500社を支援する企業が語るSalesforce導入による経営効果と社内定着のコツ
2019年7月3日(水) 、Salesforceの定着化を促進するサービス Teachme Biz for salesforceリリースを記念し、Salesforceプラチナパートナー サンブリッジ様との共同セミナー「500社を支援する企業が語るSalesforce導入による経営効果と社内定着のコツ」を開催いたしました。
Salesforceの経営効果から、定着のコツまでカバーする貴重な内容になりましたので、イベントレポートを公開させていただきます。
サンブリッジ様は、株式会社セールスフォース・ドットコムの日本法人立ち上げを支援し、現在は最上位のプラチナコンサルティングパートナーとして、大企業から中小企業まで様々な企業のSalesforce導入を支援されています。
これまで500社・2,000プロジェクト以上のSalesforce導入・活用支援を手掛けてきたサンブリッジ様に、「Salesforceとマーケティングオートメーション(MA)を通してビジネスがどう変わるのか」をご紹介いただきました。
加えて、弊社 スタディストは、4月にリリースしたTeachme Biz for SFAのご紹介や、Salesforce利用者インタビューから見出したSalesforceを社内に定着化させるためのポイントについて解説いたしました。
目次
【第1部】株式会社サンブリッジ「営業・マーケティングを変える、Salesforceを中心としたデジタルトランスフォーメーション」
株式会社サンブリッジマーケティング室 マネージャーの石川 遼彦氏より、SalesforceのSalesforceを中心としたデータを活用した営業・マーケティングについて具体的に解説いただきました。
まずは、サンブリッジについて紹介されました。サンブリッジは日本に7社しかないプラチナコンサルティングパートナーの中で、従業員規模が100名前後のもっとも小規模な会社です。
小規模の小規模~大企業まで500社、2000プロジェクトの豊富な支援実績もありつつ、日本にわずかしかいない「テクニカルアーキテクト(Salesforce最上位認定資格)」の資格をもつエンジニアがCTOを務める、少数精鋭集団のSalesforceパートナーです。
サンブリッジはSalesforceのサービスをお客様に提供するだけでなく、自分たちでも使っています。その実践経験や経営効果を時間しているからこそ、自信を持ってSalesforceの様々な導入・活用提案をお客様にできるそう。
このセッションでは、Salesforceの基礎知識と、Salesforceの活用によるビジネスへの影響について聞きました。
Salesforceの基礎知識 : Salesforceとは何なのか?
Salesforceは、SFA ( Sales Force Automation : 営業を支援する業務アプリケーションのこと) のサービスとして位置づけられます。
SFA のなかでも、 Salesforce と他の SFA との違いは、まずその圧倒的な実績。世界 No.1 の SFA として、多くの企業に採用され、そのブランドは他に並ぶものがありません。
また、 Salesforce の機能のほとんどはプログラミング無しで使えるという点も大きな特徴です。コードを書くこと無く、設定ベースでカスタマイズできるため、より早く、柔軟な展開が可能です。
さらに、 AppExchange という他社による連携サービスも豊富に揃えているため、 SFA 分野だけでなく、非常に幅広い分野の業務改革を実現できます。
ちなみに、サンブリッジが提供する 名刺デジタル化サービスのSmartVisca(スマートビスカ) や、スタディストの Teachme Biz for Salesforce もAppExchangeのサービスの1つです。
Salesforce で業務やビジネスがどう変わるのか
Salesforce の解説のあとは、 Salesforce を活用することによるビジネス効果について説明されました。
その効果をわかりやすくするため、まずは Excel での案件管理をした場合の課題を考えてみます。
Excel 管理をしていると、成約のヨミ(成約確度)が担当によってばらばらになったり、ヨミの変化や、その変化の理由など、商談に関わる情報が管理できない状態に陥ります。場合によっては、担当の独断により、いつの間にか案件が消えてしまっているということも検知することが難しくなります。
Salesforce を活用すれば、マネージャーの管理が容易になり、営業チームの力の底上げになります。「トップ営業マンを伸ばす」というよりも、「トップ営業マンのプロセスを明らかにし、他の営業マンにも伝達していく」ためのプラットフォームが Salesforce です。
つまり、チームで営業の成果を上げていく「チームセリング」を実現することが可能になります。
Excel での商談管理と比較すると、まず Salesforce では商談や担当者の情報が明確に紐付いています。商談、取引先、商品、担当者などの情報同士が紐付いているので、ヨミの制度も管理しやすくなります。
次に、お客様側の情報も、より細かく記録することができます。そうすることで、ヨミの根拠や商談の振り返りも深いレベルで行うことができます。
