1946年に創業以来、高い技術力・開発力をもとにさまざまなコンクリート製品の製造販売を手掛ける三谷セキサン様。インフラや建設など、人々の生活に直結する現場にその技術を提供し続ける一方、業界他社に先駆けて20年以上前から施工管理システムを導入するなど、常に新しいチャレンジを続けています。2020年にはクラウド上で建設現場の杭基礎の施工状況を関係者間に共有する汎用型管理アプリ「Check&View(チェックアンドビュー)」を開発しました。
一方、現場における業務手順の共有や作業の効率化においてはなかなか改革が進まず、特に上長と現場社員間の意思疎通の点で大きな課題を感じていたといいます。そうした課題を克服し業務の効率化を図るためにTeachme Bizをご導入いただきました。
導入前の課題や導入の決め手、実際の活用状況や今後の展望について、三谷セキサン株式会社 総務部 中合 由樹 様にお話をうかがいました。

三谷セキサン株式会社 総務部 中合 由樹 様
上長へ電話する以外に疑問の解決方法がなかった
―――導入の背景を教えてください。
当社はコンクリート製品などの製造販売だけでなく販売後の施工も手掛けています。その施工を管理する施工管理者の業務効率化や現場の社員のスキルアップを実現するツールを探していたことが導入のきっかけです。
たとえば、現場の社員に施工の中で困ったことが起きた時やわからないことがあった時、以前はその都度上長や事務所に電話して確認するケースがほとんどでした。しかし、上長がその都度細かく指導できるとは限りませんし、電話してもつながらなかった場合はわからないことがそのまま放置されてしまうことも少なからずありました。
また、上長が忙しい時に電話をしてしまうと、的確なアドバイスやサポートが得られないまま、トラブルに発展するケースがありました。また、指導者により対応が異なるといった問題も生じていました。
そうしたことを避けるため、手軽にスマホを使いながら日々学習ができたり、機械の操作方法のおさらいができたりするツールを導入し、わからないことを自発的に調べ解決する方法を整えることで、社員のスキルアップと現場管理力の平準化につなげたいと考えました。
―――以前は業務手順書が存在しなかったということでしょうか。
基本的な施工の手順書はありましたが、「機械がこんな事象で故障した時にはこういう手順で確認しましょう」といったような、現場における小さな困り事を解消するような手順書はありませんでした。また、仮に手順書を作ったとしても、施工管理者は基本的に直行直帰の勤務形態なので受け渡しがなかなかできないという問題もありました。
ゲーム感覚で作れる手軽さが導入の決め手
―――導入の決め手となったのはどんなポイントでしたか?
Teachme Biz以外にも5~6種類のツールを比較しました。それぞれに良さがありましたが、一番の決め手となったのは作りやすさです。当時の私たちは手順書作りに関しては言わば素人集団でしたから、そんな私たちでも手軽に作れるツールという観点で比較した結果、Teachme Bizが一番優れていると感じました。
実際私もすでに何本か作成していますが、操作の段取りさえ覚えてしまえばまったく難しいものではなく、ゲーム感覚で作れるような手軽さを感じています。20~30代の若手のメンバーもすでにかなり使いこなしています。
―――具体的な活用方法について教えてください。
当初の目的である施工現場での困り事や作業の中でわからないことのQ&Aといった内容においてはかなり活用が進んでいます。その他、工事現場における災害発生事例の共有や実際に災害が発生した際の手順についてまとめたものもあります。
また最近では現場だけでなく、就業規則や確定拠出年金の説明、勤怠管理システムの使い方など、人事労務関連の通達にも活用を始めています。特に施工管理者の場合、社内の全社掲示板に掲出しても現場に入ってしまえば全社掲示板を見る機会がなく、郵送したとしても送り漏れや不達が発生する場合もあり、周知が非常に難しい状況にありました。そうした課題がTeachme Bizのおかげで解決しつつあります。

実際のマニュアル。動画や画像へのマーキングを駆使してわかりやすく伝えている
―――社員の方はどのように閲覧しているのでしょうか?
当社は全社員にスマートフォンを支給していますので、それを活用しています。三谷セキサンの強みの一つは、ツールを導入するだけでなくハード面もしっかり整備できるだけの安定した財務体制が整っていることです。「Check&View」も含め、これからの時代に必要なものにしっかり投資してくれる企業姿勢はとても誇らしく感じています。
Web会議ツールとの併用で社内浸透が加速
―――コロナ禍において役に立ったと感じる点はありましたか?
多くの社員が集まるような大規模な研修ができない状況となり、Teamsなどを活用した教育を進める中で、Teachme Bizを併用したオンライン研修が非常に効果的だったと感じています。
正直、ただ「Teachme Bizを見ておいて」と言うだけでは周知は難しいと思います。しかしオンラインで画面共有をしながら説明することで手順書の内容だけでなく使いやすさや見やすさも同時に伝えることができ、「Teachme Bizってすごく便利だ!」という意識を社内に浸透させることができたと思っています。仮にコロナがなくてもいずれは浸透していたかもしれませんが、コロナがあったことでより効果的に浸透させることができたのは間違いないと思います。最近では「取り急ぎ、Teachme Bizの○○のマニュアルを見ておいて」と言うだけでやりとりが完結することも多くなりました。
―――Teachme Bizを見れば何か有効な情報が得られると社員のみなさんが思っていらっしゃるということですね。
全体的なビュー数が伸びてきていますので、きっとそういうことだろうと思います。上長への問い合わせの数も減っていますので、上長はそのぶん違う業務に時間を割けるようになりましたし、上長と連絡が取れないことによる現場社員のモチベーションの低下も防ぐことができています。実際、ここ2~3年は若手世代の離職はゼロです。Teachme Bizが確実にモチベーションをアシストしている結果だと思っています。

Teachme Bizを見れば解決するという状態を目指す
現場だけでなく営業職や技術職にも活用の幅を広げたい
―――今後はどのような活用法を検討されていますか?
より「見たい」と思えるコンテンツを増やし広めていきたいですし、我々運営管理側だけではなく現場の側からもどんどん発信されるような状況を作りたいと思っています。
また、一連の手順書は営業職や技術職の社員にとっても見る価値があるものだと思っています。営業をするにしても設計をするにしても技術開発をするにしても、現場のことをある程度把握していなければお客様と話ができませんからね。現場で何かトラブルが起きてもし営業社員に問い合わせがあった場合にパッと答えてスピーディーな対応ができるかどうかは非常に大事なことだと思いますので、ゆくゆくはそうした職種にも活用を広げていきたいと思います。
さらに、効果のあるコンテンツを継続して作成していくためにも、今後の会社を担っていく20~30代の若手世代に使いやすい手順書のポイントなどを伝えるなど、手順書作成における指導も強化していきたいと思っています。