製造業のサポートを目的にタイに進出
弊社はグローバルで従業員2,700人規模のIT企業です。製造、金融、人事や会計などのエンタープライズ、マーケティングのシステムを主な領域として、ソフトウエアの販売、システム開発、サポート、コンサルティングの4つの事業を展開しています。ソフトウエアは、自社開発製品のほかに代理店として他社製品を扱うことも多く、Teachme Bizもその一つです。
タイには日本の製造業をサポートすることを目的に2013年に進出しました。そのため、お客様の95%は日系企業。主に、製造業のエンジニアリング部門、具体的には設計開発から生産技術、製造、物流に至るまでをサポートしています。
日本ではすでに2000社以上の製造業を支援し、製造業との強力なネットワークを築いている点は、弊社の大きなアドバンテージです。また、タイではタイ人スタッフの定着率が高く、技術レベルが確実に上がっていることも私たちの強みだと考えています。
製造業に加えて、金融業の支援にも力を入れています。特に多いのがリース会社です。リース会社に向けては、上海のISIDが作ったリース会社向けパッケージ製品の販売とサポートを行っています。
タイ人のキーパーソンにタイ人のスタッフが提案する
私がタイに赴任してから3年が経過しましたが、さまざまな問題が見えてきました。日系企業は、「日本でやっていないことはタイでもできない」方針と、「タイだからこそ日本でやっていないことにもチャレンジしたい」方針とに二分できます。弊社がターゲットとしているのは後者。こうした企業へ提案する際には、日系企業だからといって日本のやり方をそのまま持ち込んでもうまくはいきません。
日系企業は日本人が判断することが多いですが、ユーザー側であるタイ人からのボトムアップも少しずつ増えてきており、判断できるタイ人マネージャクラスも増えてきています。その為、お客様のタイ人キーパーソンへのアプローチを加速し、タイスタッフと両輪で活動しています。最近、弊社がタイのローカル企業の開拓を積極的に進めているのも同じ理由からです。
しかし、弊社のタイ人スタッフはソフトウェアの機能についてはよく知っていますが、現場での立ち上げや実際の使い方についてはまだ日本に比べ経験が多くはないです。そこで最近は弊社本社やタイ国内のみでなく、スタッフが日本・マレーシア・ドイツへ出張の上、トレーニングやユーザーとのミーティングを実施しています。現場での真の活用方法を理解し、開発元との協調により応用力を高め、提案レベルを上げていくための取り組みです。
製造業向けのサポートに使って効率化を図る
今回、Teachme Bizを導入した目的は2つあります。1つ目の目的は、製造業向けのサポートの効率化になります。現在、20数種類のソフトウエアを販売しサポートしていますが、タイは離職率が高く、人が頻繁に入れ替わることもあり、お客様から同じような質問が来ることが多いです。製品ユーザーが100人以上もいる大口のお客様の場合も同様です。
似たような質問が来るたびに回答する労力を減らし、頻繁に寄せられる質問に関しては、あらかじめTeachme Bizを使い、わかりやすい回答を事前に用意していく方針です。更に静止画・動画を利用した回答にて、効率的にユーザーに理解いただけることに繋げたいと考えています。
小さなオペレーションの改善に役立てたい
2つ目の目的が、オペレーション改善のひとつとして提案し、製品販売につなげていくことです。
弊社はドイツのシーメンスと組んで、IoTやデジタルファクトリーを製造業に提案しています。シーメンスのツールを使って工場の中をモデル化して物流やロボットシミュレーション、また生産スケジューラーを提案しており、実際タイでもタイ人の方が各ソフトウェアを駆使して現場の改善に繋げる機会が増えてきました。
しかし、ソフトウェア利用においても課題は、ユーザーがよく辞めていく部分でもあります。新しく入った人がすぐにオペレーションをこなせるようにするためにもTeachme Bizを活用したい。これはタイの企業を攻めていく際の有力な武器の一つになると思います。文章を読むのは苦にならない日本人と違って、タイを始め東南アジアでは何かを伝えるときには文章よりもビジュアルの方が向いているように思うからです。
Teachme Bizは導入したばかりですが、まずは2つ目の目的である販売に役立てていきたいですね。いま、開拓を進めているタイの財閥系流通業や石油会社に対しても、ツール主体で「こういうことをやりませんか」と販売につなげていくつもりです。もちろん、1つ目の目的も果たせるように精力的にTeachme Bizの活用を図っていきます。
自分たちの提案とTeachme Bizはつながっている
先日、弊社の金型領域のお客様を招いて、Teachme Bizのセミナーを開催したのですが、アンケートではタイ人の方から「興味あります」「すぐに始めたいです」という声をたくさんいただきました。
製造業に対して私たちは、「紙をタブレットに代えましょう」「誰かが紙からパソコンに打ち込まないと結果がわからないというやり方はもうやめて、タブレットを使って自動的にレポートを作成するようにしましょう」というソリューションを提案してきました。
現場に持ち込んでいるタブレットで、Teachme Bizで作成したオペレーションのやり方を確認できれば、すぐにその場で使えます。自分たちがこれまで提案してきたこととTeachme Bizがしっかりとつながるのはうれしいですね。
こちらで成功した取り組みについては日本にも持っていきたいと考えています。個人的には、タイは新しいことに挑戦していると思っているので(笑)、Teachme Bizを使ってこれからも攻めの姿勢でビジネスに臨みます。