そして、案件情報の更新もしっかり残ります。履歴が残ることで、案件の状況変化がチームで共有可能になります。受注が取れなかった場合や、再度商機が訪れた際には、振り返り材料となるので、営業機会の拡大に繋がります。
そして最後に、活動管理ができるのも強みです。 豊富な顧客の情報に対して、どういう行動をいつまでに行うかを可視化することができます。このように、Excel とは全く違うレベルで情報取得、蓄積、連携ができるだけでなく、その後のアクションまで繋げられるからこそ営業成果の向上に繋がるのです。
扱う情報量は多くなりますが、ダッシュボードにして常に可視化できるので、異変にすぐ気づくことができます。
実際にサンブリッジでは、自社でもダッシュボードで売り上げ進捗、パイプラインの進捗、todo状況やターゲット企業へのアプローチ状況、そして各担当の活動量をダッシュボード化しています。
営業データや受注結果が蓄積すれば、商談や成約につながりやすい案件はどのような特徴があったのかを振り返って分析できるため、同じデータに基づいてマーケティングやインサイドセールスへの連携ができます。
つまり、営業起点で経営全体にポジティブな効果が広がっていきます。
サンブリッジ社自身も Salesforce による業務改革の結果、4年連続で受注案件の件数を130%以上伸ばしているそうです。
これほどの効果を得られるような投資はなかなか見つけられないのではないでしょうか。
自社だけでなく、お客様の実例もご紹介。 Salesforce はより見込みの高いお客様へのアプローチを実現できるため、アポイント数(コスト)を大幅に下げつつも、それまで以上の売上、利益を上げることができたそうです。
一方、 Salesforce の期待できる効果はありますが、Salesforce だけではどうしても避けられない社内の手間や負担は残ります。
たとえば、名刺情報の登録の負担を回避するために、サンブリッジはSmartViscaを提供し、自社でも活用されています。
また、 Salesforce を導入し、社内に定着させるには、社内での教育が必要です。
石川さん自身も1年以上かけてサンブリッジ社内への浸透に尽力されたそうです。
Salesforce 推進担当の負担を減らし、社内への定着を促進させるサービスとして、Teachme Biz for Salesforceを紹介いただき、第2部の弊社スタディストパートにバトンタッチされました。
【第2部】株式会社スタディスト「Salesforce定着を実現した先輩企業の実例紹介と、Teachme Bizによる社内定着負担軽減の秘訣」
第2部では、株式会社スタディスト 営業部 マネージャー西尾 雄より、Salesforce の定着についてお話しました。
第1部ので紹介されたような Salesforce のパワフルな経営効果を得るためには、社内教育を始めとした Salesforce の定着施策が不可欠です。
Salesforce 管理者へのインタビューを行うと、多くの会社の担当者が勉強会やマニュアル、手順書の作成などを通じて、社内への教育に時間をかけています。
今回は、累計2,500社以上に導入され、多くの社内教育の負担を解消してきた Teachme Bizを活用して社内定着を成功させる方法についてお話しました。
また、スタディストはTeachme Biz for SFA の開発にあたり、Salesforceで成長を実現した数々の企業の担当者へのインタビューを重ねました。今回は、インタビューの知見も織り交ぜながら、Salesforceを導入した企業だけが実感できるメリットや、社内導入・定着のコツ、失敗例を紹介しました。
社内教育・定着を成功させるための考え方
まず西尾からは、社内教育を通じて、業務の効率化を実現するためには「人と機械(システム)で協働するバランス」が重要だと語ります。
そこで、業務を3つに分けます。コピーや情報転記などの単純作業、ある程度の判断が必要になる選択型の作業、そして熟練の知識や経験あるいは不確実性の高い高度な作業、の3つに分けます。
機械化できる単純業務は機械化/自動化し、人の判断が入る業務は組織内での標準化/知見の共有を進め、人しか行えない高度な業務にできるだけ人の時間を割けるようにするのが仕組み化の王道です。
しかし、組織内の知見共有をすすめようとしても、それを確実に行う方法はなかなかありません。文字だらけのマニュアルは再現性はありますが読まれません。
そして、研修はすぐに内容を忘れてしまい、OJTは教育内容のバラツキが発生したり教育コストが高くなったりする問題があります。
もし、文字だらけのマニュアルが、もっとビジュアルベースだったら、読み手にもっと伝わりやすく、理解にバラツキがなく、実務に活かしやすくなるはずです。
最近は、動画が注目されていますが、動画と静止画の併用が理想だと考えます。
作業全体の確認や、動きや音声がある業務には動画が分かりやすいです。しかし、動画では強調すべき点が不明確ですし、一部だけ確認したい時にも使いにくいのです。動画を再び見ようとして、再生バーをつまんで探してイライラする経験は、多くの人が体験したことがあるでしょう。
作業のステップごとに静止画で示した方が、多くの場合は早く、確実に情報が伝わります。
しかし「動画と静止画で作ろう」となると、教育者への負担が非常に大きくなります。
