調理実習の強調点を動画編集機能を活用し可視化
Teachme Bizで正しい反復練習の実現を目指す

  • 教育・学習支援業
  • #100名以上500名未満
  • #オンライン研修
  • #情報共有
導入目的 ツールを用いた反復練習による技術の定着
課題 調理・サービス技術の正確な習得
効果 新人教育にかかる時間短縮/作業の独り立ち

「厳しい授業が技術を磨き、あたたかい雰囲気が人間性を磨く」という教育方針のもと、1954年の創立以来60年以上にわたって多くの食のプロフェッショナルを輩出してきた中川学園調理技術専門学校様。調理師としてはもちろん、それ以前に社会人として認められる考えやマナーを持った人材の育成に力を入れておられます。

そうした方針は学生のみなさんにも浸透し、授業の皆勤・精勤率は7割以上。専門学校としては非常に高い数字を誇っています。「充実したカリキュラムや校風が学生の学ぶ意欲と噛み合っているからでしょう」――校長の中川純一先生はそう語ります。

そんな中川学園調理技術専門学校様では、2020年6月にTeachme Bizを導入され、調理手順における反復練習の補完など、さまざまなシーンでのご活用に取り組み始めていらっしゃいます。中川校長に、Teachme Biz導入の背景や活用のビジョンについてお話をうかがいました。

映像を取り入れた教育の必要性を以前から感じていた

―――導入のきっかけについて教えてください。

画像や映像を取り入れた教育の必要性は以前から感じていました。特に、初歩的な調理技術を覚える際には反復練習が重要ですが、授業の中で反復させるには時間的な制約があります。また、自宅でも反復できると言えばできますが、自己流でやったのでは意味がありません。自己流にならず正しい方法で技術を反復させるには、画像や映像によって視覚的に確認するのがベストだと思っていたのです。ただ、撮影の手間などを考えるとなかなか導入には至りませんでした。

しかし、新型コロナウイルスの感染拡大で、「いよいよやらなければならない、やるなら早くやるべきだろう」と考え、導入を決断をしました。

―――Teachme Bizを選んでいただいた理由はどんなところにありましたか?

他のツールを扱う会社の方からもいろいろとご提案をいただきましたが、編集作業のしやすさという点では圧倒的に優れていましたし、「作る側、使う側の気持ちをよく汲み取っていらっしゃるな」と感じたことが大きな理由です。

例えば、調理の手順をスマホやタブレットで学生に見せる場合、ただ調理の様子を映像で見せてもあまり意味がありません。特に上手な人が調理をしている映像は、上手であるがゆえに手順がさらっと流れてしまう。学生はそこでつまずいてしまうわけです。

となると、映像は瞬間ごとのいろいろな作業を確認しながらポイントを示すものでなければいけません。その点でTeachme Bizは動画編集機能が優れていて、実習の動画で学生に見せたい部分に矢印をつけたり、一時停止してスポットライトを当てたりすることも簡単にできる。強調点がはっきりさせられるという点で素晴らしいシステムだと感じています。

Teachme Bizで簡単に作成・編集した動画を実習で見ながらに学んでいく

デジタルとアナログを組み合わせ習得しやすい工夫を

―――どういったコンテンツの配信を計画されていますか?

すでに準備できているものとしては、調理師として非常に初歩的な「白衣の着方」や「道具を使った計量の仕方」などがあります。これまで実習室へはスマートフォンの持ち込みを禁止していたのですが、校内でのスマートフォンやタブレットの使用に関する新しい取り決めを整備したうえで、順次学生への配信も始めようと思っています。

ただし、これまでもそうでしたが、実習において学んだことは今後もすべてノートに手書きさせます。Teachme Bizを導入してもそれは譲らないつもりです。手で書けば覚えも速いですし、実習ノートが残っていれば、あとで反復練習する際にノートと映像を照らし合わせて、あらためて正しい手順を確認することもできるでしょう。あまり便利にし過ぎることなく、デジタルとアナログをうまく組み合わせることで習得しやすいように工夫していこうと思っています。

―――配信に際しては学生様お一人おひとりにアカウントを発行されるご予定ですか?

そうですね。今は150名ほどの学生が在籍していますが、一人ひとりにアカウントを付与し、在学中はいつでも見られるようにしておこうと考えています。そのほうが、自分が勉強しているということをはっきり認識できるでしょうから。

ただ、「誰がどのコンテンツを何回見ているか」といったデータだけで成績を判断するつもりはありません。使ったほうがより効率的に技術を習得できるという結果がいずれ学生の意識の中に浸透すれば、それでいいのだろうと思っています。


ビジュアルベースのマニュアルをスマートフォンでも閲覧できる


調理師学校におけるシステム活用のモデルケースに

―――調理コンテンツ以外の活用イメージについて教えてください。

これは本校ならではの特徴ですが、私たちは調理だけでなくサービス(接客)の授業にも非常に力を入れています。料理は調理場からお客様のもとへ直接飛んでいくわけではなく、その間には必ずサービスのスタッフが介在します。そのサービスの質が良くなければ料理もおいしく感じていただけないという想いが、本校の教育の根底にはあります。そのサービスの授業においても、Teachme Bizは有効に使うことができるのではないかと思っています。

また、調理を学ぶ学生たちに向けて今年から全国でスタートした「全調協実技検定制度」(公益社団法人全国調理師養成施設協会が調理師養成施設での調理技術習得レベルを認定する制度)の認定試験のための練習にも活用できるのではないかと思っています。

さらに、本校を志望する高校生の方に実習の予習となるようなコンテンツを配信し、しっかり課題ができた方にはAO入試のような形で合格を判定するような使い方も考えています。

座学でもTeachme Bizを活用されている

―――その他、Teachme Bizでやってみたいことや実現したいことがあれば、ぜひ教えてください。

厚生労働省の方針には「調理師の養成課程は通信教育にはしない」という大前提がありますので、対面の実習をなくすことはできませんし、実際に対面でなければ伝わらないことが多いのも調理の学びの一つの特徴です。だからこそ、対面で学ぶことの良さを際立たせるためにTeachme Bizの役割をはっきりさせながら活用していきたいと思っています。

とはいえコロナの問題もありますから、遠隔授業は今後少なからずカリキュラムに組み込まざるを得ないだろうとは思います。対面での授業は実習に注力し、それによって疎かになりがちな実習以外の学びをTeachme Bizで補うなど、調理師養成学校におけるTeachme Bizの活用に関して、本校がモデルケースとなっていければと思っています。

会社名 学校法人中川学園 中川学園調理技術専門学校
URL http://nakacho.com/
所在地 茨城県水戸市見和3-663-10
事業内容 厚生労働大臣指定 専門学校認可  文部科学大臣認定 職業実践専門課程認定校

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