「このマニュアルを見れば基本的に誰でも同じように対応できそうなので、業務の標準化という点では理想的だと思います」
Salesforce製品であるPardotの国内導入・活用支援実績No.1を誇るtoBeマーケティング株式会社では、今年(2020年)の4月にSalesforceを業務の中心としたリモートワークに移行しました。
東京五輪を見据えて少しずつ準備を進めてはいたものの、組織異動や新入社員の入社、Salesforceの改修などが重なったことで、管理部では引き継ぎ資料や作業マニュアルが重要になると判断。サポートツールとして、Teachme BizおよびTeachme Biz for Salesforceを導入されました。
今回は経営企画室の高井様に、管理部としてTeachme Bizに何を求め、どう活用されたのかを聞きました(インタビュー日時:2020年5月19日)。
◆リモートワーク移行で実感したメリットや苦労などをまとめたインタビュー記事はこちら
教材をすべてオンライン上に置くことで、リモートワークで新入社員の教育もできるように
───もともとTeachme Bizはどのような場面でニーズがあったんですか?
本格的に全社に浸透したのは今年からです。4月には組織異動や新入社員の入社があるということで、2~3月から引き継ぎ資料や作業マニュアルを準備することになりました。
さらに社内業務の中心ツールであるSalesforceの改修が昨年の10月頃から始まっており、4月1日からオブジェクトの構成や画面のデザインが大きく変わることになっていたんです。

新システムのマニュアルの一部
───社内教育をしなければならない内容が急激に増えると事前に分かっていたのですね。
はい。そして4月からはリモートワークに移行し、パソコン上での作業が増えるので、教材はすべてオンライン上で整備することにしました。
───今年は新入社員の初期研修もオンライン主体になるので大変ですよね。
そうですね。幸いにもしっかりと準備期間がとれたので、SalesforceさんのmyTrailhead、御社のTeachme Bizなどの教育用システムを使って、新入社員の方に受けてもらうプログラムを整備していました。
ですので、入社してからも研修やOJTができずに待ちぼうけといった状況にはならず、知識のインプットができる体制ができたことは大きな成果だと思います。
───高井様から見て、マニュアルの整備ツールにTeachme Bizを選んだメリットはどんなところを感じていますか?
マニュアルの作成およびアップデートにかかる工数が大幅に削減できたと思います。特に動画のマニュアルは社内の評判もかなり良いのですが、簡単につくれるので助かっています。
工数を削減しつつ伝わりやすいマニュアルができるので、業務の標準化や内部統制の確保という観点で満足しています。
───マニュアルは動画中心なのですね。
動画は重宝していますね。
作り手としても、動画自体をそのまま使うことはもちろん、必要な画面だけを静止画として切り出して並べることもできますし、その画像にモザイクや強調などの編集をかけることも簡単です。
テキスト以外の幅広い手段でマニュアルを作成できるようになったことで、マニュアル内容の浸透率・理解率が改善しました。
Teachme Biz for Salesforceは今開いている画面のマニュアルをすぐに表示できるので、操作に困った人がその場で問題を自己解決できるところもすごく良いですね。

新しい操作マニュアルを確認しながら、商談画面を操作できる
1つ1つのステップごとに動画や画像を並べることで、「見た通りにやれば誰でもできる」状態に
───さまざまなマニュアルが整備されていく中、Salesforceに関するマニュアルは高井様ご自身が整備されたのですよね?
はい。今は他のメンバーが作ってくれていますが、最初のバージョンはSalesforceの改修作業をしているときに並行して私が作っていました。
管理者としては、技術班がSandboxから本番に移行しているときに、そのままSandbox上でその日のうちに動画マニュアルを作れたので、非常に効率が良かったです。
───高井様のように「開発をしながら、その場で操作して動画をキャプチャしてマニュアルをつくった」というお客様はたまにいらっしゃいます(笑)。
大掛かりな改修プロジェクトだったので、社歴の長いメンバーからすると「Salesforceの中身が丸ごと変わった」くらいの印象を受けるだろうと思いました。
ですので、混乱を避けるためにも4月1日には伝わりやすいマニュアルが不可欠でした。

