世界最大のファスナーメーカーとしてタイで40年以上の実績
—— 事業概要をお伺いできますか?
弊社は日本で87年にわたりスライドファスナーや繊維テープ・樹脂製品、スナップ&ボタンといったファスニング商品を製造・販売する「YKK」のタイ法人として40年以上前に設立されました。日本ではファスニング事業の他、戸建住宅・集合住宅用窓やドアといった建築用プロダクツを提供するAP(Architectual Products)事業を設けているのですが、タイ法人はファスニング事業に特化し、商品を販売しています。
※2015年にはAP事業を主体とした「YKK AP (THAILAND) 」を設立
日本本社では早い時期からグローバル戦略に着手し、タイでは現在弊社と2015年に設立したAP事業主体の「YKK AP (THAILAND) 」の2拠点を展開。また欧米や中東、アジアなど世界各地に123拠点を構えています(2021年3月時点)。
弊社では製品のクオリティ向上はもとより、労働環境や自然環境、プライバシー保護などに配慮した、より高水準かつグローバルな製品作りに注力しています。その取り組みの一つに、ISO14001(環境マネジメントシステム)や日本の労働安全衛生マネジメントシステムOSHMSに準拠した品質マネジメントシステム ISO9001とISO / TS16949、そしてISO27001(情報セキュリティマネジメントシステム)を取得していることが挙げられます。
「1枚の写真は1000の言葉に匹敵する」。Teachme Bizで業務マニュアルをビジュアル化
—— Teachme Biz 導入以前に抱えていた課題はどのようなものだったのでしょう?
弊社のマニュアルは、もともとパワーポイントなどで作られたものやWI(ワーク・インストラクション)をメールで送付したり、出力してスタッフに配るという形式をとっており、上司が部下に仕事を教える際にもそのマニュアルをもとに口頭で直接伝える方法が通例でした。ですが、この方法では教える側によってその内容が異なり、スタッフ間で業務に違いが生じてしまう。加えて、担当者が退職してしまった場合に引き継ぎデータが確認できないなど業務の属人化が社内に広がっており、この状態が続けば、組織に保存されるべき不可欠な情報・知識が失われてしまうという危機感を抱いていました。
また、当時は各マニュアルデータを個人で管理していたため、必要な製品マニュアルを見つけるまでに時間がかかったり、トラブル発生時の原因解明が困難な状態だったりという課題もありました。会社として重要な財産を守り、管理するために Teachme Biz 導入に至りました。
—— 実際に Teachme Biz を使用した感想をお聞かせください
業務を行うにあたり、非常に便利なツールだと感じました。Teachme Biz はデータを安全に保管できるセキュリティ体制を備えたクラウドサービスであり、管理者によりアクセス権を与えられたスタッフは必要な情報に自由にアクセスできる。逆に言えば、アクセス権を持っていない人は一切関与できないということ。これまでは、社外での作業時に社員それぞれが個人のパソコンにデータを保存するケースがあり、情報漏洩のリスクが僅かながらあったのですが、Teachme Biz を導入したことにより、そのリスクが回避できると同時に利便性が高まると考えています。
またTeachme Bizで作成する業務マニュアルは、文章ばかりが並んだものではなく、画像や動画といった視覚的な情報をベースにした“ビジュアルコミュニケーション”を可能にしてくれました。今まではまず読むことに時間を奪われていましたが、各業務プロセスをTeachme Biz で「見える化」したおかげでマニュアルを確認してから実行するまでの時間が大幅に短縮されました。加えて、スタッフの作業内容・質が均一化されたことは嬉しい限りです。
Teachme Biz でOff-JTが加速=OJTへの移行がよりスムーズに
—— 具体的にはどの分野でTeachmeBizの実装を目指しているのでしょう?
主には、実務での業務方法の伝達と顧客サービスを向上させるためのツール導入時のマニュアル作成を考えています。
1. 新人教育
Teachme Bizにより作成した製品知識(Product Knowledge)マニュアルと社内システムに関わるマニュアルをもとに、新人教育を行っていきます。基礎的なトレーニングを行った後にTeachme Bizでマニュアルを共有することで、上司がいない間も自ら知識を増やすことが可能ですし、各業務マニュアルはビジュアル化されているため一人でも正確な知識を身につけることができると期待しています。
2. 日本人駐在員の業務引き継ぎ
弊社では日本人マネージャーが数年ごとに入れ替わり、その都度、前任者から新任者へ引き継ぎ・研修が行われています。
3. エンドユーザーのお客さま向けガイド
弊社では近々、小売顧客の皆さまへの販売機会の拡大に向けたモバイルアプリをリリースする予定です。このアプリにより、顧客の皆さまは手軽に、ダイレクトに製品の注文ができるようになります。その利用案内として、Teachme Bizを活用していくと共に、製品の詳細や色、材料といった製品マニュアルも提供していきます。
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—— 各部門ではどのように活用されているのでしょう?