そもそも、マニュアルや手順書を作る際には、教育者に新たなスキルが必要です。そしてスキルを身に着け、「パワポ職人」「マニュアル名人」「動画職人」になってしまうと、次は他の人に教育社を引き継ぎにくくなるという弊害も生んでしまします。
そこで、スタディストは、制作スキルが無くても読み手に分かりやすい手順書を、簡単に作れるプラットフォームを提供しています。
当日はデモを行いましたが、以下の動画で全体像は確認できます。
Salesforce 定着をさせるためのヒント
冒頭で、 Salesforce でも社内定着が必要だと述べましたが、Salesforce を始めとする SFA ( Sales Force Automation ) の定着が難しいと言われるのには、理由があります。
SFA の定着が難しいのは、現場の協力が必要で、しかも、現場のメリットが分かりにくいという特徴があるからです。
特に、 SFA を導入すると、営業担当は情報入力が追加の業務として課されます。しかし、営業担当はすぐにメリットを感じられないため、なかなか定着が進まないのです。
一方で、他の職種はメリットを感じやすく、場合によってが業務量も減ります。
なので、営業担当はできるだけ作業や学習の負荷を下げつつ、メリットを理解してもらったり、場合によってはインセンティブを用意したりすることが定着には必要です。
また、導入プロジェクトチームは、Salesforce 導入の意義を社内で一番感じており、導入で評価される面もあるため、啓蒙の必要はありません。
しかし、 Salesforce の導入、定着のための作業量は社内で最も多くなり、ボトルネックになるため、業務を効率化しないとプロジェクトが遅れてしまいます。
もし、 Salesforce の定着が遅れてしまうと、Salesforce 活用で期待できるメリットが得られないまま、利用料を払い続けることになります。逆に言えば、定着の負担を軽くし、定着を早く、確実にできれば、経営効果を早く得ることができます。
サンブリッジも、スタディスト自身も Salesforce を活用して大きな経営効果を得られています。多くの担当者の定着の負担を軽減し、多くの会社が Salesforce による経営改革を実現できるよう、 Teachme Biz for Salesforce を提供しています。
Salesforce の社内教育のポイント
Salesforce の社内教育は簡単ではありません。
その背景には、先述の営業担当にメリットが伝わりにくいこと、手間が増えることに加え、 Salesforce のメリットである柔軟性やユニークさがあります。
他のツールとは違う Salesforce の意義やメリットを理解してもらうには、社内のメンバーや活用方法、フェーズに合わせた説明や社内教育が必要です。
冒頭に話した通り、その教育を Power Point などでマニュアルやヘルプを作って行おうとすると、非常に大変です。
様々な機能に対応するヘルプを一度作るだけでも一苦労ですし、Salesforce はどんどん改善をしていくツールなので、画面の変更も見据えてヘルプも更新できる体制づくりが必要です。
しかも、 Power Point などで作ったマニュアルは、社内 SNS に埋もれる上、読まれたかどうかも分かりません。そこで、多くの会社では、担当者が定期的に時間を取って、営業担当にヒアリングをし、改善や指導を行っています。
Teachme Biz を活用すれば、マニュアルやヘルプのありかは一目瞭然で、検索も簡単になります。管理者は、社内の検索結果をレポートで見られるため、社員がどういうレポートを探しているかも分かります。検索レポートを使って、社内のニーズを検知し、問い合わせ対応工数を減らした事例もあります。
レポート機能で検索ログを毎日取得しています。検索されたキーワードから、社内の情報需要を把握して、需要が高いマニュアルの新設を促しています。
また、検索キーワードの表記揺れによって関連マニュアルがヒットしていない場合には、そのワードを検索タグとして追加しています。(例:タイトルが「有休奨励日」という記事に、「有給」や「推奨」などの検索タグを追加するなど)他にも「マニュアル作成5か条」に則っていないものは、日々改善を続けています。
不経済な問い合わせを減らす“マニュアル転生“のコツ|第4回User Conferenceレポート:CCI様編
さらに、「タスク配信」という機能などを活用すれば、各社員が、マニュアルやヘルプを「読んでいないのか」「読んだ上で間違っているのか」という情報も得られます。
Teachme Biz for Salesforce は、 Salesforce の画面に合わせたヘルプが常に開けるサービスです。このような機能を組み合わせれば、「読まれていない」という状況は回避でき、社内教育を着実に進めることができます。
Teachme Biz for Salesforce のデモ
そして、Salesforce が定着した後は、現場に基本的な教育役を引き継いでいき、担当者は Salesforce のさらなる活用にリソースを割ける状態にしなければなりません。
そこで、 Teachme Biz による作りやすさはもちろん、承認ワークフローが役に立ちます。
