2005年に設立したキャブテックタイ株式会社は、主にパワーショベルやブルドーザー、ホイールローダーの運転席の板金部品を製造。日本に向けて輸出するなど、グローバルに展開しています。
企業の社会的責任を果たすための一助に
―――Teachme Bizを導入した背景を教えてください。
それまでは、口頭のため間違って指導してしまう。マニュアルがある場合でも紙ベースなので更新されない、見られない、見づらい、どこにあるのか分からないといった問題が発生していました。
キャブテックの行動原則を示した「SLQDC」[Safety(安全と健康)、Law(法令遵守・コンプライアンス・環境)、Quality(品質と信頼性)、Delivery(タイミング)、Cost(コスト)]が守られるはずがありません。
ただ、企業として標準書がなければ作業させることも、不具合の発生を責めることもできません。日本ですでに使われていたこともあり、タイでも導入したいと考えてはいましたが、企業責任を果たすためにもTeachme Bizは“ドンピシャ”でした。
おまけに、驚いたのがそのリーズナブルなランニングコスト。費用面でも導入しやすく、すぐ飛びつきましたね。
画像ベースのマニュアルをタブレットでも見れるので、伝わりやすい
不具合の原因解析を反映することで品質を管理
―――どのようにマニュアルを作っていく計画ですか?
キャブテックでは「機械加工による生産の4 M(人・機械・方法・材料)」 と独自の「3H(初めて・変化・久しぶり)」という要素を使いながら、不具合が出てしまう原因を解析して改善策を講じています。マニュアルにもこの品質や安全性の観点、勘所を織り込めば、スタッフが作業に早く習熟できるようになるはずです。
また今後は作業だけでなく、事務系の業務にも展開したい。既に導入済みのキャブテック ジャパンともコミュニケーションをとって視野を広げながら一緒に良いもの作っていきたいですね。
工程の各ステップを画像と文で説明することで、よりわかりやすくしている
マニュアルはスタッフの目で最新の状態をキープ!
―――導入の効果はいかがでしたか?
現在、システム全般のサポートをしているクオリカ株式会社様に業務標準化の支援をしていただき、約600のマニュアルを作成しております。マニュアル作成者は3名。それ以外でも、個人の携帯電話から閲覧することができます。タイではICTに対して興味を持たれている方が多く、携帯電話の普及率も高いことから、スムーズに受け入れられたのではないでしょうか。
正直なところ、まだ目に見える効果は出ていません。ただ、導入によってコミュニケーションが生まれたこと、作業改善に向けた意識が芽生えたことは、それだけでも意義があったのではないかと思います。
ただ、導入したからにはTeachme Bizを活用して、マニュアルが“古新聞”にならないように、使用している50人、言わば100の目でチェックしながら、常に最新の状態を保っていきたいですね。
キャブテックのDNAを海外へ・未来へ継承。
―――今後の目標を教えてください。
タイに赴任して1年。現在、私が取り組んでいるのが3C (Change、Challenge、Communication)です。マニュアルとして“見える化”した日本でのノウハウを共有することで、現地スタッフがスキルアップできるようにしています。
しかし、Change、Challengeという点では、文化の違いに大きな壁を感じてきました。Communicationについても、もう一歩踏み出して深めていってほしい。2020年度には、物事の本質を考え抜く力をもっと磨いてほしい。
これらの目標達成に数年を要するのは承知の上です。
私が目指すのは、先が見える経営。そして、自律神経が張り巡らされた現場で、3Cを使ってスパイラルアップしていくこと。Teachme Bizを駆使しながら、企業価値を上げていきたいですね。