Salesforce導入

Salesforce の全社導入は、経営者から現場まで各ポジションの推進者がコミットする “掛け算” が鍵──Salesforce 導入 〜 定着 の道のり Vol.8 株式会社サンブリッジ様(後編)

<よくある課題と解決のアクション>

セールスフォース・ドットコム社設立当初からのパートナーである株式会社サンブリッジは、これまで 900 社・2,400プロジェクト以上の導入~定着を支援してきました。もちろん自社でも Salesforce を徹底的に運用しており、効率的な営業活動を実現しています。

前編では、現場でコンサルタントとしてクライアント企業の導入~定着を支援されている宗像さんと東島さんにお話を伺いました。後編では CEO・小野 裕之さんを交え、経営層にとっての Salesforce のメリットや、スモールスタート後に全社へ導入を拡大する際の注意点を伺いました。

「できるだけ早く成果を出すには、さまざまな企業のケーススタディを活用することが効果的。最短でゴールに導くのが、私たちのようなパートナー企業の役割です」──小野さんが語る通り、事前に知っていればトラブルを避けられるポイントはたくさん存在するようです。

優秀な営業メンバーの “型” を可視化できるため、組織全体のレベルを底上げできる

──サンブリッジさんは Salesforce のプラチナ コンサルティングパートナーというだけでなく、全社で Salesforce を活用されていますが、やはり定着には苦労されたんでしょうか?

小野:
経営者として効果を実感するまでには 3 年ほどかかりましたね。

当社では名刺管理を起点としてマーケティング活用から営業管理・顧客管理まで、システムと業務を連携させています。すべての領域を Salesforce で統合し、全体最適を図ったので、時間はかかりました。「Teachme Biz for Salesforce」もリリースされたばかりですが、業務の定着化に大きなメリットを感じましたので、弊社でも早速使い始めました。

やはりクライアントの社内プロジェクトを成功させるには、自社でしっかり Salesforce を使いこなし、生産性を高めて売上を伸ばしている状態にしなければなりません。結果として、ご提案の際にはまず自社での事例・導入効果を話せるようになったので、クライアントからは信頼いただけています。

──自社で使っていると提案に説得力が生まれますよね。CEO である小野さんの視点では、Salesforce の定着には何が必要だと思われますか?

小野:
経営者と、各現場のマネージャのコミットメントです。

まずは経営者が「Salesforce を使って業務改善する」と意思表示し、定着するまで各マネージャがプロジェクトを推進する。Salesforce は魔法の杖ではないので、業務自体の見直しや組織・体制の最適化、システムを使う社員の教育・定着の伴走支援など、フェーズごとに役職者のコミットも求められます。

──経営者やマネージャにコミットしてもらうにはインパクトのあるメリットが不可欠だと思いますが、小野さん自身は経営者として Salesforce のどんな面を魅力に感じておられますか?

小野:
属人性が減ったこと、その結果として効率的な営業活動ができることが大きな成果だと思います。

営業のプロセスをすべてデータで入力することで、営業自体の見える化ができます。リモートワークでのマネジメントも可能になりますし、社員に休暇や異動・引き継ぎがあってもお客様にご迷惑をかけない状態にできます。

データが蓄積されてからは、リアルタイムに受注率や売上の予測ができるようになったので、経営者としては非常にメリットを感じます。

──属人性を減らすと、優秀な社員の力が発揮されなくなるような気もしますが…。

Salesforce による業務改善は、全体のレベルの底上げが目的です。
「優秀な社員はどんな商談をしているのか」「競合と比較された際はどう説明すればいいか」といったナレッジが共有できるので、現場の社員は “型” をつくりやすくなります。

部下の教育を行うマネージャにとっては、「ナレッジが共有しやすい」というメリットが理解されやすいです。
従来の営業プロセスでは、優秀な社員たちから学ばせようと思っても一日中彼らに同行させるしかありませんでした。比較すると、教育効果は大きく向上しますよね。

──チーム全体が強くなるのですね。ちなみに、マーケティングや CRM 領域まで含めた全体最適の成果はどんなところにありますか?

“The Model” と言われる分業体制、一人のお客様が一人の人間に見える状態を作れたことで、足し算の営業から掛け算の営業に変わりました。

従来は営業といえば従業員一人ひとりに目標を持ってもらい、何%達成したかを足していくスタイルでした。今は商談の各プロセスごとに目標があり、マーケティング担当からサクセス担当までが 120% の力を出せば、最終的な成果が 200% にもなります。The Model は科学的にも実践的にも生産性が上がると証明できていると思います。

各現場の優秀な若手がエバンジェリストとなって定着の流れをつくる

──Salesforce 導入の意義を理解していただいたあと、実際に導入・定着フェーズに入っていくと思うのですが、大規模な組織の場合はどんなところに苦労されますか?

