
桑原運輸株式会社 エントランス
1924年の創業以来、四国の物流界を代表する老舗企業として港湾運送業をメインに事業を展開する桑原運輸株式会社様。「以徳招利」(徳を先にして利を後にする。徳によって利を得る)を企業理念に据え、世のため人のために働くことがお客様の利益となり、それが地域や会社の発展につながるという考えのもと、約1世紀にわたって実績と信頼を積み上げています。
一方、会社はいま、創業100周年を前に大きな変革の時期にあるといいます。その変革の一つの軸となるのが社内業務のデジタル化。それを実現するツールの一つとしてTeachme Bizをお選びいただきました。
Teachme Bizの導入・活用によってどのような効果を期待されているのか、また具体的な活用イメージについて、桑原運輸株式会社 専務取締役 桑原達也様、業務部港運課 担当課長 吉田仁志様、総務部人事課 副主任 藤田菜々様、総務部広報ブランディング課 副主任 青山千恵様にお話をうかがいました。
「紙を3分の1以下へ」の目標を実現するために

桑原運輸株式会社 専務取締役 桑原 達也 様
―――導入の背景を教えてください。
桑原様(以下、桑原) 当社では2017年の本社移転を機に社内体制の改革に取り組んできましたが、その中で一つの課題となったのが、増え続ける文書の管理でした。そこで、紙のドキュメントをこれまでの3分の1以下に削減する目標を立て、必要なものと不要なものの取捨選択を図りました。当然、紙の手順書もその対象となりましたが、削減という意味ではもちろん、そもそもしっかりと運用されているのかという点からも見直しを図る中、課題解決のためのツールとして導入を決めたのがTeachme Bizでした。
―――他のツールとの比較検討はされましたか?
桑原 以前からTeachme Bizには注目していたので、他の選択肢はありませんでした。実は同時期にWEB社内報ツールの導入も検討していたのですが、Teachme Bizでも社内報のような内容を社員に配信でき、かつ、「タスク配信機能」を使うことで社員が見てくれたかどうかの確認もできるということを知りました。そこで、社内報についてもTeachme Bizに集約するなど、手順書にとどまらない活用の可能性に期待をしています。
―――導入を決めた時点での社員のみなさんの反応はいかがでしたか?
桑原 正直、最初はハレーションもありました。しかし、一方ではデジタル化の必要性もそれぞれが認識していたと思いますので、少しずつ慣れてきてくれているのかなと思います。今は総務部の人事課、広報ブランディング課、港運課などで手順書作りが続いていますが、トライアルの時点から各課において非常に意欲的、能動的に活用に取り組んでいる声が私にも届いており、うれしく感じています。
現場におけるトラブル対応力の強化に効果を期待
―――港運課ではこれまで手順書においてどのような課題を感じていましたか?
吉田様(以下、吉田) 通常業務からトラブル対応まで、現場で発生するすべての業務を把握している社員が私しかいないため、私がいないときに突発的な問題が発生すると、たとえ休みであっても私が連絡を受け対応せざるを得ない状況が続いています。場合によっては急な休日出勤が必要になるケースもあり、業務をどう標準化していくかが大きな課題となっていました。

作成途中のマニュアル
―――それを解決するために、どういった手順書の準備を進めていらっしゃいますか?
吉田 まずはトラブル時に活用できる手順書の作成に取り組んでいます。トラブルへの対応方法は常に頭に入れておかなくてはいけないことですが、トラブルはそう頻繁に起きるわけではなく、覚えたことを実践する機会がなかなかありません。しかし、Teachme Bizで手順をまとめておけば、いざというときに私がいなくても対処法を確認できるようになるのではないかと思っています。手順を説明するにしても、私が口頭で説明するより画像や動画で手順を示してあるほうが現場の社員もしっかりと理解してくれるのではないかと期待しています。
若手のスタッフが勉強も兼ねて手順書を作成

