2,000 社以上導入プロダクトの問い合わせを、サポート 2 名だけで対応してきた仕組み - Salesforce × Teachme Biz による業務効率化
お客様から、「スタディストさんは自社で Salesforce と Teachme Biz をどう活用しているの?」と聞かれることがあります。
弊社では、様々な部署で Salesforce と Teachme Biz を組み合わせて活用しています。たとえば、カスタマーサポート(CS)の業務を徹底的に効率化しており、いままで 2,000 社以上の導入企業の皆様に対して、サポート業務は問い合わせ専任というわけではないメンバー 2 人だけで対応できています。
これを話すと、お客様には驚かれることもあります。さらに、「その話を参考に、自社で真似してみた」というお声もいただいているので、今回はこうしてブログにまとめてみました。
要約すると、特に会員向けサイトや外部向けのサポートサイトなどを運用している方に、こんな仕組みを作れば問い合わせ対応のコストが減り、業務を効率化できるよ、ということをお伝えできればと思っています。
目次
カスタマーサポート(CS)業務の効率化の流れ
弊社の業務効率化の流れとしては、下記のようになります。
1.そもそもお客様が自己解決できる確率を高めよう(問い合わせ自体を減らそう)
2.サポートメンバーを効率的に教育しよう
3.問い合わせ対応時のサポートのオペレーションを均一にしよう(誰が対応してもサービスの質を担保しよう)
4.オペレーション自体をスムーズに行えるようにしよう
私自身がまとめることもできるのですが、「サポートのチームとして、具体的にこんなことをしたよ」という手順として書いたほうがいいかなと思い、弊社 サポート部門のマネジャーで Salesforce の管理者でもある原 瑞穂子(みほこ)に詳しく話を聞いてみました。

インタビュアーの木本(左)とサポート部門マネジャーの原瑞穂子(右)
よくある質問と回答を、Salesforce と Teachme Biz の “いいとこどり” でマニュアル化する
──では原さん、サポート目線でのお話を聞かせてください。
はい。サポート部門が利用しているサービスの全体像は以下の通りです。ひとつずつ説明していきますね。

サポート部門が利用するサービスの全体像
まず左上から。Teachme Biz サービス内の「よくある質問」や「お問い合わせ」を押すと、 Salesforce Community で作ったサポート用サイトに飛ぶことができます。
サポートサイト上にはお客様からよく寄せられる質問と回答を集約しており、この中に Salesforce knowledge というサービスで記事を書いています。
Salesforce knowledge は記事を作るだけでなく、どの記事がよく見られているかを学習して優先的に表示してくれるので、非常に便利です。お客様自身が質問したいコンテンツを見つけやすくなりますから。
ちなみに、弊社のサイトは一般公開していますが、Salesforceでは、お客様用の Salesforce Community アカウントを発行して、競合に漏れないよう自社のお客様専用のサイトを作ることもできます。
──お客様自身で解決しやすいように、サポートサイトを構築しているわけですね。
そうです。このようにサイト上によくある質問を掲載すれば、お客様はいつでも自分で解決法を探すことができます。
さらに、テキストだけでなくビジュアルでも説明できればもっと便利になると考え、実際の画面を見ながら操作する段階では Teachme Biz に誘導しています。

knowledge記事とTeachme Bizの接続例
Teachme Biz の強みは、とにかく手順書が見やすく、伝わりやすいこと。ビジュアルベースかつ Step by Step の構成なので、画面を見ながら順を追って直感的に操作していけます。
画面や操作の説明をテキストだけで伝えようとすると、読み手が複雑な用語を理解する必要があったり、作り手には文章力や時間が求められたりして、お互いに苦労しますよね。
また、手順書を作る作業自体も簡単です。操作方法を動画でキャプチャして簡単に編集することもできますし、必要な画面だけを画像として貼り付けることも簡単です。Teachme Biz がなければ、これほどコンテンツを拡充できなかったと思います。
──お客様起点でデータを一元管理できる Salesforce と、手順をわかりやすく説明できる Teachme Biz の長所を組み合わせているわけですね。
はい。二つのサービスを組み合わせているからこそ、問い合わせの件数自体を大幅に減らすことができているのだと思います。 いままで 2,000社以上、アカウント数だと十数万人にご利用されていますが、私たちに届く問い合わせは月に 280 件程度に抑えられています。
Teachme Biz はシングルサインオン(=Salesforce アカウントでのログイン)もできますので、会員限定で Salesforce Community を利用している方にも便利に使えるはずです。
サポート メンバー自身が、Teachme Biz を活用して学習する
──問い合わせ自体をそれだけ減らせれば、サポートを 2 人でまわすことも可能になるのかもしれませんね。
そうですね。次はサービス品質のベースになるスタディスト社員の育成です。
まずスタディスト社自身が、Teachme Biz で社内マニュアルを整備して、社員の教育にフル活用しています。
研修に関しては弊社のメンバーがわかりやすく note にまとめてくれていますが、「反転学習」を重視しています。
まずは各自が Teachme Biz の手順書に沿って予習をしてから、グループでの研修を受ける。そして研修で聞いた事例に対して、感じたことを参加者の中で共有する。こうしてインプットとアウトプットをバランスよく繰り返すことで、学習の効率を高めています。
参考:3営業日でセミナー講師に~スタディストの新人研修「BootCamp」
もちろん自習だけでサポートの現場に配属できるわけではありませんが、教育コストを下げるためのコンテンツは重要です。今のサポートメンバーは色々なプロジェクトなども兼任していますし、将来的に増員・あるいは交代することがあってもスムーズに教育・引き継ぎができると思います。
問い合わせに対して、まずは該当する手順書を送る
──では、実際にお客様から問い合わせを受けたときはどんな対応フローにしたのでしょう?
Salesforce のサポート製品である Service Cloud を活用しています。サポートに必要な情報は Service Cloud の画面に集約されているので、非常に効率良く対応できます。

