「存続と成長に寄り添う」をミッションに、中小企業向けにITインフラやテクノロジーを駆使したソリューションを幅広く提案するスターティア株式会社様。新型コロナウイルスの感染拡大の中においても80名の新卒社員を採用するなど、力強く成長を続けておられます。
業績の拡大が続く中、スターティア様では営業支援システムの強化・拡充を目指しSalesforceを導入。その社内浸透と活用の定着に向け、2020年8月にTeachme Biz for Salesforceの活用をスタートされました。以来、システムのスムーズな移行と円滑な運用にお役立ていただいています。
スターティア様におけるTeachme Bizのご導入の経緯から活用法、効果について、スターティア株式会社 取締役兼執行役員 平澤有一様、マーケティング部 情報活用グループ シニアマネージャー 金田義宣様にお話をうかがいました。

スターティア株式会社 取締役兼執行役員 平澤 有一 様、
マーケティング部 情報活用グループ シニアマネージャー 金田 義宣 様
月400件の問い合わせと手順書作成の手間を軽減
―――導入の背景について教えてください。
平澤様(以下、平澤) 当社では2018年から大きく3つのフェーズに分けてSalesforceの導入プロジェクトを進めました。第1のフェーズでまずセールス部門において従来のSFAからの置き換えと技術部門の情報集約を行い、第2のフェーズでは受注管理部門へと導入の範囲を広げていったのですが、導入範囲が広がるのに比例して運用チームへの操作等に関する問い合わせが非常に増えてしまいました。そこでSalesforceの使用を手ほどきする全社的な手順書を作る必要性を感じたのが導入のきっかけでした。
―――どのぐらいの数の問い合わせがあったのでしょうか。
金田様(以下、金田) 平均して月間400件程度、リリース時には450件前後ありました。営業は当時で200名ほどおりましたが、問い合わせに対応する運用チームは3~4人で回していましたので、とても対応しきれる数ではありませんでした。
―――以前の手順書作成はどのようにされてきたのでしょうか。
平澤 PowerPointで作成していました。しかし、作成にはかなりの時間がかかっていましたし、手順書によっては100ページを超えるようなものもあり、修正が必要になった場合に該当箇所を探し出すだけでも苦労していました。また、Salesforceを導入してからは部門を横断した手順書を作成する必要も生じ、作成を担当する社員達はとても苦労していたというのが正直なところです。
「オフロードパス型式」で部門をまたいで手順書を作成
―――Teachme Bizを選んだ決め手はどんなところにありましたか?
金田 何よりSalesforceとの連携ができることが一番のポイントでした。また、操作性が高くPowerPointと比較した際に手順書完成までの道のりが短くなるイメージを持てたこと、クラウドのサービスなので作成が閉鎖的にならず部門を横断した作業が可能であることも大きな要因でした。
―――リレー形式で手順書を作成されているとお聞きしましたが。
金田 管理部門、納品担当部門、技術部門など、Salesforceに関係する部門の範囲が広がったことで、手順書も部門の垣根を越えて一気通貫で作られるべきと考えました。そこで、まずは全体的な機能の手順をまとめ、次に管理部門が手順をまとめ、次に納品担当部門、次に技術部門というように、編集権限をつなぎながら作業しました。私の上司がラグビー好きなので、社内では「オフロードパス形式」と呼んでいましたね。倒れながらでも次に引き継いでいくということで(笑)。
―――作成者や作成部署が複数になることでクオリティや見た目に差異が生じるようなことはありませんでしたか?
金田 やはり言葉やデザイン面でどうしても違いが出てきてしまうことがあったので、ある程度統一のルールを設けようということになり、各部門が集まって週に一度ミーティングをしながら擦り合わせを続けています。また同時に、運用変更の有無やそれにともなう手順書の更新の必要性の確認、不要になった手順書の整理なども行っています。
受け身だった社員も積極的に手順書を作るようになった
―――作成に関わったみなさんの反応はいかがでしたか?
金田 初めて手順書作りに関わったメンバーもいましたが、みんな使いやすいと言っていますね。30分から1時間程度の研修をしただけで「じゃあ自分達の部門でもやってみよう」という気運がすぐに生まれました。
私の部署でもちょうどTeachme Bizを導入するタイミングで新しいメンバーが入社したのですが、まだ社内状況やシステムを完全に把握しきれていない中でもTeachme Bizを使って手順書を作成することができていました。そうした実例が導入のハードルをさらに下げ、これまでは受け身だった社員が積極的に作るケースも増えました。
―――では社内浸透においてあまりご苦労はありませんでしたか?
金田 そうですね。逆に「私にも編集権限をください」という問い合わせが多くて、編集権限50名の枠をフルで設定してもまだ「権限が空いたらこっちに回してほしい」という要望がありました。おそらく「こんなに簡単ならば出来上がりを待つよりも自分で作ったほうが早そう」という感覚を多くの社員が持ったのだと思います。
社員に当事者意識が芽生え問題解決に取り組む空気が生まれた
―――導入の具体的な効果について教えてください。
金田 月間平均400件ほどの問い合わせが250~300件ぐらいまで減りました。また、問い合わせがあった際もほとんどは「Teachme Bizを見てください」「Teachme Bizにありませんでしたか?」とURLを送るだけで済んでいますので、業務はかなり効率化されています。
また、Salesforceを軸にした業務フローがTeachme Bizを使うことによって統一できたことで、部門間のコミュニケーションが増えました。「管理はこんな仕事をしていたんだ」「技術はこういう課題を抱えていたんだ」といった問題点の共有ができたことで、社員一人ひとりに他部門の業務に対しても当事者意識が芽生え、問題点の解消に互いに取り組む空気が生まれたことが、会社としては非常に大きかったと思います。

Teachme Biz for Salesforceを使えば、Salesforceの画面の左下に
Teachme Bizでマニュアルを開くことができる。
―――今後はどのように活用されていくご予定でしょうか。
金田 これまではSalesforceとの連携を前提に手順書を作ることに注力してきましたが、今後はTeachme Biz単体での活用法も探っていきたいと思っています。Salesforceの研修の時にはトレーニング機能を活用して登録や承認の方法を周知しましたが、今後はタスク機能やレポート機能などもより有効に活用していきたいです。
また、現在はシングルサインオンでほぼパソコンからの活用しかできていませんが、モバイルからも活用しやすくする取り組みも考えています。例えば技術のスタッフが機器の設置で現場に出向いた際にその場で作業手順を確認できるようにするなど、社内外さまざまなシーンでの活用を考えていきたいと思っています。