総務部人事課 副主任 藤田菜々様
―――人事課ではどのような課題をお持ちでしたでしょうか?
藤田様(以下、藤田) 人事課も港運課と同様、これまでは私一人ですべての業務を担っている状況でした。しかし、ここ2~3年で新入社員が入り4~5名の体制になったことで、少しずつ業務の負担を分散しているところです。その振り分けをよりスムーズに進めるためにも、課内のすべての業務を手順書化したいと思っています。
―――具体的にどんなシーンでの活用を想定されていますか?
藤田 新入社員の教育や、年一回しか行わない業務、年末調整の書き方、来客時のお茶の汲み方まで、様々な手順書の作成を考えています。今も全体の5割ぐらいはパワーポイントで作った手順書を用意していますが、それらも徐々にTeachme Bizに移行していきたいです。

作成途中のマニュアル
―――いずれは100%Teachme Bizに移行するご予定ですか?
藤田 内容によっては手書きで渡したり掲示したりしたほうが社員の目に届く場合もあるので、ある程度は紙との使い分けになるかと思います。ただし、年末調整の書き方など毎年同じ質問を複数の社員から受けてしまうようなものに関しては、Teachme Bizで手順書化することで「それを見れば毎年いつでも確認できる」という状況にしておきたいと思っています。
―――実際に手順書を作る作業はどなたがされていますか?
藤田 作ることで勉強になることも多いと思うので、まずは若手のスタッフに作ってもらい、それを私が監修する流れで作ることにしています。
「タスク配信機能」で社内報の閲覧状況を管理

Teachme Bizで手順書化
―――広報ブランディング課ではどんな課題をお持ちでしたか?
青山様(以下、青山) 「現場に新しい車両が入った」「内勤が○○の研修を受けた」など、社内の出来事や社員が知っておくべきトピックを新聞のようにまとめ、月に一回のペースで社員に配布しています。しかし、その情報をどれだけの社員が目にし、興味を持ってくれているのか、その可視化ができていませんでした。
―――その社内報をTeachme Bizで配信されるということですね?
青山 はい。配信はもちろんですが、「タスク配信機能」を使えば既読・未読の把握もできると聞いたので、どのぐらいの社員が開封し読んでいるのか、その把握に役立てようと思っています。これまでは社員にくまなく同じ情報を伝えることの難しさを感じていましたが、Teachme Bizなら全社員が同じ情報量を共有することも不可能ではないと思っています。
―――どんな想いで社内報を作っていらっしゃるのでしょうか?
青山 たとえば研修の記事であれば「私も受けてみたい」と思ってもらえたらうれしいですし、仕事に対する前向きな気持ちや桑原運輸で働くことを誇りに感じられるような媒体にしたいと常に考えながら記事を作っています。Teachme Bizのような新しいツールを使えばそれがより伝わりやすくなると思いますし、私もより伝わる記事を作っていければと思います。
会社のどこかで常にアップデートが行われている空気を作りたい

デジタルの手順書は、企業としての財産
―――Teachme Bizの活用が会社にもたらす変化をどのようにイメージされていますか?
桑原 手順書がきちんと使われるようになることがもちろん大前提ですが、それがしっかり伝承されていくことにも期待しています。アナログの手順書は更新が難しいこともあり、各担当者の想いや熱意が伝わりきらない面があると思いますが、デジタルの手順書ならそれぞれが思う業務への想いをその都度アップデートし、次の担当者、次の時代へと紡いでいけるのではないか。そして、それがやがて企業としての一つの文化や財産になるのではないかと思っています。
また、それが実現できれば、Teachme Bizをきっかけに同じテーマで同僚や上司、他部署間でのコミュニケーションが深まり、社員の定着率の向上にもつながると思っています。
―――創業100周年に向けて、これから目指すビジョンをお聞かせください。
桑原 今後さらに加速すると言われるDX(デジタルトランスフォーメーション)に対応するために、またいずれ必ず起きると言われている南海トラフ地震に備えるためにも、変化を恐れず先んじて行動し、変化を習慣化することが、これからの社会で私たちが生き残るためには不可欠だと思っています。そうした変化の核としてTeachme Bizを活用し、いつも会社の中のどこかが必ずアップデートされているという空気を作っていきたいと思っています。