Service Cloudの画面レイアウト
使い方に関する質問であれば、まずは一次対応として Salesforce knowledge の記事(※ 1で作成したもの)をご案内します。記事は自動的に画面右側に提案されるので、誰が対応しても同じコンテンツを送信できます。
knowledge の記事はお客様向けだけではなく、社内メンバーにも学習した結果が提案されるのが良いところです。
──まずはお客様自身でもトライできるように手順書を送るのですね。ちなみに、使い方・手順以外の問い合わせって来ないんですか?
契約情報などに関するお問い合わせもあります。ですが、それも Salesforce 上では簡単にお答えできます。
問い合わせを受けると、サポートメンバーの Service Cloud 画面の左側で自動的に顧客情報が紐づいて表示されます。必要な情報をその場で確認できるので、検索の手間なくすぐにお客様の状況に合わせた回答ができます。
サポートの作業画面上に社内マニュアルを出し、すぐに検索・閲覧できるようにする
──確かに効率的に見えますが、一次対応だけで終わらないこともありますよね?
そうですね。社内の別部門との連携が必要になったり、手順書をみていただくだけではお客様の課題が解決しないこともあります。
ただ、Salesforce と Teachme Biz を使えば、そのような場合のオペレーションもスムーズに行うことができます。
たとえば他の部署と連携する必要がある場合。サポートメンバーが見ている Service Cloud の画面上には、Teachme Biz for Salesforce を使って社内マニュアルを表示しています。

Service Cloud で Teachme Biz for Salesforce を開いたとき
困ったことがあればその場で社内のオペレーションを検索・閲覧できるので、メンバーごとの差が出づらく、均一な対応が可能です。
また、手順書だけはお客様の問題が解決しなかった場合。お客様用のマニュアルを Teachme Biz で作成することには、その後のお客様の問題解決を早める効果もあります。テキストベースのマニュアルだと、どうしても「今どの画面を開いていますか?」という確認から始まるので、お客様が困っている内容を把握するだけでお互いに苦労してしまいますよね。
ですが、Teachme Biz の手順書は、ビジュアルベースで Step by Step になっているので、追加でお問い合わせを受けたときに、お客様には「ご覧になっている中の、どのステップでお困りですか?」と具体的に質問できます。多くの場合、お客様自身から「ステップ 4 が分からないんですけど…」と困っている場所を特定していただけるので、対処法をスムーズにご案内できます。
──それは効率的ですね。自己解決しやすいだけでなく、問い合わせが来たとしても早く解決できるわけですね。現場目線でのお話、非常にわかりやすかったです。ありがとうございました!

はい。正直、もう Teachme Biz なしではサポート業務を回せる自信はないですし、他の会社の方にも是非オススメしたいプロダクトです。
筆者まとめ
このように、弊社スタディストはお客様の声を聞くだけでなく、弊社自身が自社サービスをフル活用して、お客様への提案やサービスの改善に取り組んでいます。
お客様向けの満足度・自己解決率の向上、ヘルプページ作成・問い合わせコストの削減など、サポートの質・効率を高めたい方には、Service Cloud、Teachme Biz、Teachme Biz for Salesforce の組み合わせは非常におすすめです。
自社での活用を検討されている方は、ぜひ以下からお問い合わせください。