高井様が作った新機能の動画マニュアル
───なるほど。「商品情報の入力」→「値引商品の追加」という風にステップごとに説明して、それぞれのステップを動画中心に説明しているのですね。
私の作った「Salesforceの使い方」は長めですね。これは24ステップくらいまであります。
Salesforceの入力方法も大きく変わったので、キャプチャ画像を一枚貼って「この画面のAに〇〇を入れて、次にBに〇〇を入れて…」とテキストを書くよりも、はじめはステップごとに動画で流れを見せた方がイメージが湧きやすいですよね。
───「この手順書の通りにやれば誰でもできる」状態ですよね。
組織異動によって営業以外の部署から営業に来たメンバーはSalesforceの”商談レコード”を初めて自分で作るので、独特の用語やルールの意味が汲み取れなく、つまずいてしまうこともあります。
ただ、たとえば商談の作り方にしても、動画を見てもらえれば基本的にはパッとできるようになりました。
───作ってみて感じた、Teacheme Biz for Salesforceを使う上での注意点や気づきのようなものは何かありますか?
私の場合は、ぶっつけ本番で大規模改修に使ったので、最初のバージョンを作るときは20以上あるステップの素材集め(動画の撮影・画面キャプチャ)が少し大変でした。ただ、PowerPointなどで作るのと比べると質も量も全く違いますよ。
なにより、メンテナンスがすごく楽です。現場の運用と合わない場面が出てくれば、「ここがわからない」「ここが古くなっている」といった現場からのフィードバックがコメントされて、すぐに反映できますから。
やはりSalesforceをリリースした直後は細かい要望などが届くのが通例なので、わかりやすいマニュアルとフィードバックをすぐ反映できる仕組みがあれば、問い合わせ対応の負担を減らして管理者としての仕事に集中できますね。
問い合わせが来ても、「相手はどこで困っているのか」がすぐに特定できる
───単純な伝わりやすさ以外だと、これまでの社内マニュアルに比べてTeachme Bizのマニュアルで改善された部分はありましたか?
以前はマニュアルをPowerPointで作成していたのですが、それがTeachme Biz上にあることでリモートワークでもアクセスしやすく、パッと開くことができるようになりました。
他では、僕が好きなのは、やはりステップごとのコメント機能ですね。
先ほど話したように、「このページで言っている〇〇ってどういう意味ですか?」など、読んだメンバーからの指摘がどこの何の話なのか特定しやすくなりました。

ステップごとにコメントでフィードバックできる
───なるほど。コメント機能は地味ですが便利ですよね。
PowerPointのファイルだと、該当箇所を指定してコメントをすることはできませんよね。
「これって、こっちだとダメなんですか?」「ここは実際はこうなので、こうしてくれ」というやりとりをするにも、Teachme Bizのマニュアルページのコメント欄に書ければお互いの認識がすぐに一致してスムーズに進むと実感しました。
───確かに、チャット上でリンクを共有して、「〇〇って書いてある部分のこの箇所が~」となると、話している箇所の特定だけでも時間がかかりますもんね。
はい。特に今はリモートワークに移行したことで、問い合わせがすべてSlack上になりましたが、Teachme Bizのおかげで、現場からのフィードバックに対する微修正がかなりスムーズに進んだと思います。
───ありがとうございます。Salesforceに限らずさまざまな用途でマニュアルを整備された中で、「このマニュアルは特に役に立った」というものはありますか?
特定のページというよりは、カスタマーサポートのチームがつくってくれている業務マニュアルはかなり見やすく、社内で一番活用されていると思います。
ちょうど4月のタイミングで体制の変更があったり、外部パートナーと協力しながらサポート業務を整備することになったのですが、Teachme Bizで手順書を揃えていたおかげで、リモートでも問題なく業務を進められているようです。

サポート関連マニュアル一覧
この「MAnaviサポート」という名前がついているのが、弊社のカスタマーサポートのマニュアルなのですが、動画ベースでとてもわかりやすいです。
───すごくいいですね。ライトなものをたくさん作っていただくと。
メンバーが前任から引き継ぎながら、マニュアルを整備してくれています。ライトでありながら動画1本に入っている情報量がしっかりしています。止まって欲しいところでちゃんと画面が止まってくれていたりだとか、編集もうまいです。

実際のサポート業務マニュアル
このマニュアルを見れば基本的に誰でも同じように対応できそうなので、業務の標準化という点では理想的だと思います。
“マニュアル”に留まらず、“教材”を整備して営業力を底上げしていきたい
───今後Teachme Bizをこういう場面・目的で使いたいということはありますか?
営業のデモのやり方をTeachme Bizで、動画として作る予定です。マニュアルというよりは「何に気をつけるのか」という教材ですね。
各メンバーにその動画を見てもらって、お客様先に訪問した際のデモの質を底上げしていきたいです。
───すごくいいんじゃないですか。それは。
教材としても、動画の方が声のトーン、話し方の間の取り方などがより分かりやすいですよね。テキストを読むより直感的に理解できる分、教育の質が上がるのではないかと思っています。
───作る際も、それこそZoomの録画をそのまま素材として使えますよね。
はい。営業面では、お客様に向けたツールの使い方マニュアルも整備できれば、地方のお客様にもリモートで効率よくご説明できると思います。
───かなり活用イメージが湧いておられるようでありがたいです。
あとはオフィスに関連するマニュアルも整備していきたいです。
複合機やゴミの管理など、特定部門のみに負担となっている物理的な業務についても、QRコード化したマニュアルを添付するなどして全社員が対応できると、迷う人が少なくなりますよね。
とはいえ、まだ出社もできない状態なので、今はリモートワークを効率化できる部分に注力しています。
───はやく出社とリモートを使い分けられる状態になるといいですよね。本日はありがとうございました!