主に以下2つの主要部門で活用しています。
1. 営業部門
製品知識、戦略、顧客への連絡方法などOfficeソフトを使った既存のデータをTeachme Bizに移行しました。またマネージャー専用のフォルダも作成し、そこに管理職のみの情報を収集・共有しています。加えて、外での打ち合わせが多い営業部の新入社員に対しては、上司がいなくても基礎知識が学べるマニュアルをTeachme Biz で作成しました。
2. GA / HR部門
社内ニュースや会社に関わる基本的な情報を管理・共有する必要があるGA / HR(人事/総務)部門では、Teachme Bizを内部のコミュニケーションツールとして使用しています。社内規則や祝日の有無、社内機器の使い方といった問い合わせの多い情報をマニュアル化することで、各スタッフはGA / HR部門を介さず自分で情報確認ができ、GA / HR部門のスタッフの生産性向上にも繋がっています。これらのマニュアルは外部公開フォルダを利用すれば、Teachme Bizアカウントの有無にかかわらず、全社員がアクセスできる点も魅力だと感じます。
マニュアル作成時によく使っているのはスクリーンキャプチャ機能です。このツールを使うことで各業務のステップを一つひとつビジュアル化でき、さらに画像には記号や矢印で補足するなど、誰が見ても理解できる内容を意識しています。たとえ業務工程が変わったとしても写真や画像がすぐに差し替えられ、共有までタイムロスすることなく実行することができます。
またQRコードやリンクを送るだけで、マニュアルをすぐに共有できる点もありがたいです。余計な手順を必要としないため、マニュアル作成者と閲覧者の双方のスピード感が増しますし、この他、社内にあるオフィス機器にQRコードを出力した紙を貼り、使用方法が分からない場合にすぐマニュアルを確認できるよう工夫しています。
自ら考え、取り組む力を育むTeachme Biz は新人教育に最適
—— Teachme Biz を導入して1年以上経ちましたが、その効果はいかがでしょう?
最初に効果を感じたのは、社内システムの使い方に関する問い合わせが大幅に減ったことです。 いくつかのシステムを使用しておりますが、オーダー処理業務や社内会議システムについて、操作が複雑かつ各部門のアクセス権が異なるため、同じような問い合わせを何度も受けていました。けれどもTeachme Biz 導入後は、疑問があったとしてもマニュアルを見れば解決できるという意識がスタッフに芽生え、非常に助かっています。
加えて、独学による業務内容と社内文化の理解・創造(Self-learning) の流れが少しずつ確立できていることです。すべての情報を Teachme Biz に一元化できるようになったため、新入社員は必要な基礎知識をTeachme Bizのマニュアルから自分自身で学び、重要な技術は現場で上司に教わるという形式がとれるようになった。これは基礎知識を教わる講習時間の短縮と、講習に関わっていた上司側の時間の確保にも繋がっています。
—— 今後の運用計画を教えてください
現在はさまざまな部門でTeachme Biz を試用している段階であり、そこでの効果を確認した後に他の領域へ拡大したいと考えています。特に、材料準備関わる計算方法や発注、納期確認、プロセス管理、月次レポートといったルーティーンワークが求められる工場内の製品管理部門(PC)や品質管理部門(QC)など、多くのドキュメントを処理する必要のある部門に導入していく予定です。また、経理および人事の複雑なマニュアルをより簡易的にビジュアル化し、より分かりやすいものにしていきたいと思います。
外部共有としては、お客さま向けのマニュアルを用意すると同時に、販売代理店さま向けのマニュアル、例えばパートナーから依頼された注文の送信方法といった手順を記したものも準備していく予定です。そうすることで営業部のサポート負担も軽減され、弊社自身のサービス基準の改善にも繋がると考えています。また、近隣諸国にある支店への情報共有はTeachme Bizの管理下にある外部公開フォルダを活用していきたいと思います。
—— Teachme Bizカスタマーサクセスチーム(サポートチーム)が提供するサービスについてはいかがでしょう?
気配りが細やかで、Teachme Bizの使い方についてたびたびアドバイスを頂ける心強い存在です。LINEでも問い合わせができ、リアルタイムで解決策をもらえる点も重宝しています。さらに、Teachme Biz のユーザー同士が集まるミーティングに参加する機会もあり、他の組織での運用方法を学ぶことができ、非常に参考になっています。頂いたアドバイスを現場で活かせるよう、どんどんブラッシュアップしていきたいと思います。
会社名 | YKK (Thailand) Co., Ltd. |
URL | http://www.ykk.co.th/ |
所在地 | Manoonpool Bldg.2,9th Fl 2884/1 New-Petchburi Rd.,Bangkapi, Bangkok 10320, Thailand |
事業内容 | ファスナー及び各種樹脂製品とスナップボタンの製造販売 |
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