「Salesforceの使い方を知って、何をするのか。その情報を得た上での、営業スタッフとしての“行動”までを変えていけると思っています」
有名ブランドとして知られているシチズン時計様では、パートナーである全国の販売店(量販店・時計店など)との連絡・取引を効率化するためSalesforce社のCommunity CloudをベースとしたB2B Commerceプラットフォームで独自のサイトを展開しながら、社内でも営業改革のためにSalesforceを活用されています。
そして、社内の200名の営業メンバーにSalesforceを活用してもらうため、サポートツールとしてTeachme Biz for Salesforceを導入されています。
今回は管理者を務める久保田様に、社内向けのTeachme Biz for Salesforceに求める役割について伺いました。

時計販売店のスタッフたちがスマートフォンからでも使いやすい
──シチズンさんでは、社外のパートナー企業向けのみならず、200名以上おられる社内の営業スタッフ向けにもSalesforceとTeachme Biz for Salesforceを活用しておられるのですよね。
はい。社外向けの取り組みと同様に、Salesforceは組織として営業力を高めるために活用しています。
営業の効率を上げることで、パートナー様に負担をかけずに、今まで以上の価値を提供することが目的です。
──Salesforceを導入したとき、社内への定着はスムーズだったのでしょうか?
しっかり活用が始まるまでには1年以上かかりましたね。

Salesforce 導入前は手書きの報告書がベースだったので、アナログからデジタルへ移行するために各リーダーが集まるミーティングに何度も足を運びました。
そこでChatterの使い方、活動記録の重要性、変更後のフローなど、粘り強くコミュニケーションを重ねて説明していきました。
──ちなみに、Salesforceを社内に広める上で、難しかった部分はどこですか?
最初はSalesforce独自の用語に戸惑いがちでしたが、トップダウンの方針もあったので使い始めるのはスムーズでした。
しかし、Salesforce入力後のアクションまで意識した運用になっていませんでした。
Salesforceは、商談報告書として使うだけでは活用できているとは言えません。
「ヒアリングや活動記録が重要で、どういう営業をすべきか考えるためのツールだ」と社内のリーダーたちに理解してもらうため、対話を重ねました。この部分はこれからももっと理解を広めたいと思っています。
当時は特にサポートツールなどを導入しなかったので、Teachme Biz for Salesforceを導入していたら定着はもっとスムーズだったと思いますね。
──サポートツールとしてTeachme Biz for Salesforceを選んだ理由は何だったのでしょう?
何かしら定着支援をしたいと思っていたところ、Teachme BizはSalesforceと連携していると知って、軽い気持ちで一度お話を伺ってみることにしました。
話を聞く前は「PowerPointと何が違うんだろう」と思っていたのですが、お話を聞いて実際にサンプル(デモ)を見せていただくと、Salesforceに慣れていない人にも負担をかけずにわかりやすく伝えられそうだとイメージできました。
さらに決め手になったのは、作業がスマートフォンだけでも簡単に完結するところですね。