宗像:
まず、研修・トレーニングのコストが大きく変わります。一度の研修で大勢を教えても効果が落ちるので、数百人・数千人が対象となる場合はかなりの回数が必要です。さらに全国に拠点があると移動も含めて時間がかかりますし、本社から来た講師は警戒される、そもそも IT システムに慣れていないなど、地方ならではの悩みも出てきます。

当社が支援しているクライアントでも、さすがにすべての現場での研修は実施しきれないので、各部署に新たな講師を育成することを提案しています。

東島:
講師の数を増やして引き継いでいくと、人から人へと伝える中でナレッジが薄まってしまうという問題もあります。同じ講義内容でも、どうしても説明が足りない部分が出てきてしまいます。

最初に導入した部署の方が講師として全部署・全拠点を担当できればいいのですが、現実的には難しいですし、実施できたとしても膨大な時間がかかります。

──パートナー企業がついていても苦労するのですね。何か解決策はありますか?

東島:
小野からも話がありましたが、中央だけで抱えず、各部署・拠点のリーダーや役職者にしっかりとリードしていただくことに尽きると思います。

宗像:
あとは現場の若手の方の中からエバンジェリストを育成することです。

──Salesforce の社内エバンジェリストを選ぶには、若手の社員が良いのでしょうか?

宗像:
若い方は IT が得意なので、アサインされやすいですね。

ある程度の規模の企業になると、営業成績が優秀で影響力がある若手の方が必ずいらっしゃいます。そういう方が現場のハブになっていただければ、Excel に戻りたがる同僚に注意したり、わからないことがある社員には指導したりと、積極的に Salesforce の定着を推進してくださいます。

小野:
若さや IT リテラシーが無くても、“身近な業務を改善してきた社員” の方は適性があります。そもそも、Salesforce はノンプログラミングでも活用できるサービスですし、改善を続ける姿勢が重要です。

──大規模になるとパートナー企業にすべて任せていてはいけないのですね。斜に構えた質問になるかもしれませんが、そんな中でサンブリッジさんのような Salesforce パートナーと組むメリットはどんなところにあるのでしょうか?

小野:
時間を買っていただくのだと思います。当社のように多くのクライアントを支援させていただいた企業は、過去の事例から多くの学びを得ています。

これまでの経験からクライアントの状況に応じて最適なプランを考え、最短でゴールに導けますので、自社のみで導入されるよりもミスも避けやすいですし、立ち上がりも早くなるはずです。

複数部署・全国拠点での導入は問い合わせ対応のコストも膨大に。“使えるマニュアル” の整備が鍵となる

──大規模なプロジェクトの際に、研修を終えて運用を開始した後に気をつける点はありますか?

小野:
特に大規模なプロジェクトになると、マニュアルはとても重要です。当社のこれまでの事例を振り返っても、良いマニュアルがあればもっとスムーズに定着が進んだのではないかと思うことがあります。

多くの部署で研修をしようとすると、「運用やシステムが変更されると最新のマニュアルがどこにあるかわからなくなった」「知りたい情報のページを探しづらい」といった混乱や不満の声も挙がってきます。

──特に Salesforce では業務フローの変化や更新が当たり前ですし、管理も大変ですよね。

宗像:
クライアントからは紙資料を求められることが多いのですが、マニュアルはすぐ古くなるので、Web 上で共有して更新するほうがいいと思います。

──大規模なプロジェクトだと、当社の「Teachme Biz for Salesforce」はどんな使い方が考えられるでしょう?

宗像:
もしかしたら、最終的には研修が必要なくなるかもしれないですよね。

東島:
これぐらい簡単だと、クライアント社内でマニュアルを内製しやすくもなりそうです。

機能としては、各自が読んだかどうかわかるだけでなく、フィードバックを受けられるところがいいですね。「マニュアルは読んだけど、わからなかった」という意見に合わせて改善できるので、結果的に問い合わせも減らせますよね。

宗像:
あとは管理者のトレーニング・引き継ぎにも使えそうです。管理者の方は長く担当されるほどナレッジが貯まっていき、常に現場にとって使いやすいシステムとして更新・運用していけるのですが、やむをえず交代しなければならないこともあります。

人づてに伝えていくことでナレッジが薄まってしまうリスクは、営業現場だけでなくシステム管理者でも同じです。当社の支援先でも、管理者の方が変わればシステムの稼働率やエンハンス(改善)状況も変わっていますので、 Teachme Biz のように管理方法とナレッジを分かりやすくマニュアル化できるツールは属人化を避ける意味でも魅力的です。

──なるほど。データを入力する現場以外でもマニュアルが必要なのですね。

小野:
マニュアルはシステム管理者や問い合わせ窓口の社員にとっても重要なので、影響範囲が意外に広いんです。だからこそ、作成・更新がしやすく、ユーザーにとって読みやすいものを整備する必要があります。

弊社自身が Teachme Biz for Salesforce を使い始めた理由も、そこにあります。マニュアルを紙に印刷したり、ファイルを共有するのではなく、見ている画面に連動して必要なヘルプだけが出てくるようにすれば、現場でも効率的にシステムを活用でき、質問対応や管理者の工数を相当下げられるはずです。

──ありがとうございました。

前編はこちら

<執筆:Hiroaki Takahashi (Web / 所属先)、撮影:大杉 明彦 (Web)>

Teachme Bizでは、SalesforceにTeachme Bizで作成した操作手順書を表示する"Teachme Biz for Salesforce"を提供しております。
Salesforceの使い方が分からない際、その画面内で画像ベースの操作手順をそのまま閲覧できるようになります。

詳しくは、以下のページをご覧ください。
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