。実はマルチタスクは、生産性を下げる大きな要因といわれています。

人間の脳が一度に処理できる情報量は限られています。複数の業務を並行して行うマルチタスクは集中力の低下やケアレスミスの増加、作業スピードの低下などを招き、業務に悪影響を与えます。従業員がひとつの作業に集中できる環境を整えるためにも、「メールの確認時間をあらかじめ決める」「急用以外は話しかけない」などといったことは大切です。

ここまでに紹介した業務効率化の方法やテクニックは、手順書の活用とあわせて取り組むことによって、相乗効果を得られることが期待できます。業務効率化については以下の記事でさらに詳しく解説していますので、参考にしてください。

参考:「業務効率化のアイデア10選 進め方と成功のポイントを解説」

マニュアルと手順書に違いはある?まとめ

マニュアル/手順書作成にあたるITツールの導入について

業務効率化にはITツールの導入も効果的です。書類の作成方法や管理方法などにITツールを導入するだけで、大幅な業務効率化につながるケースは少なくありません。本来必要な作業時間を短縮できるため生産性が向上することはもちろん、紙や印刷代などのコスト削減にもつながります。

今回紹介した手順書作成にもITツールの導入は効果的です。例えば、クラウド型のプラットフォームを使えば簡単にシンプルで分かりやすい手順書を作成できます。ツールの活用によって手順書の作成時間が短縮できるだけでなく、共有や活用の徹底を支援する機能が備わったサービスもあります。

手順書の活用が進むことで、業務品質が向上し、ミスやロス、手戻りが減る、残業時間を削減できるなど、大幅な業務効率化が期待できます。

Teachme Bizで手順書を作成する方法

「効率的に手順書を作りたい」「手順書の更新を手軽に行いたい」と考えているのであれば、「Teachme Biz」の利用を検討してみてはいかがでしょうか。Teachme Bizとは、写真やイラスト、動画、テキストを駆使して、より分かりやすく、より業務効率化を図ることを可能にしたビジュアルSOP(Standard Operating Procedures:標準作業手順書)プラットフォームです。

SOPは、具体的な作業や手順を作業ごとに順序立てて説明したものであり、ビジュアルSOPプラットフォームを用いれば、テキストだけでなく、画像や動画を効果的に使った「誰でも簡単に内容を理解できる手順書」を作成できます。

Teachme Bizを使った手順書の作成はわずか4ステップで行えます。

  1. スマートフォンやタブレットで写真や動画を撮影する
  2. 説明文を入力する
  3. 伝わりやすくするために写真や動画にマーキングをする
  4. 手順書を公開・共有する

Teachme Bizは、クラウドでデータが同期されているため、改訂時もすぐに内容を更新でき、即座に現場へ伝えられます。スマホやPC、タブレットなどの好きなデバイスで手順書を閲覧・更新できるのも魅力的なポイントです。

Teachme Bizの導入効果と効率化に成功した事例

Teachme Bizを活用することで、手順書作成時間が5分の1に削減、人材育成コストを50%削減、人材育成効率が2倍などさまざまな導入効果が報告されています。その他、効率化に成功した事例は以下の通りです。

Teachme Biz で効率化に成功した事例

企業 具体的な効果
小売A社 年間16,000時間の研修時間削減に成功した!
製造業B社 1日がかりだった手順書作成の時間が1時間に削減した!
飲食業C社 マニュアル作成の年間コスト(費用)を約50%削減できた!
不動産業D社 作業品質が均一化され顧客対応もスムーズになった!

Teachme Bizには5つの特許が実装されており、下記3つの機能に活用されています。

  1. 作成した手順書を必要な人に素早く届けプッシュ通知で知らせる機能
  2. 手順書のテキストや画像を閲覧するデバイスに合わせ自動的に最適化して表示する機能
  3. 撮影した動画の一部を、キャプチャ画像として切り出す機能

ユーザーメリットの高い機能が備わっているTeachme Bizについて、具体的な機能をお知りになりたい方はこちらをご覧ください。

マニュアル作成の基本から、簡単に作成できるコツをご紹介した「プロが教えるマニュアル作成の教科書」を無料で差し上げます。マニュアル作成にお悩みを解決し、伝わりやすいマニュアルを作成する第一歩として本資料をご活用ください。

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マニュアルは、上手く扱えば「単なる手順書」以上に大きな効果を発揮します。
生産性の向上はもちろん、「企業を大きく変える」可能性を秘めています。

Teachme Bizは、マニュアルであなたの企業にある課題を解決し、
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