現場のリーダーが作ったマニュアルやヘルプをチェックし、承認するプロセスを経て、少しずつ現場から教育担当を育て、最終的には現場に最適化した Salesforce 運用、教育体制を実現することで、真の定着化が図れるのです。
このように、 Salesforce の特徴を捉えながら、 Teachme Biz や Teachme Biz for Salesforce の特性を生かして、教育者の負担をの軽減と、営業担当が迷わないヘルプづくりの両立を目指します。社内教育のボトルネックを解消できれば、Salesforce が定着失敗するリスクも減り、 Salesforce のパワフルな経営効果をいち早く得ることができるでしょう。
弊社のツールは他にはない定着効果に自身はありますが、ツールがあれば全てが解決するというわけではありません。
社内でのコミュニケーションは重要ですし、ツール以外でも重要なことは多いため、 Salesforce 担当者の導入・定着ストーリーを随時ブログで公開していますので、そちらもぜひご覧ください。
vol.1 freee株式会社 :
「管理側でも把握しきれない。」急拡大中の組織がたどり着いたのは、"現場のリーダー"を育成すること──Salesforce 導入~定着の道のり Vol 1. freee 株式会社
vol:2 リベロ・コンサルティング合同会社 :
自社の商流と The Model を理解した PM が正しい要件定義のカギとなるーーSalesforce 導入〜定着までの道のり Vol 2. リベロ・コンサルティング合同会社
vol.3 アクシスコンサルティング株式会社 :
「なぜ私が担当に?」状態から導入してわかった、注意すべき 3 つのポイント──Salesforce 導入〜定着の道のり Vol 3. アクシスコンサルティング株式会社様
Salesforce はサンブリッジもスタディストも自社で活用し、もはや経営には不可欠なパワフルなツールです。一方、その効果があるからこそ、月々の利用額は安いものではありません。会社規模によっては、月で数百万~数千万の投資が必要となります。
定着のカギの1つが社内教育です。もし、導入前に社内教育・定着の対策を行っていなければ、社内教育の負担や、社内教育によって定着が遅れるリスクを減らすことで、きっと Salesforce の導入プロジェクトの成功確率は上がるはずです。
質疑応答セッション
2セッションの後、参加された方から質問に回答する質疑応答セッションを行いました。
質問セッションでは、Teachme Biz for Salesforce のプロダクトマネジャーである木本も参加。Salesforceの導入から定着まで幅広い話題をカバーするセッションとなりました。
Q. 経営効果が出てくるまで、どのくらいかかりますか?また、その間はどのような指標をKPIと置くのでしょうか?
A. サンブリッジ社の場合、売上に返ってくるまでは1年はかかりました。ただ、1年で終わりではなく、その後も成長を続けられているので、どんどん経営効果はましていきます。それまでは、項目の入力率や活動量などの KPI をしつこく見ていく期間が必要になります。
Q. 定着化しない原因でよくあるものは何でしょうか?
A. 「営業が入力してくれない」というのを最も聞きます。多くの会社は、導入初期の入力項目は最小限にしているようです。はじめから項目を多くした会社の多くは定着に苦労されており、「もっと少なくすればよかった」とコメントしているところは少なくありません。
Q. MA ( Marketing Automation ) 無しでインサイドセールスはできるでしょうか?
A. スタートタイミングでは SFA だけで運用可能ですが、リード情報の入力は手作業になってしまいます。最初は導入しなくても、インサイドセールスが軌道に乗った後の MA 導入を見据えた上で運用設計することをおすすめします。
Q. Teachme Bizのマニュアル作成をする際に確認する手順書などは契約した場合には提供されますか?
A. 契約時に一部の手順書はプリセットでご提供いたします。ただし、基本的にはご利用者様ごとに必要な手順書は異なるため、ご利用者の皆さまに作っていただくことになります。契約後には初期の導入サポートもいたしますので、ご安心ください。
Q. 営業ではなく、商品管理にも応用できますか?できれば事例をお教えください。
A. はい。商品管理や原価管理に使っておられる企業様もいらっしゃいます。サンブリッジでもコンサルティング業務の稼働率を Salesforce 上で可視化しており、スタディストのブログでインタビューを公開したケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ株式会社様でも、コンサルタントの稼働率を Salesforce で管理されています。
Teachme Bizでは、SalesforceにTeachme Bizで作成した操作手順書を表示する"Teachme Biz for Salesforce"を提供しております。
Salesforceの使い方が分からない際、その画面内で画像ベースの操作手順をそのまま閲覧できるようになります。
詳しくは、以下のページをご覧ください。
>> 【関連】画像・動画ベースのビジュアルヘルプで、Salesforceの運用定着をもっと簡単に