我々は全国に多くの販売員を抱えていて、販売員がSalesforceを使うときにはスマートフォンで操作しています。ですので、オフィスに勤務する社員などPCで作業するスタッフ向けにはTeachme Biz for Salesforce、店舗業務がメインのスタッフ向けにはTeachme Bizのスマートフォンアプリを使うなど、最適な使い分けができるところが魅力的でした。
マニュアルの作り方が統一され、社内の幅広い業務を複数名でサポート
──新しく入社された方に対して、Teachme Biz for Salesforceで、どんなマニュアルをつくっていますか?
まず「売り上げの出し方」「販売実績の出し方」など、皆さんがよく使う基礎的な内容をビジュアル中心でステップベースの手順書として整備していますね。
最近では、レポートを作るときにレポートタイプの選択ができないという問い合わせもあったので、その作り方も用意しました。
もう一つの事例で話していた新しい「パートナープレイス」利用者(社外のパートナー企業)とのやり取りや、処理の仕方も手順書を整えています。
──実際に使われてみて、Teachme Biz for Salesforceにはどんなメリットがありましたか?
最大のメリットだと感じた機能は、一つの画面で完結するところです。
実際のTeachme Biz for Salesforce(画面左下)で手順を確認
Salesforceを操作しながら、その画面に応じたマニュアルが出てきてすぐに確認できるので、問い合わせる手間が省けるのはSalesforceを使う社員にとって便利なツールだと思います。
また、管理者としても作成・更新がしやすいというメリットを感じます。
必要なマニュアルをスマートフォンからでも5~15分程度ですぐに作成できますし、画面に連動することでマニュアルが古くなっていることにも気づきやすく、更新を忘れることが減ります。更新するたびに通知を飛ばすかどうかも設定できる機能もありがたいです。
──マニュアル作成は久保田さんお一人で担当されているのですか?
マニュアル作成は私ともうひとりのSalesforce管理者が中心ですが、他のスタッフにも協力してもらっています。Salesforce以外の業務のマニュアルであればさらに多くの担当者がいて、私一人に負荷が集中せずにうまく分業できています。
社内向けの「マニュアルの作り方」マニュアル
Teachme Biz内に「マニュアルの作り方」というマニュアルをつくってからは、誰が作業しても同じフォーマットで追加していけるようになりました。管理者・協力者の教育もスムーズになり、組織的に運用できる体制ができました。
──複数名で管理する上でのTeachme Bizのメリットは何かありましたか?
Teachme Bizのマニュアル同士をリンクできる機能は便利だと思いました。複数名だからというわけではないですが、マニュアルのボリュームが増えていくほど、どこを見ればいいかわかりづらくなりますよね。
そこで、目次のような大きいページを作り、「この場合はココ」「この場合は…」と、困っている人の状況に応じて適切なマニュアルに誘導するという使い方をしています。
また、最近リリースされたトレーニング機能を使えば多くのマニュアルの中から必要な部分をピンポイントで読んだ上で学習してもらえて、より効率的に支援できるのではないかと注目しています。
全国の優秀な営業社員のノウハウをTeachme Bizで共有していきたい
──Salesforce製品 × Teachme Bizを使って、今後こんなことに力を入れていきたいということはありますか?
まず、「営業力」というものを明文化するためにみんなで使っていけたらいいなと思っています。
弊社でも、営業のやり方は人によって異なります。パートナー様と密に連携する人もいれば、他社製品も含めて時計の知識が非常に豊富な人、企画力が高い人など、それぞれが自分のやり方で営業しています。そんな中で、共通のアプローチを確立させることを目指しています。
Teachme Bizは、PCのブラウザで画面遷移をサポートするだけでなく、アクションに紐づいた行動まで載せられる点が他のツールよりも優れていると思います。
──具体的にはTeachme Bizをどう活用されていくのでしょうか。
「Salesforceの使い方」ではなく、Salesforceの前後も含めた「PDCAのフロー」を載せていきたいです。
たとえば、Salesforceのダッシュボードを使ったKPI管理をして、営業会議でCheckをする。その結果によってフローが分岐するActionプランまで可視化させ、Teachme Bizでプロセスを共有していけば、Salesforce × Teachme Bizによって業務改革を目指せると思います。

Teachme Bizはアナログの現場でも使いやすいため、“SECIモデル”を回せるのではと期待しています。
──SECIモデル?
野中郁次郎という教授が提唱したモデルで、「暗黙知」や「形式知」という言葉は多くの人がご存知かもしれません。暗黙知や形式知の共有・統合を繰り返して組織として知識を創造していくという考え方です。
たとえば全国各地には優れた営業手法を身に着けている営業マンはたくさんいるはずですが、何がベストプラクティスなのかは社内で明文化されていません。そこで、社内で成果を出している人はどんな営業手法なのかという暗黙知をまず形にしたい。
社内で成果を出している人が、PowerPointが優れているのか、時計の紹介の仕方が上手なのか、深堀りした質問が出来ているのか、デジタル・アナログどちらの知見も交えて、うまくTeachme Bizに乗せて共有できればと思っています。
そうやって暗黙知を形式知に変える作業を社内で行ったら、じゃあみんなで試してみようと全体でアクションする。
その統一した営業スタイルを各自が取り入れて実践することで、また優れた暗黙知を発見していくというサイクルを作っていきたいです。
──ツールを利用した先の目的まで、組織に浸透すると理想ですね。本日はありがとうございました!